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『関西弁で読む遠野物語』その1|なんでまた、『遠野物語』を関西弁に?
『遠野物語』が柳田国男の手によって出版されてから、今年で110周年になります。
柳田と同じく、関西出身の民俗学者、畑中章宏さんの新刊『関西弁で読む遠野物語』について、お聞きしました。
ーー『関西弁で読む遠野物語』ですけれども、そもそも、なぜ関西弁にすることになったのですか?
柳田国男って「遠野」の人っていうイメージが強いけど、ほんまは関西人だってイメージ、みんな、もってへんよね。
ーーは
やまね智史さんに聞く どうして政治家になったんですか?
2021年2月20日、二度目の緊急事態宣言のなか、聞き取りに回っておられた伏見区選出の共産党市会議員やまね智史さんが、絵本のこたちにもきてくださいました。TwitterやYouTubeでも京都市の財政事情等を発信されてるやまねさん。せっかくなので、逆インタビューしました。
ーー政治家を志したきっかけはなんですか?
もともと、スポーツの分野でトレーナーとか栄養士とか、選手をサポートする仕事をやり
『すずちゃんの のうみそ』
『すずちゃんの のうみそ』(岩崎書店)の著者で、すずちゃんのお母さんである竹山美奈子さんが、京都市での講演会の帰りに絵本のこたちにお立ち寄りくださいました。
『すずちゃんの のうみそ』は、すずちゃんが楽しく過ごした保育園のお友だちにあてて書かれたお手紙で、自閉症スペクトラム(ASD)のことがわかりやすく伝えられています。2019年の11月に絵本のこたちで原画展も開催し、私にとっても思い入れのある絵
『ポラーノの広場』を探しに
青がベースの表紙は、山の稜線を際立たせる夕陽の朱が昼と夜の境界線をひいています。野原を歩く3人の男の足元を白いつめくさが、地上の星のように仄かに照らしています。どこへ向かうのでしょうか。
この絵本は、ミキハウスの宮沢賢治絵本シリーズ『ポラーノの広場』。幻想的な絵を描かれたのは、みやこしあきこさん。燦々と降り注ぐ日の光やランプの灯り、星あかりなど、様々な光を描き分ける光の表現が印象的な画家さんです。
ほんとうの星✖️そらごとの月 その2
人の話、聞かないんです
ーうちの末っ子が幼稚園の頃、戦場の絵をよく描いていて、ミサイルが飛び交ってて兵士が血を流したりお墓がいっぱいあって残酷なんです。本人は平和主義でいつもニコニコしてて、何かストレス抱えてるのかなって心配だったんですけど、戦いごっこもしないし戦闘もののテレビやゲームを観るわけでもない。
長田さんの絵には暴力的な場面やモチーフも出てくるし、こういうの描いたらどう思われるかなって
ほんとうの星✖️そらごとの月 その1
よく分からないけど、なんかいい
2020年8月、長田真作さんの新刊『ほんとうの星』『そらごとの月』が303BOOKSさんから2冊同時に発売になりました。
率直に申し上げると、第一印象は「わけの分からない絵本だな」でした。
分からないけど何かありそう。と思って「原画展したいです」と303BOOKSの営業さんに申し入れ、コロナ禍で延び延びになりながらも、ようやく、10月2日から原画展開催の運びとな
揺れて歩く ある夫婦の一六六日|清水哲男 第3回
(第二回から続く)
――歌を詠むことが「母」清水千鶴さんにとって自分を律するものだったというお話がありましたけれども、仕事や家族のための時間のほかに、自分のためだけの時間を使い慣れていないと、いざという時に何もできず立ち尽くしてしまうような気がします。コロナ禍で店を休業しましたが、閉めた当初は呆然としてしまって、それでできた空き時間をまったく有効に使うことができなかったんですよね……。
店舗経
揺れて歩く ある夫婦の一六六日|清水哲男 第2回
(第一回から続く)
――『揺れて歩く』の「父」に、私の父が重なるところが多くて。それで、この本を私の母に送ると、「濃密な時間やった」と返事がありました。いま思うと、看取りまでの時間はけっして不幸な時間ではなかったという気がします、すごく父のことを想う時間だったと思います。
『揺れて歩く』に書かれているのは、「父」が余命宣告を受けてから看取られるまでの166日間ですから、当然、死へ、悲しみへと向
揺れて歩く ある夫婦の一六六日|清水哲男
自然科学絵本の「鳥の一年シリーズ」や、大人にも人気の美しい絵本『ものがたり白鳥の湖』は当店、絵本のこたちでも人気のタイトルです。版元のエディション・エフはこうした絵本のほかに写真集、文芸書、学術書とさまざまなジャンルの書籍を刊行している京都の出版社。次はどんな本が刊行されるのだろう?と興味が尽きません。代表の岡本千津さんにお話を聞きました。
この4月に刊行された『揺れて歩く ある夫婦の一六六日
『関西弁で読む遠野物語』その5|災害のあと、これからの話
ーー東日本大震災は地震も大きかったですけど、原発事故っていうのも新しい体験でしたよね。
原発って発生地帯は、はっきりしてるじゃないですか。放射能も目に見えへんけど、コロナと違って、どこからきてるっていうのは。安全だ安全だっていうことに対しては、安全じゃないって僕は思ってるし、危険だ危険だっていうのも言い過ぎやっていうくらいのバランスで割と多くの人が平均してる。
福島の問題については、民俗学者っ
『関西弁でよむ遠野物語』その4|話題は民俗学からコロナ、シン・ゴジラへ
ーー編集者をされてましたが、どうして、民俗学をやろうと思われたのですか?
民俗学者を名乗り出したのは『蚕』(晶文社)の頃からで、その前は著述家とか編集者って書いてあるね。
大きな契機になったのは東日本大震災。僕は東京で体験したんやけど、あれだけ多くの方が巻き込まれた災害、多くの亡くなった魂を、どう鎮魂して供養してきたのか、それから先、どういう風にして共同体を復興させてきたのか。あるいは、亡くな
『関西弁で読む遠野物語』その3|昔話の本質っていうのは
ーー「山人(やまびと)」は、すごく深い断絶があるお話ですよね。里の娘をさらって、何人も子どもが生まれるんですけど、みんな殺してしまう。こういう話をどう受け止めたらいいんでしょうか?
『遠野物語』って、禁忌とかタブーを言わんとしているものではないんですよ。子どもに聞かせるのに教訓を見出すとか、何かを禁止したり、あるいは何かを勧めたりとか。それを、わかりやすく伝えるっていうことのために昔話が伝えら
『関西弁で読む遠野物語』その2|『遠野物語』って、ほんとにあった話ですか?
ーー『遠野物語』は、「河童」とか「ザシキワラシ」のような妖怪がよく知られてますけど、全体読むと、噂話のようなものから危険を避ける知恵みたいな話もたくさんありますよね。『遠野物語』っていうのは、大人が子どもに語るお話なんですか?
この本の最後にも「昔々」という章があるんですけど、昔々っていうのは昔話。この前の114話は昔話やない。序文の有名な一節で「これは現在の事実である。目の前の出来事であ
はじめまして 絵本のこたちです
はじめまして。
絵本のこたちの熊谷と申します。
京都の伏見で絵本屋をしております。
2018年の2月15日に開店しました。
日頃は、主に、Twitterで入荷のご案内をしたり
余計なことを呟いたりしていますが、
短くまとめることに集中し過ぎて、
考えの余白がなくなってきてないかな
何か、結論を急ぎ過ぎてないかな
もうちょっと、モヤモヤしてても
いいんじゃないかな、と
Twitterのせいにしてま