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メリーバッドエンド、な人生もあり。

2021/6/22 読書記録no.41「20代で得た知見」F

私は、こういう「20代で〜」というものが、どうしても気になってしまいます。ポジティブに惹かれるというより、何が書かれているかすごく気になるんです。ポジティブとは違う、何か他のモノですね。説明が難しいですが…

本屋さんに行くと、これだけは見ろ、と入り口に聳え立つ目玉商品のコーナーにこの本は積み上げられてました。
表紙が見えるように立て掛けられてもいるし、よほど沢山発注したのか、その下に20.30冊と積み上げられてる。

こんなにも主張が激しかったら、そりゃイヤでも目に留まるものです。笑

だから、手に取ってページを捲りました。

すると、この本の著者は、以前私が読んだことのある本の著者と同じ方でした。以前読んだ本は、あまり共感しなくて、んー、この人少し苦手だなぁと思った方だったので、買うか買わないか、迷いました。笑

でも、20代〜という、タイトルが引っかかる…気になる…何が書いてるんだろう…あー、気になる。笑

そんな葛藤をしばらく繰り返したあと、やはり気になる気持ちに勝てず、レジに並びました。笑

自宅に帰り、早速読んでみると、以前読んだ本とさほど印象は変わらなかったのですが、どちらかというと、私は「20代の知見」の方が好みでした。(前回読んだのは、「いつか別れる。でも、それは今日ではない。」という本です)

多分、前回のは「恋愛中心」の本だったので、お腹いっぱいになって微妙だなぁと感じてしまいましたが、今回のは恋愛も入れつつ、他のジャンルも書かれていたので、気持ちが楽というか、なんというか。
読んでいて、お腹いっぱいで苦しくはならなかった。笑

説明が曖昧ですみません。私は「恋愛体質」じゃないと自他共に認められてるくらいなので、そう感じたのかなと思います。
あくまで、個人的な意見なので、お気になさらず。笑

それでは、今日はこちらの本についてまとめていきたいと思います!


作品について。

一人の人間の人生は、出会った言葉でも、預金額で決まるとも、恋愛だの結婚で決まるとも思えない。ある夜友人が電話で語ってくれた台詞、または恋人がふとした瞬間吐き捨てた台詞、バーで隣の男が語ってくれた一夜限りの話、なんの救いもない都会の景色、あるいは、夜道で雨のように己の全身を貫いた、言葉にもならない気づき。
そういったものによって人生は決定されたように思うのです。
私はその断片を「二十代で得た知見」と名づけることにしました。
(本文より)◆第1章「不完全からの出発」では、絶望するな、しかし生き急げ/期待しない方が楽だが、退屈は生活の毒である/好きってなに、など普遍的かつ実践的な50の断片を収録。
第2章「現実に関する幾つかの身も蓋もない事実」では、才能と呼ばれるものの正体/社会人一年目から五年目までの教訓/不条理な世界と戦うための武器一式/審美眼とは違和感のことである、など、この時代を生き抜くのに必要な44の断片。
第3章 「アンチ・アンチロマンチック」では、もし我々が冬の星座に機関銃を撃つことができたら/ちょいとした堕落論/大人の悲哀、子供の悲哀など、心をえぐる50の断片。
最終章 「愛に関する幾つかの殴り書き」では、愛とは、本人が振り絞ることのできる全力のこと/同棲なんて軽率にしてしまえばよい/結婚は恋愛の墓場だが、墓場からは星が見える、など、愛に纏わる41の断片を収録。「眠れぬ一人の夜を支えてくれる」「二十代を生きる上で大変参考になった」「もっと早く知りたかった」といった反響多数。
著書累計30万部。F、待望の最新刊。


1番、グッときたお話し。

私が1番グッときたお話を、ここで紹介したいと思います。

皆さんは、「メリーバッドエンド」という言葉、知っていますか?
私はこの本を読むまで、この言葉を聞いたことがありませんでした。
これまで数え切れないくらいの本を読んできましたが、
これまで数え切れないくらいのテレビ番組を見てきましたが、
一度も聞いたことがありません。

初耳だった「メリーバッドエンド」という言葉。
この言葉について書かれた箇所が、私には1番刺さりました。

メリーバッドエンド。
意味は、「人によっては、最悪の結末に見えるが、人によっては最高に幸福な結末にも見える物語。」
ハッピーエンドな人生を目指せれば、それで良い。
バッドエンドを目指したい人間など、そうそういない。
が、私は、メリーバッドエンドな人生であってもいいんじゃないかと思っている。本人が幸福でありさえすれば、それで良い。
一握りの、分かる人にだけ分かれば、それで良い。

もちろんハッピーエンドに越したことはないです。
そりゃ、ハッピーエンドがあるなら、ハッピーエンドがいい。
でも、メリーバッドエンドという考え方は素敵だなと思いました。
本人次第。全ては、本人次第。

その人が生きる人生は、その人がその物語の主人公です。

主人公がハッピーエンドだと思えば、ハッピーエンドだし、
バッドエンドと思えば、バッドエンド。
外からどう見えていようと、本人が幸福と言えば、その物語は幸福そのものなんです。

人の目なんて…と気にしていない様に見えて、無意識に気にしている人が多いのではないでしょうか。私もその1人です。
でも、この「メリーバッドエンド」という言葉を知って、そういう考え方もあるか、って教えて頂きました。


印象的な言葉。

沢山あります。お時間のある方は、ぜひゆっくり読んでみてください。
では、参ります。

P25 お金も時間も体力も余裕も小鳥みたいに消えていく。
「いつかは来ない」と知った。思ったその日その瞬間動いておけばよかった。どんなに不完全でも、不完全のまま動くしかなかったのよ。

「事前完璧主義」に陥ると、一歩も動けなくなるもの。
ベストなタイミングは永久に来ない。必要なものは現地調達するしかない。拾いながら走っていくしかない。扉を叩きに行くしかない。
どうやら人生とは、そういうもののようです。”野蛮であれ!”
P91 普通の人でありなさい
よく怒り、よく泣き、よく話し、そしてよく黙り込みなさい。
面白いことを言わなくていい。天才にも異常にもならなくていい。
普通の人だから、多くの人の痛みが分かる。弱さが分かる。
やるせなさが分かる。
普通なら普通なりに考え抜いて、何かをやってみせなさい。
上手くいかなくても、私が笑ってあげるから。
普通。だからこそ、強い。天才に、ならなくて良い
P93 何かを「嫌いだ」「下手だ」と気づくことは才能です。
もっと言えば、「どうしてこの人はこんな簡単なことができないんだろう」と思うことは、あなたの得意分野である。
才能はそれを持つ本人がもっとも気付きにくい形をしている。
あなたにとって当たり前にできることは、誰かにとって当たり前ではないということ。
だからこそ、助けなければならない。そこまでが、あなたの仕事です。
P128 本当はやりたかったこと。
それから目を背けることは一度ならずあるものです。
しかし、それは自分の背中を追ってくる。
無かったことにしても、無かったことにはならない。
いよいよ、それに追いつかれそうになった時、きちんと振り返り、それと戦わねばならない。
仮にそれと戦って勝っても負けても、その時きっと後悔はない
P137 ただ1人で生きているかのような顔をして頂きたい。
その方があなたを見つけやすい。
何を書いても撮っても、あなただと分かる文体がある。画角がある。
香りがある。どうしようもない癖。
それをもろ出しにしてもらったほうが、あなたを好きになる人や、あなたが好きになる人が、あなたを見つけやすい
P144 依存先を1つにすれば、病。
しかし依存先を複数持てば、それは多趣味です。
P167 何者かにはなれなかったけど、もし目の前に困っている人がいたなら、すぐにでも手を差し伸べることくらいは出来るんじゃないか。
P203 見ないふりをするわけじゃない。ちゃんと見る。
でも、黙って距離を置く。何も言わない人は何も言わないから、ただこちらからは見えないだけだ。
でも確かにいる。それを静かに想像するんだよ。
P223 私たちは勝つために生まれたのではない。
美しく敗北するために生まれてきた。
P258 人生の99%の出来事は何とも無意味で、役に立たない出来事の繰り返し。しかし、無意味で役に立たないものほど、贅沢なのだ。
ならば、その贅沢をなるべく多くし、1つ1つ全肯定するのが、私たちの「無意味な人生」に対する素敵な悪足掻きではないか。
ひいては、その悪足掻きが人生を最高にするものではないか。


本を閉じて、感じたこと。

この本は、読んでよかった。
本屋さんで葛藤して、レジに並んだ自分を褒めてあげたい。
よくやった、あの時決意してくれた自分、よくやった。笑

もちろん、恋愛の話も沢山出てきました。
でも、それより「生き方」「人生」「学び」「人」「自分自身」など、広いジャンルが細かく描かれていて、読んでいて楽しかったです。
Fという著者さんは、男性の方みたいですが、不思議です。
なんか、女性目線で書かれているような、ジェンダーレスというか、男女の境目がない、そんな人だな〜、と思います。

あと、グワってなったのは、最後に書かれていた、あの畳みかけるように圧が強い、結婚式での友人代表挨拶の文章。

もし、私がその場にいて、この挨拶を目の前で聞いていたら、どんな気持ちになるだろうな、って想像してしまいました。新郎をいじりながらも、世間の状況を話して、また新郎に戻って、その巧みな言葉を操る様がさすが文筆家さんだなって思いました。

最後の最後に、とんでもないものが隠されていました。笑
何気に1番力を使ったのは、最後かもしれませんね。

20代の知見、とが言いながら、理解できない項目もいくつかありました。
だから、1年後2年後、5年後あたりにまた読み返したいと思います。
きっと考えることが全然違うんだろうな。

気になる方は、ぜひ読んでみてください。


おりょう☺︎

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