「起きてるんじゃないの?」
アラームが鳴る
ゆっくりと大きくなる音を止め
『起きなければ』と重たい体を起こし、
隣の「温もり」に
『さよなら』と離れようとしたが
動けなかった
服が引っかかったのだ
『何に?』
視界に私のパジャマの袖を掴んでいる手が見えた
一瞬、何が起きてるかわからなくて
「温もり」に目を向けた
気持ちよさそうに寝息を立てている
ただ、手はしっかりパジャマを掴んでいる
今までなかったその行動に『ふふっ』と声が出てしまった
今まで寝ている間にいなくなることなんてなかったからなのか、
無意識なのか……
こんな事をされたら
体が動けなくなってしまうではないか
名残惜しく…
「温もり」にありったけの想いのキスを……
『おやすみなさい』
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