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アンドロイドと人の物語。小説【Humanoid】、 朗読【24節季】、【消えていく色】…

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アンドロイドと人の物語。小説【Humanoid】、 朗読【24節季】、【消えていく色】、【優しい温もり】執筆。 心で感じたものを文字に込める…ことしか出来ない不器用な人間が発信します。 ここでは朗読用として活動をしていきます。

マガジン

  • 優しい温もり 作品集

    人は「温もり」というものが大好きで 心も体も優しく包まれ感じる「温もり」は正義だと思ってます。 私がお届けするのは 甘く、ふふっと優しくなれる短編作品になります。

  • 朗読集

    「24節季」、「消えていく色」とは別な単発朗読をまとめました。

  • 『消えていく色』シリーズ

    『消えていく色』 最初朗読から出てきたシリーズ 男女の物語に第三者の目線から語られます。 きっともし…『何事』もなれけば。 2人は幸せな道を一緒に歩んでいけた。 そう、2人は選べるはずだった。その道を。 高橋雄介 金澤由果…と2人を知ってる第三者目線での短くて悲しい物語。

  • 24節季朗読集

    日本にある色とりどりの四季 それは春夏秋冬… しかし、季節ってもっと複雑で細やかなもの アナタは何を感じますか? 日本にある繊細な季節の表現 私なりに『朗読』という形で表現してます。

最近の記事

「神への近い」section1

ピクっ 今日もまた どこか面影がある 懐かしい笑顔似てるようで似てないのに… なんでこんなにも懐かしさを感じて 引っ掻いたみたいに胸が苦しくなるんだろう もういくつもの季節を巡回し 私も歳を重ねたのに 時間と共に慈しむように 想いや思い出を巡っているはずの 私の心は慌てふためく それに伴い、一生の覚悟を確認する 私の世界は止まったままなのか? あの時の事を 私は綺麗なアルバムに1個ずつ保存してある 誰にも知られない場所に 時々見返すのだ、 一生懸命生き急いだ

    • 「憎しみの果てにあるものは」

      無邪気で 無意識で 「無」というものはこんなにも無慈悲なのだろう 抉る力はされど、 痛みは長く 傷跡は綺麗に残し私であることを否定する 私は誰だ 私は笑っているはずだった 私は穏やかな人間だった 私は綺麗な人間でありたかった 私は優しい人でありたかった 今 私は何者なのか 誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰? こんなはずでは無かった お前が悪い 何て頭が悪いんだ 消えればいい お前なんか現れなければ 知らずとして頭に浮かぶ言葉達に気づき 嗚咽が止まらなくなる もう捨てた

      • 因循ぐずく

        水面に降り立つ 音が響き渡る 下を見れば水面の波が 柔らかく私を受け入れる このモノ達のように 私自身も受け入れることをすれば まだ私の世界も柔らかく 冷たさの中に温かさが産まれるのではないかと 勝手な思いを募らせてしまう。 独特な肌触りと戯れる中で ふと頭を撫でられた 慈しむように そして恥ずかしそうに 細かに震えてるその手を 当たり前のように取った 怯えたそれは徐々に安心を覚え、 私の頬へと進める 私が微笑めば微笑むほど 唇や鼻へと遊びへと変わる 触れら

        • 【1人の夢をもう見ない】

          大切なものを失う度により難く抱きしめる頭 泣き続けるその頭を撫でながら何を伝えていいのか私にもわからなかった 宥めればいいのか 泣きやめろと叱咤すればいいのか 何が正解か未だにわからず、 撫でながら言葉を探してたりする 泣き止めばそれは眠った証拠 ホッとしたのも束の間 眠っていても 何か夢を見ていてときおり涙を流す君は… もしかして夢でも泣いているのだろうか 1人で苦しんでいるのではないか 起こさぬように優しく、 手を握りながら抱きしめる 夢の中でも傍にいる

        「神への近い」section1

        マガジン

        • 優しい温もり 作品集
          5本
        • 朗読集
          16本
        • 『消えていく色』シリーズ
          4本
        • 24節季朗読集
          24本

        記事

          【頬を撫でて風となる】

          君の汗は光るもの 君の痛みは深みを増す 冬の千零さは強さ 夏の時は暑さよりも温かみを生み出した 望むことは無かった 長い時間のたったひと時の触れ合いだから 芯を乱され狂わさせることしばしば 君も風も… 左右で感じる温かさは脳の奥に 優しくこれからも居るだけ ふと椿の頭が落ちただけのこと 落日と同じ ただそれだけのこと 時が来たのだと 君の頬を撫でて風は思い出と化す

          【頬を撫でて風となる】

          希求

          神という存在がいるのなら この肉体を誰かに捧げることは可能でしょうか? 与えられた命と与えられたこの体、 私は愛する人に捧げたい。 私を愛し、愛を注ぎ続けてくれていたあの人に… あの人なりの愛を渡し続けてくれたあの人に… どうか命を伸ばしてください。 どうか時間をください。 笑って過ごせる栄養を与えてください。 あの人に。 私はもう要らないから。 この心も体も何もかも「実感」したことがない この想いを背負って生きてくのなら。 与えてくれたものを全てをお腹

          初めまして……

          初めまして、Cun【カウン】と申します。 ここでは「朗読」作品をお届けしたいと思っております、 実は描いてきた作品をこちらに移行してきたものでいきなり怒涛の投稿で申し訳ありません。 画像等後ほど作品と共に添付したいと思っております。 私の作品は 私が描く、作品中のキャラクター達の心の内を文字に乗せていくものだと思っていただけたら嬉しいです。

          初めまして……

          『何かと私』

          強くなろうとして百獣の王、 ライオンになろうとした。 優しくなりたくて海の女神である、 クジラになろうとした。 孤独になろうとして孤高である、 オオカミになろうとした。 美しくなろうと羽ばたく蝶にと… 私は考えた。 自分ではない何かになりたいと 走り続けていた私。 肩を叩かれ、振り向いたそこには… 人間の…「私」がいた。 そう、「何か」にはなれなかったよね。 「私」にしかやっぱりなれないんだね。 でもありがとう、今気づいたよ。 そして、ごめんね。 ずっと一人ぼ

          『何かと私』

          『夜空とイルカ』

          海のイルカは空に恋をした。 いや、正確に言えば『夜空』に恋をしていた この海のように深い群青色に広がる空 そこに散りばめられたいくつもの星は まるで小魚や珊瑚みたい。 キラキラと光っていて、 ここと同じ命の輝きなんだと イルカは思っていた。 あぁ、泳ぎたい。 深い青の中に僕も泳いでみたい。 冷たいのかな? 星さんたち、僕と仲良くしてくれるかな? あの青い夜空はどこまで続くのだろう。 想いは尽きることなく イルカの心を占めていく。 こら、早く行くわよ?

          『夜空とイルカ』

          『消えていく色』

          当たり前のようにあった、紙に書かれた名前の黒。 当たり前のようにあった、壁に張り出された写真の肌色。 当たり前のように『そこ』にあった茶色の靴。 当たり前のように手首につけていた腕時計の赤。 後、数時間たったら、この見えていた色も消えていく。 いえ、既に私の目からは霞んで、色褪せてしまっている。 最後には消えて、何色かさえもわからなくなる。 私はどうか、見えている時間が1秒でも長いものであるようにと祈るしかないのです。

          『消えていく色』

          『金澤由果の場合』

          彼女が苦しんでいたのは知っていた。 今、1番辛いはず彼女は…ずっと彼を信じて笑っていた。 『大切に思っていたよ。 どうしたら一緒に同じ道を歩んでいけるか… ははっ…私…必死だったんだと思うー。 ただ、結果が『こんなの』だったなんてね、 私ね…あの人に出会えて…特別な関係になれて、たった一時だったとしても…。 とても幸せだった。 あの人、あんなにボロボロだった時に 「今、幸せで満たされてる」って言われた事があってね。 涙が止まらなくて。 私自身も幸せで満たされてい

          『金澤由果の場合』

          『高橋雄介の場合』

          『その話…僕はしたくないんだけど。 不愉快なんだよ、他人が当事者に首突っ込んでくるのも… 彼女のことを聞かれるのも。』 驚いた。 目の前の彼はいつものニッコリと笑う穏やかな彼ではなく、逃げるような怒りや反発するような…まるで思春期特有のものに思えた。 その姿に驚いて何も言えなかった俺に。 『 ……たんだ。』 彼の口は動いた。 突然の事で聞き取れなくて…改めて聞き直すが、 小さな声で彼は続けた。 聞き取るのが大変なくらい小さな声で。 『 生半端な気持ちで…伝えたわ

          『高橋雄介の場合』

          『双子』

          人の繋がりが 『綺麗』と思う時と『醜悪』と思う時がある。 …必ずしもその『双子』は人の中に存在していて。 そして、簡単に入れ替わりひょっこりと『双子』の片方が僕の目の前に表れる。 『双子』のくせして…現れるのは片方だけ。 最近、『綺麗』が現れる時…必ず涙を流している。 どうしてか聞くと… 『出会えて良かったって感じる事が増えたから』という。 僕は驚いた。 続けて『綺麗』は言った。 『 良かったね…。』と。 僕の頬にも水が流れた。

          『双子』

          『香憶』

          『香り』というものの存在を僕は嘗めていた 人とすれ違った瞬間 一瞬で記憶が蘇り、 言葉が聞こえ、その時の情景が目に映る 息ができなくて、胸が痛く…冷や汗が流れた 苦し紛れに香りの主を見つけようと顔を上げた、 しかし既に主はいなくて… 自分の心臓の音だけがやけに大きく聞こえた 冷静になるまで時間がかかりそうだと頭で解っていながら…巡る言葉があった 『 君だったら』と 『 君じゃないのに』 『 ここには決して居ないのに』 時間が経つにつれて冷めてきた頭で心も思い出

          『香憶』

          「温もりは正義」

          ふと、頭に温かい風があたると思った 暖かい匂いが鼻に入り、 腰に重さを感じ、背中から何かに押される感覚を感じて 目を開けた 私の目に入ったのは少し影が出来た肌色があって、少し息苦しさを感じた……そこからなのか、ほっとする匂いもする 息苦しさは嫌なものではなく、心地よい息苦しさであって ハッキリと働かない頭で現在の自分状態を理解した私は 「このまま……一緒に起きるまで……」 と心で呟いて 温かさと匂いに触れたくて 側に傍によっていく 背中を押される力がまた強くなる、

          「温もりは正義」

          「起きてるんじゃないの?」

          アラームが鳴る ゆっくりと大きくなる音を止め 『起きなければ』と重たい体を起こし、 隣の「温もり」に 『さよなら』と離れようとしたが 動けなかった 服が引っかかったのだ 『何に?』 視界に私のパジャマの袖を掴んでいる手が見えた 一瞬、何が起きてるかわからなくて 「温もり」に目を向けた 気持ちよさそうに寝息を立てている ただ、手はしっかりパジャマを掴んでいる 今までなかったその行動に『ふふっ』と声が出てしまった 今まで寝ている間にいなくなることなんてなかったからな

          「起きてるんじゃないの?」