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ギターメンテナンス

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#我が家のDIY

ゴールドパーツを磨く

ゴールドパーツを磨く

ゴールドパーツのメンテナンスは難しい。普段から小まめに乾拭きをしてくすみや錆の原因となる汚れを除去するのが大事なのは勿論だが、中古で購入したギターの場合すでにパーツにくすみや錆が発生していることがある。

最近購入したギターのゴールドパーツもかなり酷い状況になっていた。このような状態になってしまうと、乾拭きで元の輝きを取り戻すのは難しい。メッキ被膜の薄いゴールドパーツにはコンパウンドを使うわけにも

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PLAYTECH レスポールタイプのクリーニング

PLAYTECH レスポールタイプのクリーニング

メンテナンスの練習用に中古のPlayTechのレスポールタイプのギターを購入した。

PLAYTECHのギターは結構時期によってスペックが変わるようで、2024年3月現在発売されているレスポールタイプのモデルはデタッチャブルネックだが、おそらく10年程度前に販売されたと思われるこの個体はセットネックだった。

指板も、現行のモデルはローズウッドのようだが、このモデルはおそらくテックウッドが使われて

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メーカー不明Les Paulタイプギターの修理

メーカー不明Les Paulタイプギターの修理

一年ほど前、普段通りオークションを見ていたら適度に状態が悪そうなギターが出品されており、値段も安かったのでリペアの練習用に購入した。

説明文には「特に問題なく使用できますので、ご安心ください」と書かれていたが、届いたギターを見てみると弦高は12フレットで1.0〜1.5cm(ミリではなくセンチ)ほどあり、リアのピックアップからの音も出ない状況だった。

弦高が異様に高い原因は、極端なネックの純反り

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シングルサイズハムが載った配線済みピックガード

シングルサイズハムが載った配線済みピックガード

PlayTechにSuhrのV63+とDiMarzio Tone Zoneを載せて遊んでいたのだが、結局この二つのピックアップはPlayTechから外すことにした。良いピックアップを載せれば良い音は出るのだが、先日改めて検証をしてみてやはり高いピックアップはそれなりに高いギターに載せてこそ真価を発揮できるものだということを実感したので、これらのピックアップは別のギターに載せることにした。

元のピ

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欠けた指板のインレイをレジンで直す

欠けた指板のインレイをレジンで直す

リフレットのための指板修正をしている中で、数箇所インレイが欠けてしまった。

そのタイミングではどうやって修復するかアイデアがなかったので、一旦そのままリフレットの作業に進んでしまったのだが、いざリフレットが終わって弾き心地を確認してみると、インレイが欠けた部分が指に引っかかり演奏に支障があることがわかったので、今更だが修理することにした。

欠けてしまったインレイを丸ごと外して新しいインレイを埋

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ギターのスクラッチガード

ギターのスクラッチガード

世の中には二種類のエレキギターがあると思う。使い込んだ傷が似合うギターと似合わないギターだ。

ジーンズと一緒で、使い込まれたギターにしかない独特の雰囲気というものもある。古いギターを見ていると、意図的に経年劣化を再現するレリック加工にニーズがあるというのも納得できる気がする。

意図的に傷をつけるようなことはしないが、特にラッカー塗装のギターは今後どのような変化が起きるのか楽しみにしている。

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356円のナットファイルは使えるのか

356円のナットファイルは使えるのか

ナットの溝を切るための工具ナットファイルは、ギターリペア工具の中でも比較的良い値段がする工具の一つだ。自分が使っているHOSCOのナットファイルは9000円程度したし、Ibanezのナットファイルも13,000円前後で販売されている。

そんな中で、Amazonで356円(2023年5月現在)で販売されているナットファイルがある。

リングに、溝のついた棒状の針金のようなものが十数本ついている。細

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PlayTech改造計画4

PlayTech改造計画4

年末に新品購入したPlayTech ST250だが、色々いじっているうちに弾きにくさが気になるようになってきてしまった。ネックに大きな反りはないのだが、ポジションによって音の響きが違ったり弦高を下げようとすると変な詰まり方をする。また、そもそもナットの溝が浅すぎてローフレットで音がシャープしてしまう上に、弦高を下げにくい。そこで、ネックの調整を行うことにした。

まずは擦り合わせから。マスキングテ

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ギターリペア初心者のジャンクギター再生 二年目

ギターリペア初心者のジャンクギター再生 二年目

コロナ禍をきっかけにフリマアプリやネット通販でギターを買うようになった。実物を確認せずに購入すると、やはりどうしてもコンディションに難があるギターが届いてしまうことがある。しかしネットでギターを買うのは便利だし楽しい。そこで二年くらい前から「買ったギターに不具合があったらある程度自分で直せるようにすること」を目指して、ジャンクギター再生を通じてギターリペアの技術を身につけようと考えた。

ジャンク

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初めてのナット交換

初めてのナット交換

年末年始にBacchusのギターを一本修理した。フレットのすり合わせや電装系の修理を一通り終えて組み上げてみたところ、3弦だけ開放弦でビビりが発生することがわかった。ナットの溝が深くなりすぎてしまっているようで、解消するにはナットごと交換する必要があったため、初めてのナット交換に挑戦することになった。

ナット交換、調整は今まで自分が経験してきた作業に比べると難易度が高そうに見えたので身構えていた

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Squier Affinity Series Stratocaster 2004のリペア

Squier Affinity Series Stratocaster 2004のリペア

久しぶりにギターをいじりたくなったので、古めのSquierのStratocasterを購入してメンテナンスすることにした。

ギターをいじることが目的だったのでSquierでなくても良かったのだが、今回は下記の理由でSquierを選んだ。

廉価ブランドとはいえFender直下なので、ある程度造りがしっかりしている。

標準的なストラトキャスターの仕様で、かつミリ規格なので交換パーツを安価に入手し

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Ibanez AZ224Fにワイヤレストランスミッターが挿さった日

Ibanez AZ224Fにワイヤレストランスミッターが挿さった日

Ibanez AZ224Fはとても良くできたギターだが、ジャックが奥まったところにあるため手持ちのワイヤレストランスミッターを取り付けられないのが難点だった。

数ヶ月前に、苦肉の策でL字コネクターを挟むことでなんとかトランスミッターを取り付けられるようになったのだが、コネクターを取り付ける一手間がやはりなんとなく面倒で、段々と使用頻度が下がってきてしまった。

あまりに使用頻度が減ってきてしまっ

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[ジャンクギター再生]Greco EG-360の修理

[ジャンクギター再生]Greco EG-360の修理

会社の同僚から、また新しい(?)ジャンクギターを預かった。今回はGrecoのLes Paulタイプ。

Grecoのロゴは年代によっていくつかのバリエーションが存在するが、今回のギターについているロゴは初めて目にするタイプのものだった。rがnのように見えるいわゆる「グネコ」ロゴだが、よく見るグネコロゴとは若干字体が違う。ネット上の情報によると、どうやら69年〜72年の間に採用されていたもののようだ

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正体不明SGタイプのギターの修理

正体不明SGタイプのギターの修理

いつもの会社の同僚から、今度はSGタイプのギターを預かった。

Grecoのジャンクとして売られていたそうだが、ヘッドにロゴはなく本当かどうかは不明だ。Lawsuit時代に、訴訟対策でヘッドロゴが消された状態で販売されていたことがあるらしいが、載っているパーツなどを見るとLawsuit時代よりも前の時代のギターに見える。おそらくロゴはあとから消されたものだろう。

フレットは汚れて錆びているが、そ

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