Google Apps Script(GAS)が非エンジニアに激ウケした理由|小さきアプリ屋の悩み
知り合いの VBA(エクセル)講師に久々に連絡を取ってみたら、何年か前から GAS 講師に転身したと返事が来た。
そう、その話が聞きたくて連絡を取った。弊社内と、アプリ屋としての横の繋がりと、巷の評判だけでも、GAS は相当に熱が高まっていたので、講師として需要はないのか知りたかったのだ。
講師曰く、GAS 受講生の殆どが、「非エンジニア職」だという。
また、教える内容も VBA 時代とは大きく異なっていて、その具体的な GAS プログラミングの方法ではなく、GAS で今、「何ができるのか」の解説に、重点を置いているのだという。これが一番反響が大きく、そして求められるというのだ。
# 日々の雑務が業務改善・効率化へ結びつく喜び
本来、モノづくりとは、非常にアドレナリンの出る楽しい作業だ。しかし、IT 業界は激務で、短期間でリタイアする若者が非常に多い。
それは何故か。一方的に求められたものを短納期で開発しなければならないからだ。それは誰に、何のために、どこでどうやって活用されるのか、役に立つのか、分からない。自分の開発したモノが世を変えたのか、それが全く不透明でイメージできないというのは、実はかなり精神的にダメージを受ける。
GAS での業務改善・効率化は、本来のモノづくりの真髄を食っている。日々の煩雑な作業が、自分のアイデアひとつで、劇的に日常が変化する。自分のアイデアが自分の手で実現でき、日々それが実運用されて、明らかに毎日が変化したことをその身で実感できる。これほど感動的で楽しいことなんてなかなかない。
# 勉強はイメージ先行でないと効果がない
勉強とは闇雲に行うものではない。必要に迫られ、必要な情報を集めて習得する。プログラミング学習しました、挫折しました、を繰り返している人たちは、圧倒的に完成イメージを持っていない。何を作りたいか、具体的な何かを持っていない。
目的意識と、実現イメージが何よりも大事だ。それは、出来上がりの品質にも直結してくる。非エンジニア職の人たちは、日々のルーチンワークに辟易としていて、その業務改善結果の完成イメージを非常に強く持っている。
今までのプログラミング学習とは違い、「何かができるようになってから何を作るかを考える」のではなく、「何が今必要かを考えてからその実現方法を学ぶ」という、本来の正しいプロセスを実現している。だから、非エンジニアが初めて GAS でプログラミングを行っても、挫折せずにあっさり完成まで到達できているのだ。
# インストールも要らない低レベルなプログラミング
GAS のプログラミングは本当に低レベルで、非エンジニアで全くプログラミング未経験の知人たちに私もいくつか開発指南したが、「Google カレンダーに登録した予定を当日の朝に LINE に通知する」という自動化 LINE 通知を、皆、僅か三~四時間ほどで完成させてしまった。「日」ではない、「時間」でだ。これは驚愕な時代が到来してしまった。
GAS では、プログラミングというよりも、サービスの組み合わせ、積み木やパズルに近い。プログラミングが苦手な人は、文字列の羅列であるコードを見て、それを頭に映像でイメージを描けないことが原因なのだが、GAS はGoogle カレンダーやフォーム、スプレッドシート、ドキュメント、LINE やChatwork など、組み合わせのアイデアなので、頭にイメージが描きやすい。
なので、開発中も普通のプログラミング初心者なら有り得ないくらいイメージを豊かに持っていたし、何より、完成したとき、ちゃんと自分がほしいと思ったモノが実現したことが、非常に喜びだったようだ。事前イメージ通りに完成できる、というのも、GAS の凄いところだ。
# 事例を紹介
GAS はアイデア次第で、プログラミングの技術レベルは不要に近いので、なるべく私も多くの事例を紹介して、より良いモノを役立ててほしいと思っている。今はまだ少ししか公開できていないが、これからも、全プログラム(ダウンロード可)と共に、公開していきたい。
食費入力のみ家計簿アプリ「食費簿」、自慰管理アプリ「アイナーノ」、どちらも御陰様で好調です。より良いアプリ開発に役立てます。