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いのちは巡る



秋がすぐそこまで来ている。

台風が過ぎた後ぐらいから、夕方の散歩時が格段に涼しくなった。

滑らかに肌を滑り踊る風が、心と身体落ち着かせてくれる。

8月。夏の終わり。

わたしの愛する季節。


いつも思い出すのは、煌々と燃える炎。

京都でひとり、暮らしていた頃、一年に一度、マンションの非常階段の踊り場から、何時間も五山の送り火を見つめていた。

今ならわかる。

わたしはわたしの命の火を見つめ、その揺らめきに身を任せていたのだ、と。



あの頃、わたしは、とても孤独だった。

そして、強烈にしあわせだった。



京都の街の風景は、いつもわたしの心に寄り添ってくれた。

聳え立つ山々は、いつも優しく語りかけてくれた。

ここにいるよ、大丈夫だよ、ずっと見てるよ

自然はいつもそうやって、どんなわたしも包み込んで、安心させてくれた。


あの頃の自分の内側から溢れた言葉は、今でもこの心を揺らめかす。


流れる街、人、風景、

そのすべてがきらめき、

眩しく躍動していた。


人は闇だけではなく、

光からも目を背けることを知った。


生きるとは、そんな流れゆくすべてのコントラストを感じ続けることなのだと悟った。


孤独は、当たり前の日常を、輝きに変えた。


孤独は、透き通る空洞から、無数の光を放ってくれた。


止まることを知らない、巡る季節が、

生命の息遣いが、

いつも、わたしのほんの少し先にいてくれることを知った。


どんなときも、手を引いて、導いて、

包み込んでくれる。

だからもう、行き先に迷うことは、ない。




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自然とともに、命は巡る。















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