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リーダー必見!『1on1の極意』 〜その② 相手がどんどん話したくなる場のつくり方【前編】〜

社内における信頼関係の構築や、メンバーの成長促進、企業の組織力強化などを目的として、多くの企業が導入している「1on1」。今やVUCA時代に欠かせない[対話型の面談]と言われていますが、なんだかうまく活用できておらず、実際に何を話したらいいのか? どんなことを意識しながら話したらよいのかがわからない……と頭を悩ませているリーダーやマネージャーの方々も多いのではないでしょうか。
 
そこでそんな悩めるみなさんに向けて、社内外で年間約500回の1on1を実施している弊社取締役の加藤より、1on1を実施される際にご活用いただけるテクや情報をご紹介していきます。前回の「そもそも何を話せばいいの?」に引き続き、今回も“そもそも”のところで悩むことが多い、「相手がホンネで話したくなる場づくり」について解説します。


まずは相手の「マップ」を理解することからはじめよう!

人にはそれぞれ、自分の「マップ」というものが存在します。マップとは、人の内的な物事の見え方や捉え方、優先順位などを指し、これまでの経験や学習によって成長とともに構築されていくものです。
 
それぞれの国にそれぞれの世界地図があり、国によって描かれ方が違うように、人のマップは自己と他者でも全く見え方が異なります。1on1に限らず、円滑なコミュニケーションを目指すうえでは、相手のマップをしっかり理解しにいき、それを尊重することが非常に大切です。
 
では、どのように相手のマップを理解すればいいのか…? 今回は、マップを理解し相手のホンネをどんどん引き出す方法についてご紹介します!


最短経路で相手のマップを理解するには?

相手のマップを理解するためには、相手の価値観をとことん深掘りすることがカギとなります。それには、仕事に限らず家族やプライベートに関することなど、その人の人生そのものにぐっと踏み込んで質問をすることも時には重要です。
(もちろん、プライベートや家庭の質問をするうえでは、一定の配慮もしつつ)
 
1on1を実施する際、「あなたの目標は何ですか?」「あなたがこの先得たい成果は? 直近で得たい成果は?」と、仕事の目標ばかりをしきりに問いかけてしまい、相手が答えに詰まるような経験はありませんか? これはまさしく、1on1をする側が自分のマップで相手を見てしまっているため起こる現象です。「目標」を聞かれてパッと答えの出るひとなんてあまり多くありません…。
 
このように相手が答えに詰まってしまった時は、「じゃあ仕事における価値観はどんなもの?」「プライベートにおける価値観は?」「いま何か欲しいものはある?」という具合に、質問の幅をもっと広げていきましょう。つまり、自分のマップではなく、相手のマップを覗きに行くイメージで、相手が理解しやすい言葉やキーワードを探しに行くのです。
 
仕事の話をすることが楽しい人もいれば、なかには仕事の話は1割で、プライベートの話を9割したい人もいます。そこを探りにいくこと、これが「マップを理解する」ということです。
 
そして、マップを覗くだけでは相手を理解することはできません。さらに質問を繰り返し、相手のマップを深掘りしていきましょう。
 
たとえば、「何があなたをそうさせているんでしょう?」「何を基準にあなたはそう決めたのでしょう?」「何があなたを止めてるんですか?」「何でそう信じてるんですか?」というように、行動や思考の土台となる相手の“自分軸”を探りにいきます。こうして相手から出てきたキーワードを拾い深掘りしてあげると、お互いの間でラポール=信頼関係が生まれ、相手もどんどんと心を開いて話してくれるようになるはずです。
 
 
まずはマップというものの存在を理解し、そして相手のマップに沿って対話をすることが、話したくなる場づくりにおいてとても重要です。対話をする相手が大切にしているものはなんでしょうか。大切にしている価値観はどんなものがあるでしょうか。自分のマップで相手の世界を見ず、まずその人自身に興味を持つことで、相手のマップを把握するように意識してみてください。これができれば1on1でぐっと相手との距離が縮まり、相手の本音を引き出せること間違いなしです。
 
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は「相手がどんどん話したくなる場のつくり方」の後編、「相手の“自分軸”を探り出す」ことについてお話しします!
ご期待ください!


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