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工場からニットが編み上がるまで 2/2

前回の"工場からニットが編み上がるまで 1/2"では、
製品の企画から編み上がり、検品までを紹介しました。

ここからは編立工場から一歩出て、
社内での様々な工程に進んでいきます。

編み上がったばかりの製品は、洗いの工程に進みます。
糸を人に例えると入浴のようなもので、“シャンプー”で洗い、“温泉”に浸かります。

シャンプーでは、工業糸に付いている油やロウ、編み機の油汚れを洗い流します。

工業糸は糸の品質を保ち、安定した編立を行うために糸表面に油やロウが付着しています

その後温泉に浸かり、編むことでストレスのかかった糸を本来の状態に戻します。素材の持つ特性や風合いを引き出す工程でもあります。

素材に合った洗いの強さや温度、時間の調整を行うことで仕上がりにも差がつきます。

ずらりと洗濯機が並びます

洗いが終わると、製品によってはボタンや前立て、襟などをつけます。
編立技術者と仕上げ工程の担当者が相談しながら進めます。

製品を見ながら細かいところも確認します

例えばMOHAIR CARDIGAN - Anker -の前立ては編み続きで、ボタンホールを編みであけます。ボタンの付け位置も編立の工程で印を付け、作業者の負担が少ないように工夫をしています。

元々ホールガーメント製品は、TURTLENECK KNIT - Morisot -SEAMLESS CARDIGAN - Hess-のように後工程が不必要な場合が多いことも特徴の一つです。
しかしカーディガンのような前立てやボタン付けが必要な製品では、人の手による各工程との連携をはかり、製品のクオリティを保つための工夫をしています。

セットではニットを整えていきます。
型枠に入れて製品の大きさが均一になるよう、熱と力を加えながらプレスしてシワを伸ばします。
スチームをあてることで糸を元の太さに戻し、ニットループを均等な状態にします。
隅から隅までていねいにシワを伸ばし、アイロンがけと同時に一気に冷却し、製品のシルエットを定着させます。

ネーム付けではブランドネームや品質表示を1着ずつ縫製します。
cucumuではカラーごとに身頃と合わせて糸を選びます。

その後出荷の作業に移ります。
はじめに検品を行います。ここでは一回目の編立直後に行う検品とは意味合いは異なり、糸始末や後工程の仕上がりに問題がないか確認するための検品です。

“検品は出荷までに計三回行いますが、編立工場で行う検品は問題なく編めているか確認する工程であるため、編立直後に行います。”

包装では企画のもとへ戻り、発送の準備をします。
想いを込めて一つひとつくるみます。
包装後は最後の検品として検針機へ通して、お客様のもとへお届けさせていただきます。

お客様にお届けするまで社内での工程は多くありましたが、
商品企画から生産、販売まで一貫することで高い品質と安全性を保ち、コストを抑えます。そうして、製品に還元することが一番大切だと考えています。

cucumuを着る人も作る人も、全ての人が幸せであるように。
"良いものを適正価格で、なるべく多くの人に届けたい"


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