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美味しいものたちとの出逢い

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美味しいレストランの逸品たち、市場で瑞々しく輝く食材、採れたての魚など、さまざまな美味しさとの邂逅について、忘れずに心にとどめるための備忘録です。
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#寿司

蕗の小さなお寿司

蕗の小さなお寿司

茹でたての蕗の皮をむくのが、好きです。
中からあらわれる美しい緑色に出会えるのも、
今の季節ならでは。

蕗は皮ごと、鍋のサイズに合わせてカットし、塩を加えた湯を沸かした鍋へ。
茹でたてを水にとって、
少しずつむいた端っこの皮をいっぺんに持って下方向にすっとひくと、指先が黒くなることもなく
つるりと簡単にむけます。

皮をむいた翡翠色の蕗を
鰹のだし汁と薄口しょうゆ、みりんで煮含め、
煮汁の中で冷

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こごみで、春の寿司

こごみで、春の寿司

あくも優しい旬のこごみ。

青、赤取り混ぜてたくさん手に入ったので、
鯛やさよりなどの魚たちに
小ぶりの筍、そら豆など、
家じゅうの旬をかき集めて、
ちらし寿司に仕立ててみました。

その時の旬菜であれば、具は何でも。
野菜や刺身が数種それぞれ少しずつしかない時、
お寿司にしてみると、不思議と心細くありません。

こごみは、巻いた部分を特に念入りに洗ったら塩ゆでするだけ。
筍は下ゆでののち、薄味で

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筍と木の芽の塩釜焼き

筍と木の芽の塩釜焼き

今年の桜の饗宴も、春の雨とともに締めくくりを迎え、
すこし寂しくなりました。

けれど、気づけばずいぶんと日も長くなり、
ひと雨ごとにあたりは暖かくなって、
散歩にはうってつけの心地の良さ。

なかなかゆっくり歩く余裕がないけれど
このやわらかな季節、
大きく手を振ってからだごと楽しみたくなってきました。

4月に入ってからずっと
上ばかりを向いて春を探していた気がしますが、
見れば足元にも。

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つくしづくし。

つくしづくし。

数日間の旅から戻り、翌朝庭に出たら
枝だけだった庭の山椒や楓の木の、どこにこんな力が、と思うほどにみなぎる新芽たち🌱
あまりの勢いに、目を見張りました。

満開、真っ盛りの桜のほかにも、
気づけば周りはもう、春そのもの。
溢れかえる芽吹きの力が、見上げても見下ろしてもそこここに見つかります。
近くの土手にもつくしがたくさん顔を出していました。
桜同様、年々早まっているようで
うっかりしているとす

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