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「スラムダンク」の映画と、村上春樹「海辺のカフカ」(いや、村上さんの場合、他の著作に縦断するあらゆる「僕」でもいいんだけど)の共通点って何だと思う? 【エッセィ】

「スラムダンク」の映画と、村上春樹「海辺のカフカ」(いや、村上さんの場合、他の著作に縦断するあらゆる「僕」でもいいんだけど)の共通点って何だと思う? 【エッセィ】

どうも、村上フリークのhigansugimadeです。
「スラムダンク」の、熱くて滑らか、ゆえに素敵過ぎる描写の映画のことを思っていて、ふと、標題の疑問を思い、それに答えることを考えてみたいと思います。

つまり、わたしの中で敬愛する村上さんと、熱き漫画描き井上さんのベストバウトなあの映画、「THE FIRST SLAM DUNK」とが結びついたわけなのね。

もう一度、問いを繰り返してみよう。

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目から鱗が落ちる 【エッセィ】

目から鱗が落ちる 【エッセィ】

「目から鱗が落ちる」ことを考えていて、思い込みの強さの素人哲学的考察にまで行き着きました。いちおう、思い込みの変化についての考察と相成りし候ゆえ、テーマにも沿っているかと思い(変化球ですが)、投稿させていただきます。読者諸賢の一考を促せることができたなら幸いです。

「目から鱗が落ちる」考

 自分は何も変わらない。変化に乏しい。生き方や、その姿勢を、180度変えることは困難なようで、実は容易だ。

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大著嫌い 【エッセィ】

大著嫌い 【エッセィ】

大著と呼ばれる本で話題を攫い、挑戦的で挑発的な「知の告発」本は、膨大なページ数を引っ提げて盲目な彷徨える羊たちをどこかへ導こうとする訳だけれど、そうした大著がしばしば、「事実の羅列」で、「事実」認定を受けたであろう「論文」にいかに紐付けするかに躍起になっているように見えることがある。ついにはどこまでコピペできるか競争のようにみえる。ひどい場合はそうである。事実を集めて醸成した意見が書かれてあるなら

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そのスマイルはアルカイック 【エッセィ】

そのスマイルはアルカイック 【エッセィ】

 そこにあるアルカイックスマイルは、ビンドゥンドゥンのものだった。
 象徴のための笑顔、と同時に、笑顔のための象徴。
 ビンドゥンドゥンを眺めながら、ぼくは、キャラクター化されたそれにしばしば貼り付けられる、笑顔、のことを、考えていました。
 キャラクターが、何らかのマスコットとして生じた時、漫画的記号たる極端な笑いをそこに決して貼り付けたりはしない。マスコットは独り立ちをし、表情は一つに固定され

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岩合光昭さんについて思うこと 【エッセィ】

岩合光昭さんについて思うこと 【エッセィ】

 岩合さんの撮る猫たちを眺めるのはまるでそれがイニシエーションになって私の精神の集中に寄与することがあるように思う。
 眺めなくてもいい。思い出すだけでもいい。
 写真は、瞬時に通り過ぎるだけでもいい。
 私の過去において、その写真の私なりの全情報を取り込んだ記憶が一瞬の想起に於いて直ちに思い出される。
 幾枚の写真たちだ。新聞のカラー写真、岩合さんの写真集、いくつかの百貨店の有料展示会、ポストカ

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コントからの演技論 【エッセィ】

コントからの演技論 【エッセィ】

 店頭に立ってモノを売り続ける日々が続く。
 行動が落ちついた時、イギリスのコメディアンの、あの演技とあの顔の濃い人、あの眉毛の濃い、あの舌のよく動く、そんな、あの人を、思い浮かべる。テレビもなく、映像も確かめずに、言えることを、考えてみましょう。だがしかし、あの、あの、と、繰り返すのは、いったい何を言い表したいのだろうか。
 まあ、いいや。
 あの人のコントは、一つ一つの動作が、生きる喜びを表し

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