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#私

貴方は甘くない

私の嘘を
見逃してくれる程
貴方は甘くなく
私は途方に暮れる
私の言い訳を
黙って聞いてくれる程
貴方は優しくなく
私は打ち震える
貴方など何処にも居ない
全て私の独り芝居だと
誰かに指摘されても
空想の貴方は今日も
私を責め続ける
安い壁掛け時計と共に

何者にも為れない者達へ

私達は必ず
老いさらばえて逝く
何かに為れても
何者にも為れなくても
何にも成さずに
ただ指を咥えて
私達は生き過ぎた
今報いを受けるならば
誰にこの心を打ち明けよう
そんな相手など
探せる訳も無いまま
私は今日も彷徨う
生命と言う名の檻を

貴方を思い出す夜

貴方を思い出す夜は
何時だって孤独に満ちて
何かを忘れてしまう
貴方を思い出す夜は
何時だって偽善に溢れ
何かを捨てて逝く
僅かな誉すら抱けない
私の手を引いて微笑む
貴方を思い出す夜に
私は自らの命を絶った
星の無い夜空を眺めて

ご機嫌なブギィ

うだるような暑さの夜に
ご機嫌なブギィを
孤独をため込み向かう朝に
いかしてるブギィを
リズムに合わせて
さあ踊ろう愛しき人よ
私達は僅かな日々の中で
消えて逝くしかないのだから
この素晴らしい世界で
ご機嫌なブギィを

仮初の恋

嘘を上手く絡ませて
仮初の恋をしよう
どうせ貴方も私も
本気では無いのだから
冷たい唇を重ねて
仮初の恋をしよう
直ぐに私と貴方は
離れてしまうのだから
燃え上がる事の無い
仮初の恋を

見つめ合えたなら

貴方と
見つめ合えたなら
何もいらない
そんな言葉を
上手く吐けたなら
私は
きっと詐欺師にだって
為れたでしょうね
現実は
何も言えず
貴方は
知らない人の手を引いて
私の
元から去ってしまった
秋風の様に

貴方が消えた夜を

溢れる涙を数えたなら
貴方が消えた夜を
越えられただろうか
人の心が描く幻想を
形に出来たならば
貴方の消えた夜を
捨てられるだろうか
幾つもの日々が過ぎて
私が老いさらばえても
貴方の消えた夜は
私に延々と纏わり続け
壊してしまうのでしょう
弱い私を嘲笑いながら

B・ガーデン

血で染まる過去を
隠そうとしても
暴かれてしまうなら
落ちて逝きましょう
美しい庭の様な
生き方は出来ないから
灼けた砂の道を
私は延々と歩いて
何時か咲き乱れるの
黒薔薇に生まれ変わって

リムーバー

私の酷い傷痕を
全て消してくれたなら
蝶にだって
花にだって
私は為れたかしら
そんな事を
思いながらも
誰かを広く深く
憎みながら
生きてしまう私は
醜い女なのでしょうね

ガーリーコレクション

貴方は冷たい人だと
囁いて私の前から
消えた優しい貴方を
私は直ぐに忘れるだろう
閉じ込めて置きたい
思い出など私には
初めから無かったの
本当に何も無かったのよ

堕天回帰

命は巡る物だと
教えてくれた貴方は
もう何処にもいない
地上に落とされた私を
救ってくれる者など
私は探せやしなかった
貴方以外には
還れない天を見上げて
私は涙を流す
堕天使にすら落ちれず

レイピア

貴方の浮付く心を
細く鋭いレイピアで
貫いてしまえば
私だけを真摯に
眺めてくれただろうか
その影すら今は
遠過ぎて辿れない
時に思い出を
振り返り泣いてしまう
誰にでも優しかった
貴方の声が
體から離れない夜に

矛盾抱擁

静寂の鐘が鳴り
貴方は私の知らない人と
幸せに為るだろう
矛盾に抱擁されても
私達は戻れない
誰かの描いた道を
蟲の様に這いずり逝くだけ
疑問すら抱けずに
夜に羽ばたく事すら叶わず

キップパイロール

やるせない日々を重ね
擦り切れた心に
キップパイロールを
塗れたなら私は
もう少しだけまともな
大人に為れたと思う
過ぎ去りし時の中で
私は置き去りにされて
何様にも為れずに
消えてしまうだろう