![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106017377/rectangle_large_type_2_a31a6eea618f6a636b59e9fe7e0db1f9.jpeg?width=800)
356円のナットファイルは使えるのか
ナットの溝を切るための工具ナットファイルは、ギターリペア工具の中でも比較的良い値段がする工具の一つだ。自分が使っているHOSCOのナットファイルは9000円程度したし、Ibanezのナットファイルも13,000円前後で販売されている。
そんな中で、Amazonで356円(2023年5月現在)で販売されているナットファイルがある。
![](https://assets.st-note.com/img/1684543446219-YxaXu9ZpAR.jpg?width=800)
リングに、溝のついた棒状の針金のようなものが十数本ついている。細いものから太いものまで色々な太さのものが用意されており、弦の太さに合わせて適当な太さの針金を使って溝を切る、ということらしい。どの針金がどの太さなのかはわからないので、感覚かノギスなどを使って目的の太さの針金を探す。
このナットファイルで溝切りは難しい
試しにこのナットファイルを使って溝切りをしてみようとしたのだが、切れ味が悪いことに加えて削っている最中に針金が曲がって動いてしまうこともあり、期待通りに溝を切ることはできなかった。その後HOSCOのナットファイルを買ったこともあり、長らく工具箱の底の方に息を潜めていたのだが最近になって意外とこれはこれで使えるということに気がついた。
溝の調整には使える
この道具だけで真っ直ぐに深く溝を掘るのは難しいが、溝をわずかに深くしたり溝の底面を整えるというような場面では十分に使い物になる。まず、どういうきっかけでそれが起きるのかいまいちよくわかっていないのだが、たまに溝の底面がガタガタになっているナットを見かける。おそらくナットの溝の幅と合わないゲージの弦の使用とかが原因なのではないかと思うが、ナットの底面がスムースでないと変な音の響き方がしたり、チョーキングの感触がおかしかったり、チューニングが狂いやすくなったりするので、溝の底面を整えることは大事だと思うのだが、底面を整える作業はHOSCOのナットファイルよりもこちらの針金の方がやりやすい。底面を整える作業は、高さを下げる作業とは別でむしろ逆に変に高さを削ることなく最小限の削りで表面だけを整えたいが、この針金は良くも悪くも切れ味が悪いので削り過ぎてしまう心配が少ない。同様の理由で、ナットの溝の深さを微調整したいような場面でも、時間はかかるもののこの工具は十分に目的を達成させてくれる。
結論
このナットファイルで、ゼロからナットの溝切りをするのは現実的ではないが、すでに溝がついているナットの微調整をする目的であれば十分に使える。特に底面を整える作業は鋸状のナットよりも便利だったりするので、値段を考えても一個持っておいて悪くない工具だと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?