見出し画像

cucumuのニットができるまで - Van -

ちいさな粒が不規則に入ることで揺らぎのある糸に。

この粒を“ネップ(節)”と呼び、
節のある糸のことをネップヤーンといいます。

“ネップヤーンでニットを編みたい”
そんな想いからVanの企画がはじまりました。

素材探しからはじまりましたが、なかなか見つかりませんでした。
なぜなら、節になるところの多くが化繊を含み、天然素材でできたものは数が少ないからです。

時間をかけて、どうにか理想の糸を見つけることができました。

オーストラリア原産のウールに、ソフトで弾力性のあるシルクネップを混ぜた素材です。
ネップは遊び心がありながらも表情が控え目なため、やわらかい肌触りが魅力的でした。

素材が決まった後は、ゲージや糸の本数を変えて編地の試作からはじまり、調整を重ねました。

みっちりとした目面にするため、ゲージに対する適正番手より太く。
ネップの表情を活かすために天竺編みにしました。

編み目の方向が異なる袖と身頃がアームホールで合流します

袖と身頃が直角に合流して1枚のニットになる。
直線的なデザインだからこそ、随所に難しさがあります。

とくに肩周りは着用時に動くことで、製品の形に対していろんな変化が起こります。
つっぱったり、たるんだり、変化に対してバランスをとる技術を要します。
合流するところで足並みを揃えられるよう工夫を重ね、脇下に三角のマチをつくることで可動域を広げました。

cucumuのニットの中ではすっきりとしたシルエットですが、着用時にはリラックス感のある仕上がりになっております。

NEPYARN KNIT  - Van -


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?