前回の"工場からニットが編み上がるまで 1/2"では、 製品の企画から編み上がり、検品までを紹介しました。 ここからは編立工場から一歩出て、 社内での様々な工程に進んでいきます。 編み上がったばかりの製品は、洗いの工程に進みます。 糸を人に例えると入浴のようなもので、“シャンプー”で洗い、“温泉”に浸かります。 シャンプーでは、工業糸に付いている油やロウ、編み機の油汚れを洗い流します。 その後温泉に浸かり、編むことでストレスのかかった糸を本来の状態に戻します。素材の持
cucumuのニットは工場で編み上がってから、直接お客様のもとにお届けします。 “良いものを適正価格で、なるべく多くの人に届けたい” そんな想いからcucumuを立ち上げました。 どうして価格を抑えることができるのか、 cucumuのニットがどのような工程を経てお客様のもとへ届くのか。 2つの記事に分けて紹介します。 最初に製品の企画について打合せを行い、製造指示書を作成します。 編立技術者も参加し、素材の特徴を活かす編立を意識して開発をします。 まず素材に合った編み
パチッ この季節になるとよく起こる"静電気"。 ニットの着脱で発生することも多いのではないでしょうか。 静電気は人体と衣類や衣類同士、人体と空気など様々な組み合わせのものに摩擦が起こることで発生します。 冬は重ね着をしているため衣類同士での摩擦が多く発生します。 さらに湿度が低いため空気中の静電気が放電されにくく、帯電しやすくなります。 元々すべてのものが+と-両方の電気を持った状態になっていますが、摩擦が起こり-が移動することで+と-が偏って帯電し、静電気が放電され
cucumuのニットはユニセックスなサイズ展開になっています。 “性別関係なくご自身にフィットするサイズを選んでいただきたい”という想いと、“一緒に着ることも楽しんでいただきたい”という想いも込めています。 サイズ選びの目安に、セーター全型のサイズを表にまとめました。 各製品のサイズとあわせてご参照ください。 ご試着いただいてサイズが合わない場合は変更も可能です。 お悩みの際はお気軽にご相談ください。 https://thebase.in/inquiry/cucumu-
Ankerには釦が4つ付いています。 釦一つを見ても様々な種類があります。 大きく分けて天然素材とプラスチック、金属の3種類。 コストやデザイン等の側面から様々な素材が選ばれますが、 cucumuでは天然素材であるナットを選びました。 ナットとは、タグア椰子というヤシの種から作られた素材です。 染色すると色の入り具合で若干の濃淡がでて渦模様になります。 時間が経つと色が少し濃くなり、経年変化を楽しめることも特徴の一つです。 Ankerに使用しているナット釦は、エクアドル
フィンガーレスなのに、暖かい。 どこか懐かしいケーブル編みはふっくらと立体的に。 小さな凹凸が特徴的な鹿の子編みを組み合わせました。 鹿の子編みの特性上ケーブル編みと比較して目が詰まります。 手の平側がきゅっとし、手の甲側がゆとりのあるフォルムになることで、編み組織が手の構造に合う形になりました。 もちろん編み組織だけではなく、細部も工夫をしています。 母指球の形に合わせて、ふくらみのあるところは編み方向に変化があることで着用時は立体的な仕上がりに。 1目ずつ度目を調
ふんわり、しっかり、包み込む。 かろやかな着心地が特徴のAnkerはモヘアとウール、二種類の糸を混ぜて編んでいます。 アフリカ大陸の最南端に位置する南アフリカで2.5%程しかない希少な24.5ミクロンのモヘアに、芯にシルクを使用した、天然繊維100%の贅沢な素材です。 通常流通している中では最も細いモヘアでもあり、とろけるような風合いが特徴です。 はじめて編地を触ったときの指を滑るやわらかさが印象的でした。 しかし、やわらかすぎるがゆえの短所もあります。 それはセット性
すっととろける肌触り。 袖を通すと質感はとてもやわらかく、やさしく包み込みます。 Morisotに使われるプラチナウールは、スケールを一本一本を磨き上げることで、スケールはそのままに、細く、長く、なめらかになったウールです。 ■スケールとは? 繊維径はカシミヤと同等の14.5ミクロン、保温性にも優れています。 従来にないウール素材にも関わらず、ウールが持つ優れた消臭性や吸放湿性を維持しているため、頻繁に洗う必要はありません。 質感と機能性に優れたプラチナウールは、肌
ちいさな粒が不規則に入ることで揺らぎのある糸に。 この粒を“ネップ(節)”と呼び、 節のある糸のことをネップヤーンといいます。 “ネップヤーンでニットを編みたい” そんな想いからVanの企画がはじまりました。 素材探しからはじまりましたが、なかなか見つかりませんでした。 なぜなら、節になるところの多くが化繊を含み、天然素材でできたものは数が少ないからです。 時間をかけて、どうにか理想の糸を見つけることができました。 オーストラリア原産のウールに、ソフトで弾力性のある
22AWを本日より発売いたします。 約8ヶ月の間、お待たせいたしました。 22SSも制作を進めておりましたが、 世界の物流混乱により、糸の入荷が遅れてしまいました。 cucumuの根幹にある「つねにやさしく」という想いのもと、 肌にも環境にも優しい商品づくりには欠かせない素材でした。 製品はもちろん、素材にも一切の妥協を許したくありませんでした。 22SSの想いを糧に、 22AWでは製品化まで長い時間をかけて準備をしてきました。 様々な素材に触れ、新たにモヘアやシル
ニットと聞くと、冬に着るイメージが強いかもしれません。 しかし細い糸を用いたり、ゲージや編み方を調整することによって、生地を薄くしたり、軽くすることもできます。 ニット業界でも多くの春夏向けの製品が編まれています。 例えば夏によく着るTシャツにも様々な生地、素材があると思いますが、 編まれている製品も多く、生地をよく見ると編み目になっています。 衣類の生地は大きく分けて “編み”と“織り”の2つのつくりかたがあります。 編みは、1本の糸をループにすることで生地をつく
ニットは編み上がったあとも様々な工程を経て、 お客様の元へ届きます。 セットの工程では、 1着ずつ職人の手で丁寧に整えていきます。 セットでは、熱と力を加えながらプレスして、シワを伸ばします。 素材に合わせた温度のスチームによって、高温の水分と熱で整えます。 持ち手の部分でスチームの量を調整します。 アイロンとニットの間隔は、素材によって変えます。 シワは折られることによって、均等に編み上げた繊維の糸がずれてしまい、折れた繊維を広げてもそのズレが解消されない場合にシワ
cucumuのニットには、1着ずつ専用のリーフレットを同梱していて、 お手入れの方法などを記載しています。 ブログでは、ポイントを交えながらご紹介させていただきます。 今季の3型はウール100%なので、 特性上、消臭性も高いので頻繁に洗う必要はありません。 しかし汚れてしまったり、衣替えのタイミングで洗う機会もあるかもしれません。 ニット製品は、水に長くつけてしまうと、繊維が固くなりフェルト化してしまいます。 そのために家庭での洗濯を避ける方もいますが、素早く洗濯を行
つくるのは、袖を通したとき、 いい気持ちになれるもの。 着心地はもちろん、ちょっとしたところにも工夫を凝らしています。 cucumuのブランドネームタグは、首のうしろに触れる部分につけています。 カラーごとに、身頃と同色の糸に変え、一枚一枚ていねいにつけます。 タグなどの付属品は、 チクチクする、かゆくなる、触れて気になる方もいるかもしれません。 とくに、こどもの肌は敏感だと思います。 素材はチクチク感の軽減を考え、肌触りのやさしいオーガニックコットンを使用していま
“高品質で長く愛用できるニットをつくる” これはcucumuのこだわりのひとつ。 品質の追求はもちろん、 多くの場面で着れるようなカラーデザインであることを大切にしています。 JohaとHessは同じ6色展開。 ベーシックカラーとの相性が良い、 ワードローブに馴染むカラー展開となっています。 デニムやチノ、スラックス、スカートでも、 お気に入りのボトムスとあわせてお楽しみください。 ALPS HASA KUCHIBA MORION KOHA MUSUBIK
凛とした冷たい空気に 本格的な冬の訪れを感じます。 大寒を目前に、寒さの厳しい日々が続き、 ニットを手に取ることもしばしば。 ニットといっても様々な素材がありますが、ウールはあたたかい印象が強いのではないでしょうか。 ウールのニットがどうしてあたたかいのか、 それはウールの構造に理由があります。 ウールとは羊の毛を使用した繊維糸で、 19種類のアミノ酸が複雑に結合して分子となり、構成されています。 曲がりくねったこの分子が、立体的な「らせん」を形作り、 皆さんご存知の