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リーダー必見!『1on1の極意』〜その② 相手がどんどん話したくなる場のつくり方【後編】〜

社内における信頼関係の構築や、メンバーの成長促進、企業の組織力強化などを目的として、多くの企業が導入している「1on1」。今やVUCA時代に欠かせない[対話型の面談]と言われていますが、なんだかうまく活用できておらず、実際に何を話したらいいのか? どんなことを意識しながら話したらよいのかがわからない……と頭を悩ませているリーダーやマネージャーの方々も多いのではないでしょうか。
 
そこでそんな悩めるみなさんに向けて、社内外で年間約500回の1on1を実施している弊社(株式会社CUOREMO)取締役の加藤が、1on1を実施する際に役立つテクや情報をご紹介。今回は、前回お届けした「相手がどんどん話したくなる場のつくり方」の後編、「相手の“自分軸”を探り出すこと」の大切さについてお話しします。


“自分軸”を大切にしながら生きることのメリット

前回、1on1で相手のマップを理解し、“価値観”そしてその奥底にある“自分軸”を引き出すことが重要であることをお伝えしましたが、その主な目的は、「思考の幅を広げる」ことにあります。自分軸が明確になっていないと、マップの中で自分軸と他人軸のもつれが生じ、結果として思考の幅が狭まってしまうのです。
 
日本の幸福度ランキングや企業へのエンゲージメントは他の先進国と比較しても圧倒的に低い現状を見ても、われわれ日本人は“自分軸”を持たずに(見つけられずに)生きている傾向にあると言えるのかも知れません。
(この危機的状況こそ、我々がHeart Beat Program(ハートビートプログラム)というサービスを展開している理由でもあります。)
 
ではどうして、自分軸を持つのが難しくなるのか……? それは、本来自分軸で判断するべきものを他人軸で判断してしまっていたり、そもそもそう判断していることに気づかないまま生きていたりする人が多いという点にあります。自分の意思ではなく「こうあるべき」「●●さんがこう考えているから」といった世間や他者のルールで生きてしまっているのです。
 
そして、このような軸の置き換えを知らず知らずのうちに行っていることで、本当は自分軸(可変なもの)であるべきにも関わらず、他人軸(不変なもの)であると思い込んでしまうのです。
 
前回お伝えした通り、個人個人のマップは「こうすれば、こうなる」といった、ひとりひとりの経験や学習から構成されています。そしてわれわれは自身のマップとそこから形成される軸に沿って思考や行動を選んでいるのですが、その中で、これまで当たり前に疑わなかったこと(他人軸)が実は自分次第で変容していくもの(自分軸)だと気づけば、そのルールに固執することなく物事の捉え方に変化を加えることができ、思考の幅は何倍にも広がっていくのです。


理想の姿を追求することで「軸」を導き出そう

わたしは1on1を実施する際、「会社のことは考える必要がないですよ」と最初に相手へ伝えるようにしています。マップを覗き自分軸を引き出す、つまり、相手が「本気でなりたい姿」や「目指したい場所」を突き詰めるには、「人生において何を達成したいか」を追究することが必要であり、それこそが本質的な軸を導きだすことにつながるからです。
 
そして、このなりたい姿への熱量(度合い)を聞くことも忘れてはいけません。相手の「なりたい」を引き出したら、「それは100%中、何%の熱量でやりたい/なりたいと感じていますか?」と聞いてみてください。わたしの経験上、60〜70%と答える人が多いのですが、それは本当に目指している姿/やりたいことなのでしょうか? 60〜70%で目指したいことって、燃えますか…? 「達成できたらいいな」くらいの気持ちでは、その目標に対し全身全霊を注げません。
 
1on1の大きな目的のひとつは、この「目指すもの」に対する思いを100%に近づけるために、価値観の再定義や、自分軸の再構築、それに基づいた目指す場所の設定を一緒に行うことでもあります。
それこそが、1on1を行う側の仕事、そして“使命”であると考えています。
 
相手の人生全体に目を向けてマップを覗きにいくこと、そして行動の土台となる思考を深掘りしていくことで、相手に根差す価値観や、本人も気づかない思考のクセ、そして隠れていた自分軸を見つけることができます。
 
先にお伝えした通り、日本で働く人の多くは自分軸を持たず、他人軸を中心にして生きている可能性が高く、そのような状況下では組織力は低迷する一方です。ひとりひとりの自分軸を引き出し、その人の人生の目的を引き出すことこそ、組織の力、ひいては社会・日本の力になるはずだと考えています。
 
 
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は、1on1の極意その③「心に届くフィードバックのコツ」についてお話しします。部下の成長を促すためには欠かせない、“相手のこころに響くフィードバックの秘訣” ぜひご期待ください!


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