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私は生きている。『2023.11.2』

仕事を辞めて初めて、生きている心地がした。


今日は自転車の旅。
年金の手続きと『ご褒美』を手に入れに外に出た。

ご褒美の話は昨日の日記から↓


家から役所へ二十分、
役所からCDショップへ二十分、
CDショップから家まで二十分。
合計一時間自転車を漕いだ。

自動車免許を持っていない私が自転車を使って外に出る理由は三つ。

雪が降る前に自転車に乗りたかったから。
交通費を一円も使いたくなかったから。
外を知りたかったから。

私の住む地域は田舎だが、役所は都会、CDショップはまた違う田舎、違う田舎から我が田舎に帰ってくる、異世界を一日で三つも巡った。

私は基本的にトんでるので、上り坂、下り坂、平坦な道、険しい道、全てにおいて自転車の段階を最大の六から下げない。一番重いまま全速力で走る。
二十三にして、本当に馬鹿だと思う。


役所の人は優しかった。

私の調べ不足もあるが、私が良しとする方法を納得するまで説明してくれた。

普通に生きていては出会えなかった人と制度。私は『弱いと認められている人間に優しい国』を体感した。

ただ生きている、ただ働いているだけでお金が掛かると、くだを巻いていた『普通』だった自分。
弱さを武器にして、と対象の人間に大して悔しがっていた事を思い出す。

でも自分がその立場に立って、こういうことの為に使われるんだと知った。
『弱い』者と決めつけられても、弱い中で生きていく方法があり、この国はそれが充実していた。

一番辛いのは、中途半端な辛い人間だという事にも気付いた。
数ヶ月前の自分が可哀想になった。


CDショップが見える頃には、足が無くなっているかと思うくらい、下半身への怠さが訪れた。辛いがもう少し、と思えることが『ご褒美』に隠された活力だろう。

ここまで自転車に乗って四十分。
橋を渡ればゴールが見えた。

空を見れば鳥が飛んでいた。
ファンファーレ代わりだろうか、優雅な白い鳥が二羽、橋の上を気持ち良さそうに飛んでいた。
鳥が苦手な私も、なんだか心が躍った。


ご褒美を持ち帰り帰宅。

足は相変わらず痛い。これを書いている今も、明日は筋肉が悲鳴をあげますよと判を押されている気持ちだ。


今日は、人間から遠のいている私が、人間界を覗き、自分は人間である、生きていると再認識出来た日だった。

どこかに行くために外に出る。
スマホの地図機能ほど便利な物はない。
初めての事は苦手だが、親切な人もいる。
上り坂の自転車は辛い。下り坂は楽しい。
ご褒美が近いと思うと嬉しくなる。
疲れた、という感覚。

私が今日得られたことだ。
しかし、今まで普通に経験していたことだ。

忘れてはならない、私は人間で、生きている。
自分の為に、自分のやりたい事の為に、生きなければいけない。

人生への活力が湧いた日だった。


ご褒美はまだ途中だ。
これから好きなだけ頬張るつもりだ。

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