熊谷 聡子|絵本のこたち

絵本のこたちです。京都伏見で絵本屋をしています。絵本を通して、考えたこと感じたことを記…

熊谷 聡子|絵本のこたち

絵本のこたちです。京都伏見で絵本屋をしています。絵本を通して、考えたこと感じたことを記していこうと思います。

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  • 関西弁で読む遠野物語

    『関西弁で読む遠野物語』(エクスナレッジ)の著者、畑中章宏さんにインタビューしました。

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    ちいさい舟

    ちいさい舟 画|熊谷誠 文|熊谷聡子 UEMON BOOKS 絵本のこたちの出版レーベル、UEMON BOOKSの初めての絵本です。 「舟」の作品は、鉛筆やアクリル絵の具で描かれた絵画で、作者 熊谷誠の生まれ育った家の解体からインスピレーションを得たシリーズです。 この「舟」によって、これまで制作してきた「家」や「日の出」といった一連の作品をもあわせて、ひとつの物語を紡ぎだしました。 絵本の内容: 生家が解体される際、屋根裏から、一艘のちいさい舟があらわれました。 昔々、この辺りには大きな沼があったのです。ある年の大水で、家の半分が水に浸かったこともありました。ゆっくりと景色は変わり続け、気がつけば地形も暮らし方もずいぶんと変化してきました。 時々不意に現れる災害の痕跡と、当時の暮らしに思いをめぐらし、語り継がれる物語と忘れ去られる物語の続きにある今日をまた、生きようと思うのです。 熊谷 誠 (クマガイ マコト) (画) 京都市在住。京都精華大学芸術学部版画専攻 同大学院卒。版画、オブジェ、絵画作品を制作。国内外で個展、グループ展多数。 生家の解体により屋根裏から現れたちいさい舟は、昔、父から聞いた水害の話を思い出させました。その昔、自宅近くの幹線道路の向こうは、水田が広がっていました。そのもっと昔は沼だったといいます。 熊谷 聡子 (クマガイ サトコ) (文) 京都市在住。京都精華大学芸術学部版画専攻卒。デザイン事務所、出版社勤務、専業主婦を経て2018年より絵本のこたち店主。 安野光雅さんの『ふしぎなえ』に魅了されて以来の絵本好き。そういうと、安野さんの『旅の絵本』の旅人は「ちいさい舟」に乗ってやってきたのでした。
    2,200円
    絵本のこたち
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    ロバのおはなし

    ロバのおはなし 作|よしだ るみ 出版|国土社 「どうぶつの かぞく えほん」(国土社)でも、おなじみのよしだるみさんの最新刊。 4月27日〜5月15日の原画展にて、絵本のこたちで先行発売します。 以下は版元さんの紹介文です 重い荷物を運ぶのが仕事のロバは疲れてクタクタ。 牛や馬や犬の暮らしがうらやましく思えます。 自分ばっかり、つらい思いをしているみたい。 でも・・みんないろいろあるんだな 色鉛筆のふんわり柔らかいタッチと光あふれる穏やかな世界。 じんわりと心が温まります。
    1,760円
    絵本のこたち
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    オーリキュラと庭のはなし サイン本

    オーリキュラと庭のはなし 作|前田まゆみ アリス館 初版刊行年 2022年3月31日 農園で大切に育てられたオーリキュラは、美しく気位の高いお嬢さま。 最初は他の草花とうまくいきませんでしたが、出会いや別れを経験し、みんなが関わりながら、与え、与えられて生きていることを理解します。 色鉛筆のやわらかいタッチと色の重なりが美しい、やさしい絵本です。
    1,500円
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    ちいさい舟

    ちいさい舟 画|熊谷誠 文|熊谷聡子 UEMON BOOKS 絵本のこたちの出版レーベル、UEMON BOOKSの初めての絵本です。 「舟」の作品は、鉛筆やアクリル絵の具で描かれた絵画で、作者 熊谷誠の生まれ育った家の解体からインスピレーションを得たシリーズです。 この「舟」によって、これまで制作してきた「家」や「日の出」といった一連の作品をもあわせて、ひとつの物語を紡ぎだしました。 絵本の内容: 生家が解体される際、屋根裏から、一艘のちいさい舟があらわれました。 昔々、この辺りには大きな沼があったのです。ある年の大水で、家の半分が水に浸かったこともありました。ゆっくりと景色は変わり続け、気がつけば地形も暮らし方もずいぶんと変化してきました。 時々不意に現れる災害の痕跡と、当時の暮らしに思いをめぐらし、語り継がれる物語と忘れ去られる物語の続きにある今日をまた、生きようと思うのです。 熊谷 誠 (クマガイ マコト) (画) 京都市在住。京都精華大学芸術学部版画専攻 同大学院卒。版画、オブジェ、絵画作品を制作。国内外で個展、グループ展多数。 生家の解体により屋根裏から現れたちいさい舟は、昔、父から聞いた水害の話を思い出させました。その昔、自宅近くの幹線道路の向こうは、水田が広がっていました。そのもっと昔は沼だったといいます。 熊谷 聡子 (クマガイ サトコ) (文) 京都市在住。京都精華大学芸術学部版画専攻卒。デザイン事務所、出版社勤務、専業主婦を経て2018年より絵本のこたち店主。 安野光雅さんの『ふしぎなえ』に魅了されて以来の絵本好き。そういうと、安野さんの『旅の絵本』の旅人は「ちいさい舟」に乗ってやってきたのでした。
    2,200円
    絵本のこたち
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    ロバのおはなし

    ロバのおはなし 作|よしだ るみ 出版|国土社 「どうぶつの かぞく えほん」(国土社)でも、おなじみのよしだるみさんの最新刊。 4月27日〜5月15日の原画展にて、絵本のこたちで先行発売します。 以下は版元さんの紹介文です 重い荷物を運ぶのが仕事のロバは疲れてクタクタ。 牛や馬や犬の暮らしがうらやましく思えます。 自分ばっかり、つらい思いをしているみたい。 でも・・みんないろいろあるんだな 色鉛筆のふんわり柔らかいタッチと光あふれる穏やかな世界。 じんわりと心が温まります。
    1,760円
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    オーリキュラと庭のはなし サイン本

    オーリキュラと庭のはなし 作|前田まゆみ アリス館 初版刊行年 2022年3月31日 農園で大切に育てられたオーリキュラは、美しく気位の高いお嬢さま。 最初は他の草花とうまくいきませんでしたが、出会いや別れを経験し、みんなが関わりながら、与え、与えられて生きていることを理解します。 色鉛筆のやわらかいタッチと色の重なりが美しい、やさしい絵本です。
    1,500円
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『関西弁で読む遠野物語』その1|なんでまた、『遠野物語』を関西弁に?

『遠野物語』が柳田国男の手によって出版されてから、今年で110周年になります。 柳田と同じく、関西出身の民俗学者、畑中章宏さんの新刊『関西弁で読む遠野物語』について、お聞きしました。 ーー『関西弁で読む遠野物語』ですけれども、そもそも、なぜ関西弁にすることになったのですか? 柳田国男って「遠野」の人っていうイメージが強いけど、ほんまは関西人だってイメージ、みんな、もってへんよね。 ーーはい。知りませんでした。 民俗学が他の学問と大きな違いがあるとするとね。まぁ、

    • やまね智史さんに聞く どうして政治家になったんですか?

      2021年2月20日、二度目の緊急事態宣言のなか、聞き取りに回っておられた伏見区選出の共産党市会議員やまね智史さんが、絵本のこたちにもきてくださいました。TwitterやYouTubeでも京都市の財政事情等を発信されてるやまねさん。せっかくなので、逆インタビューしました。 ーー政治家を志したきっかけはなんですか? もともと、スポーツの分野でトレーナーとか栄養士とか、選手をサポートする仕事をやりたいなと思ってたんです。 1歳の時に心臓の手術をしてるんです。先天性心室中隔欠損

      • 『すずちゃんの のうみそ』

        『すずちゃんの のうみそ』(岩崎書店)の著者で、すずちゃんのお母さんである竹山美奈子さんが、京都市での講演会の帰りに絵本のこたちにお立ち寄りくださいました。 『すずちゃんの のうみそ』は、すずちゃんが楽しく過ごした保育園のお友だちにあてて書かれたお手紙で、自閉症スペクトラム(ASD)のことがわかりやすく伝えられています。2019年の11月に絵本のこたちで原画展も開催し、私にとっても思い入れのある絵本のひとつです。 ーー『すずちゃんの のうみそ』は、すずちゃんが一緒に過ごした

        • 『ポラーノの広場』を探しに

          青がベースの表紙は、山の稜線を際立たせる夕陽の朱が昼と夜の境界線をひいています。野原を歩く3人の男の足元を白いつめくさが、地上の星のように仄かに照らしています。どこへ向かうのでしょうか。 この絵本は、ミキハウスの宮沢賢治絵本シリーズ『ポラーノの広場』。幻想的な絵を描かれたのは、みやこしあきこさん。燦々と降り注ぐ日の光やランプの灯り、星あかりなど、様々な光を描き分ける光の表現が印象的な画家さんです。  ー わたくしどもはもう広場の前まで来て立ち止まりました。 そのページで、

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        『関西弁で読む遠野物語』その1|なんでまた、『遠野物語』を関西弁に?

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          ほんとうの星✖️そらごとの月 その2

          人の話、聞かないんです ーうちの末っ子が幼稚園の頃、戦場の絵をよく描いていて、ミサイルが飛び交ってて兵士が血を流したりお墓がいっぱいあって残酷なんです。本人は平和主義でいつもニコニコしてて、何かストレス抱えてるのかなって心配だったんですけど、戦いごっこもしないし戦闘もののテレビやゲームを観るわけでもない。 長田さんの絵には暴力的な場面やモチーフも出てくるし、こういうの描いたらどう思われるかなっていうのを考えないで、思うがままに描いた子どもの絵を観てるような気になります。

          ほんとうの星✖️そらごとの月 その2

          ほんとうの星✖️そらごとの月 その1

          よく分からないけど、なんかいい 2020年8月、長田真作さんの新刊『ほんとうの星』『そらごとの月』が303BOOKSさんから2冊同時に発売になりました。 率直に申し上げると、第一印象は「わけの分からない絵本だな」でした。 分からないけど何かありそう。と思って「原画展したいです」と303BOOKSの営業さんに申し入れ、コロナ禍で延び延びになりながらも、ようやく、10月2日から原画展開催の運びとなりました。 長田真作絵本原画展『ほんとうの星』『そらごとの月』 よく分からな

          ほんとうの星✖️そらごとの月 その1

          揺れて歩く ある夫婦の一六六日|清水哲男 第3回

          (第二回から続く) ――歌を詠むことが「母」清水千鶴さんにとって自分を律するものだったというお話がありましたけれども、仕事や家族のための時間のほかに、自分のためだけの時間を使い慣れていないと、いざという時に何もできず立ち尽くしてしまうような気がします。コロナ禍で店を休業しましたが、閉めた当初は呆然としてしまって、それでできた空き時間をまったく有効に使うことができなかったんですよね……。 店舗経営や、会社勤めの人は生活が激変しましたよね。また、小さい子どもたちのいる場合は子

          揺れて歩く ある夫婦の一六六日|清水哲男 第3回

          揺れて歩く ある夫婦の一六六日|清水哲男 第2回

          (第一回から続く) ――『揺れて歩く』の「父」に、私の父が重なるところが多くて。それで、この本を私の母に送ると、「濃密な時間やった」と返事がありました。いま思うと、看取りまでの時間はけっして不幸な時間ではなかったという気がします、すごく父のことを想う時間だったと思います。 『揺れて歩く』に書かれているのは、「父」が余命宣告を受けてから看取られるまでの166日間ですから、当然、死へ、悲しみへと向かう道のりです。この道のりは、誰もが通るものですよね、人間はみんな死ぬんですから

          揺れて歩く ある夫婦の一六六日|清水哲男 第2回

          揺れて歩く ある夫婦の一六六日|清水哲男

          自然科学絵本の「鳥の一年シリーズ」や、大人にも人気の美しい絵本『ものがたり白鳥の湖』は当店、絵本のこたちでも人気のタイトルです。版元のエディション・エフはこうした絵本のほかに写真集、文芸書、学術書とさまざまなジャンルの書籍を刊行している京都の出版社。次はどんな本が刊行されるのだろう?と興味が尽きません。代表の岡本千津さんにお話を聞きました。 この4月に刊行された『揺れて歩く ある夫婦の一六六日』(以下、『揺れて歩く』と表記)は、高齢夫婦の支え合う姿を写真と文章で捉えた記録

          揺れて歩く ある夫婦の一六六日|清水哲男

          『関西弁で読む遠野物語』その5|災害のあと、これからの話

          ーー東日本大震災は地震も大きかったですけど、原発事故っていうのも新しい体験でしたよね。 原発って発生地帯は、はっきりしてるじゃないですか。放射能も目に見えへんけど、コロナと違って、どこからきてるっていうのは。安全だ安全だっていうことに対しては、安全じゃないって僕は思ってるし、危険だ危険だっていうのも言い過ぎやっていうくらいのバランスで割と多くの人が平均してる。 福島の問題については、民俗学者ってそういうこと言わないと思われてるかもしれへんけど、帰宅困難地域になってるところ

          『関西弁で読む遠野物語』その5|災害のあと、これからの話

          『関西弁でよむ遠野物語』その4|話題は民俗学からコロナ、シン・ゴジラへ

          ーー編集者をされてましたが、どうして、民俗学をやろうと思われたのですか? 民俗学者を名乗り出したのは『蚕』(晶文社)の頃からで、その前は著述家とか編集者って書いてあるね。 大きな契機になったのは東日本大震災。僕は東京で体験したんやけど、あれだけ多くの方が巻き込まれた災害、多くの亡くなった魂を、どう鎮魂して供養してきたのか、それから先、どういう風にして共同体を復興させてきたのか。あるいは、亡くなった方、見送った方、家族のこととか、これから死者とどう付き合っていかなきゃいけな

          『関西弁でよむ遠野物語』その4|話題は民俗学からコロナ、シン・ゴジラへ

          『関西弁で読む遠野物語』その3|昔話の本質っていうのは

          ーー「山人(やまびと)」は、すごく深い断絶があるお話ですよね。里の娘をさらって、何人も子どもが生まれるんですけど、みんな殺してしまう。こういう話をどう受け止めたらいいんでしょうか? 『遠野物語』って、禁忌とかタブーを言わんとしているものではないんですよ。子どもに聞かせるのに教訓を見出すとか、何かを禁止したり、あるいは何かを勧めたりとか。それを、わかりやすく伝えるっていうことのために昔話が伝えられてきたっていうわけでは全くないんです。 繰り返し言ってることやけど、世の中の腑

          『関西弁で読む遠野物語』その3|昔話の本質っていうのは

          『関西弁で読む遠野物語』その2|『遠野物語』って、ほんとにあった話ですか?

          ーー『遠野物語』は、「河童」とか「ザシキワラシ」のような妖怪がよく知られてますけど、全体読むと、噂話のようなものから危険を避ける知恵みたいな話もたくさんありますよね。『遠野物語』っていうのは、大人が子どもに語るお話なんですか? この本の最後にも「昔々」という章があるんですけど、昔々っていうのは昔話。この前の114話は昔話やない。序文の有名な一節で「これは現在の事実である。目の前の出来事である」という風に柳田は言っている。 佐々木喜善が、お父さんとかお母さんから聞いた話

          『関西弁で読む遠野物語』その2|『遠野物語』って、ほんとにあった話ですか?

          はじめまして 絵本のこたちです

          はじめまして。 絵本のこたちの熊谷と申します。 京都の伏見で絵本屋をしております。 2018年の2月15日に開店しました。 日頃は、主に、Twitterで入荷のご案内をしたり 余計なことを呟いたりしていますが、 短くまとめることに集中し過ぎて、 考えの余白がなくなってきてないかな 何か、結論を急ぎ過ぎてないかな もうちょっと、モヤモヤしてても いいんじゃないかな、と Twitterのせいにしてますが、 単に、歳のせいかもしれません。 そんなようなことで noteには、新入

          はじめまして 絵本のこたちです