ウールのニットがあたたかい理由
凛とした冷たい空気に
本格的な冬の訪れを感じます。
大寒を目前に、寒さの厳しい日々が続き、
ニットを手に取ることもしばしば。
ニットといっても様々な素材がありますが、ウールはあたたかい印象が強いのではないでしょうか。
ウールのニットがどうしてあたたかいのか、
それはウールの構造に理由があります。
ウールとは羊の毛を使用した繊維糸で、
19種類のアミノ酸が複雑に結合して分子となり、構成されています。
曲がりくねったこの分子が、立体的な「らせん」を形作り、
皆さんご存知のウール独特のくるくるとした縮みになります。
この縮みをクリンプといいます。
このクリンプが複雑に絡み合うことで空気が繊維の間に溜まり、
あたたかなニットができあがるのです。
また、ウールの表面にはスケールというウロコ状の構造があります。
このスケールは、水滴ははじいて、水蒸気を通します。
体から放出される水蒸気によって起こった熱を逃さず、あたたかさを保ってくれるのです。
またウールの吸湿性は繊維の中でも最大で、コットンやシルクなどに比べ
水分放出速度は遅いのも特徴です。
湿度を保持しやすい素材ともいえるでしょう。
ウールはクリンプとスケールの特性によって、
ほかの素材より保温性と吸湿性に優れています。
これがあたたかさの秘密です。
素材の背景を知って、衣服を選ぶこと。
その選択で、日常がすこし豊かになるかもしれません。
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