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日本語を深く味わうための短歌の作り方

こんにちは。西巻真です。どうもアクセス数だけ見ると、「初心者向けの短歌講座」の記事がめっちゃくちゃ伸びているので、「自分そんなにいいこと言ったのかなあ」と不思議なんですが、こういう感じのアドバイスをまとめて、「読んでる人が短歌が上手になるような」記事を、ちょっとまとめて書いていきたいと思います!

ズバリ!

日本語を深く味わうための短歌の作り方講座


です!

実は正直に言いますと、ぼく、賞に出す人の歌をときどき見ているんですが、受け持ったみなさんの歌の能力の向上がすさまじいです! 年にひとりしか選ばれない短歌の賞で、アドバイスした人が上位入選したり、受賞する確率がとても高いのです!

いままでこっそり教えてきたのですが、最近、私ならこう教える、みたいな「「やり方」というか「言語化」がうまくなってきたので、一度真剣に試してみたくて、生徒さんを大募集しています! 短歌の魅力を文章でいっぱい書いてしまいます! 多分、ですが、【ここまで深くは誰も教えたことがありません】!!

短歌って不思議なジャンルで、自分がたのしいと思ったこと、悲しいと思ったこと、悲喜こもごも、いろんな感情をうまく言葉に乗せると、人それぞれで違いますが、読む人によっては「ふかく感じて」大きな感動を呼ぶことがあります!!

まったく短歌が作れないという方も、いつのまにかプロ真っ青な、自分が思った通りの短歌が出来ている。自分の気持ちがみるみる言葉になる楽しさを、日本語で感じてもらいたいと思っています!

プラス、歌だけではなく、日本語の使い方というか、もっと深いところで日本語能力が向上したり、読む力が増してたり! そんなハイパー講座です!!

(前回の記事が気になった方は、ぜひこちらを御覧ください!)↓

書く人は私、西巻真といいます。未来短歌会という日本で一番大規模な短歌結社のひとつで、史上はじめて結社が発行している3つの短歌の賞を全部受賞した歌人です。

未来賞(毎年1回、20首公募)
未来年間賞(1年提出した賞のなかで優れた人に推薦される)
未来評論・エッセイ賞(優れた評論に推薦される)

普段から、日本語には凄い敏感で、友だちとかに教えても、「え、こんなことできるの?」と真っ青な顔されます。

でも他のことは全くなにも出来ず、文章を書くことや短歌を教えること以外は、実はなにも出来ません! 生活してるとこちらが真っ青になります…。よろしくおねがいします。

いまは現代語ですが、第一歌集は古典文法に基づいた文語で歴史的仮名遣いの歌集でした!

うちにすこし在庫があったのでお売り出来ます!

Amazonです。


あと、ぼくは「先生」ではありません!
弟子をとれるような「状態」でも「格」でもまったくないので、「先生」と呼ばないでください。実は「先生」は短歌の世界では責任が伴うことばです。ちょっとそれはいま背負えないです。

時々、ピッチャーコーチみたいに、コーチと呼ぶ人がいますが、それがニュアンス近いかも。歌を見て、どういう気持ちでつくったか先を見通して、自分では意識してない「癖」をあらいだして、うまく感情を言葉に乗せます! 短歌という韻文のワンポイントコーチです。

フランクに「西巻さん」とよんでください!

ということで、さっそくはじめてみましょうーーーー!!

まずはじめに注意事項です!


短歌という形、ならったことあると思うのですが、ルールは57577だけです! 定型とかいいますが、これが以外と難しいです!!

多くの人が、短歌を作るとき、指折り数えて5・7・5・7・7ってやってます。すごい不自由な感じがしますよね。

これから私たちが扱う短歌は、「韻文」といいまして。
いつも使っている文章(散文)とは全然違うものです。

韻文には57577というリズムがあるから難しいとか、いろいろ不自由なことがたくさんあると思われると思うのですが、実は意外とそんなことはありません。

実は、多くの人が書いている普通の作文のような散文の文章も、いいものは絶対自分なりのリズムがあります!

ただ多くのひとが、自分の文章のリズムとか、散文のリズムなんて全く気づいてません!! 短歌は同じ文章ですが、自分がいつも書いている文章をそのまま57577に当てはめてみると、「あれ、違うな?」という感じになると思います。

「やったことがない」ということで、文章に自身のない方は、指折り数えてしまうかもしれませんね。

実は57577の形は、自分のいつもの文章のリズムを目立たせるためにある! と考えてみてください。

だから、指折り数えるイメージよりも、もしむずかしければ

「いつもの文章のリズムで、なるべく自然に見えるような30音~40音程度の文章を書いてみてください、そこから57577の形に持っていったほうが自然です!」

と教えています。

そうすると、自分がこうやりたいという思い、だけでなく、自分の普段の文章の癖とか、考え方の癖とか、ものの見方の癖とか、いつもとちがうのでめちゃくちゃわかります!!

自信を持ちましょう。短歌は全く普段の文章とは違うとは思いますけど、同じ文章ですから、日本語ネイティヴのみなさんが全然出来ないなんてことはありません。ほんとはできる能力があるんだけど、周りのひともやらないし、普段まったくやってなかったので忘れてるだけです。

あの芥川龍之介も、坂口安吾も太宰治も、短歌はふつうに読み書きしてました!

実は小説と一番相性がいいジャンルだったりします。相補的なんです!

まず、自分がものごとをどう見ているかのトレーニング、いつもの生活にプラスアルファのトレーニングと思って、やってみてくださいね。では第一回目、やってみましょう。

 第一回:「もの」と「こと」に注意!


今回のお題は「旅」または自由詠です!

(行楽シーズンですねー。お題は読み込み必須ではありません。テーマです。)

さて、旅や旅行というと何を思い浮かべますか?

お土産のおまんじゅう? 温泉? 記念きっぷ? 旅行かばん?
楽しかった旅の思い出、あのときに奈良へ言ったなあ、とか。鹿見たなあとか。いろんな思い出が連想されてくることでしょう。

実はここが一番短歌とふつうの文章が違うところなのですが、ぱっと見で旅行とわかる「できごとフレーズ」は、あんまり良くないことが多いです。

実は普通の文章(散文)はこういうお題にそって、連想ゲームというか、ぱっと思い浮かぶことを思い浮かべても、全然だいじょうぶなんです。だって字数が多いですからね。Xだって140字。感想文は400字詰めで3枚書けば1200字。いろんなできごとをたくさん思い浮かんだほうが逆に有利になるときがあります。

しかし、短歌は31文字。
字の数がそもそも全然少ないです!!

普通の文章と違って、◯◯旅館で温泉まんじゅうを買った、みたいな自分の気持ちを込めた思い出の説明では、字数的に入りません! しかも、57577という、最初は慣れない短歌独特のリズムです。そのなかで二つも三つも思い出を書ける自信、ぼくにもありません!!

・最初は、自分が思った渾身のアイデアをひとつ! こころをあらわす「もの」は一個です。こころをこめるのは1つのモノだけに絞ってください!

そしてさらに大事なことです。

短歌はおおっ!となるか、うーん…。となるかです!

多分ぼくら歌人は、短歌をパッとみで判断します。あんまり意味とか気にしてません。

「おおおっ!」なのか、それとも、「うーん…なんかいまいちピンと来ない」か。ですかね。

いいか悪いかはありません。おおっ!か、うーん…。か。しかないです。

いいね、ってぼくが言ったら、正しいね、って意味じゃなくて、おもむきあるーという意味だと思ってください。

これはXに似てますよね。だって「正しいからイイね」って押してるわけじゃないですよね。おんなじです!

昔は短歌の世界では、「おもむきがある」って言ってました。趣(おもむき)です。しみじみとした趣、ほんわかした趣、うきうきした趣。なんでもいいんですがおもむきあればだいだいOKです。いまは「趣味」なんていいますが、これは訓読みすると「おもむきを味わうこと」になります。

1個の「もの」でそんな「感じ」とか「趣」がつたわるように、その時に自分が感じた気持ちが、なんとなくきれいに見えるような「感じ」で書いてみましょう!!

なるべく人とは違う「もの」(道具)を用意しましょう!


簡単に言うと、短歌は募集する媒体の規模にもよりますが、新聞とかテレビのやつだと1000首くらい普通に来ます!

そのなかからそのお題で目立つのは簡単なことではありません!!

だから、まず「思いつくもの」(道具探し)の時点で、変わってそうな道具を選んでみてください!!

ハイキングに行ったとしたら、ハイキングたのしかった! だけで歌を作ったら、まずあんまりえらばれないです。

なんかユニーク。ヘンなもの、これ旅行? みたいな道具を探すこと。それこそが趣(おもむき)に繋がります。

ハイキングという「できごと」で、

思いを込める「渾身の道具」を必ず一個用意しましょう!

ハイキングにいったあとの靴とか、靴の裏についていた苔とか。
そういうの、全部いい「おもむき」です!! ハイキングコースって書いてある「案内板」とか、「石碑」とか、むしろ「出口こっち」の矢印の先とか。

そういうものにこころを乗せて読めるのが、短歌のおもしろいところです!

こころを乗せましょう!

・先週のとても楽しいハイキングパパもママも一緒だったよ

これは短歌というか、韻文ではあんまりイマイチです…。5W1Hはいい道具にならないことが多いです。「先週」とかメインの道具になりません。「誰と一緒」もメインの道具じゃないんです。楽しいは、気持ちを表す言葉。ハイキングも、できごとなんでメインディッシュじゃないんです――。

ハイキングシューズの底についていた丹沢の土が旅のおみやげ(作例)

長旅のあとのポーチを開けてみる あれ?これ京都のもみじかな(作例)

あんまり自然な感じの歌じゃないですが、どっちも、「楽しい旅の思い出が、実はいまも残ってた」って感じで、「もの」に託して作ってみました!

こんな感じが短歌かな?

どうたのしかったのか? を、なるべく「たのしい」って言わずに、作者であるあなたのものの「見方」で、知りたいんですよね―。

だから、旅行の楽しかった思い出だけではなく、そこで見つけた「道具」に感じた気持ちを私たちにもおすそ分けさせてください。そんな「おもむき」とか「感じ」をなんとなくあらわしてみてくださいね。

旅先のあなたから来た絵はがきにさくらいろの付箋を貼りました(作例)

今ぱぱっと思い浮かびましたが、これ、短歌ですよね。きもちはどんなきもちかというより、なんかうっすら気持ち感じるかなー。みたいな感じ。でもよんでて気持ちいいなあ、みたいな感じ、かな?

言い換えて整理します!

短歌はそもそも「子どものころやった遊び」みたいなものです。

思い出やできごとを、喜怒哀楽のような感情をこめて、「「もの」に見立てて読者に差し出す」遊びだとイメージしてみてください。

ぱっと差し出して「おおっ!」となる。それが「粋(いき)」というか「乙(おつ)」な感じなんですよね。

だから遊びで必要なのは、まず「見立てるもの」というか、準備するための1つの「道具」。それは言葉ですから、用意できます。そこにあと、どんな気持ちを託すか、というなんとなくの気持ち。

そんな設計図があるもんじゃありません。結構もやもやもやっとファジーな感じなんです。

だからあんまり意識してやらずに、なんとなく書いてもらって大丈夫です。
日常生活にちょっとうるおいをもたらす「手遊び」だと思ってくださいね。              

いかがでしょう。そろそろやってみたくなりましたか?

たくさんの「おもむきー」「あじわいー」を目指してがんばってくださいね。

では、ここでどーんと短歌を募集しちゃいます。

経験者の方も初心者の方も他ジャンルの方も、推敲希望、添削希望、意見のみ。いろいろご相談自由に受け付けますので、1首、というか1案だけ。コメント欄に送ってください。投稿される方は、スキやシェアも一緒にお願いいたします!

(煮たり焼いたりしますけど、特に推敲しないで意見だけ、とか、是非意見だけじゃなく改作例くださいとか、ご希望ある方はお書き添えください

注意事項

※目についた歌は本文に引用させていただきます。著作権はもちろん皆さんですが、他の入門記事や私が書く文章に、コーチの西巻真に、作者名明記の上、あらかじめ短歌を引用する許可を与えることに同意できる方のみ、お願いいたします。(こちらでたとえば「こここうしたら」みたいなアドバイスがありますが、そういう改作案とかも含みます)

ベスト3の方は確実にお名前つきで引用されますので、楽しみに待っててくださいね―!


あとここに出した歌は既発表扱いになっちゃいます!
投稿を狙っているひとは気をつけて。

ここで学んだことを次の投稿へ活かしましょう!!
あなたのこの短歌ではなく、あなたの次の短歌をうまくすることもこの講座の目的です!

意外と意識してないですが、「いまこの歌を完璧に仕上げなきゃ」なんてことないです。よく競馬みあいな賭け事でも「この一回絶対当てなきゃ」みたいに毎回毎回血走った目で考えてる人多くないですか?

じつは賭け事で一番大事なのは、「この一回絶対当てなきゃ」ではなく、「三回のうち一回、どれかあたればラッキー」みたいな感じで作戦を立てることだったりします。

だから、この講座は「当てなきゃ」という講座じゃないです。
むしろ、投稿のうちの「三回の一回」のどれか一個を大当たりするための講座だと思って気楽にだしてください。

ただ、リラックスするのも大事ですけど、舐めずに集中するのも大事。短歌はすぐ「こころが見える」ので、舐めてるなーってすぐわかります! プロの表現者は、遊びでもめっちゃ集中します。毎回の表現に集中するのも大事です。             

57577ができない方は、無理に57577にする必要ないです。どうしてもできないときは、1つのモノ、それに感じた気持ち、それをふまえて大雑把な40文字くらいの文章で出してくれて大丈夫です!

あと、57577にしてみたけど、作品のほか、ここが不安・こんな意味ですよというところを文章で書いてくれてもいいです! ほんとに経験のない方で最初のうちは不安という方は、不安な気持ちを文章にしてくれて不安じゃなくやっていただいたほうがわたしも気持ちいいです。

もちろん、経験者、腕に覚えがある、他ジャンルのプロ、その他自作の解説なんてダサい。と思う方は、1首(1案)だけ。コメント欄に潔くかいてくださ―い。

文語・口語・どっちも見れます! 新仮名・旧仮名どっちも大丈夫。
ただ、仮名遣いは「新旧」どちらかに統一してください! 旧仮名の方は必ず(旧仮名です)って書いてくださいね。

あと、最近は口語だけどちょびっと文語をつかう「文語口語ミックス方式」も、流行りました。これもOKです。

締切はどーんと1週間。

10月8日(火)00:00までです。時間でチェックしているので、こちらを過ぎた改作や投稿などは、ごめんなさい。不採用です。すぐコピーして、もう記事を書いちゃうので、スムーズな進行にご協力くださいませ!

逆にいうとそれまではコメント欄を見ませんので、自由に投稿を編集して改作してもらっても大丈夫です。自由にコメントしてください!

10月はなるべく多くの記事が書けるようにがんばります。3回、できれば4回目指して書きますので、早めの進行にご協力お願いいたします!!

投稿受付はこちらです!

ペンギンをクリックしてください!!

投稿はこちらへ↑


11月から講座どうするの?


ていう人いると思いますが、
…実はこれ、私もいま考え中なんです!!

ほんとうはその人にみっちり「コンサルティング」みたいな形でマンツーマンで「短歌のおもむき」を教えるほうがぼくも楽なのですが、あまりにも多くの「やりたい」という方が殺到してきた場合、この方式ができなくなってしまいます。

(塾講師時代に経験した国語についての考え方を御覧ください! 結構国語力ってあげるの大変です!!)


その人の考え方とか癖って人によると思うので、一つとして同じ言葉が体に入るとは限りません。でもコンサルティング形式は「作者の負担」がでかいかもとか、依存性がますかも、みたいに、いろいろメリット・デメリットを考えています。

あと教えるネタはつきません。

発見(見立て)の見つけ方
仕立てのしかた(作り方)
仕上げのコツ(推敲)

といろいろあるのですが、これも得意不得意がたくさんあります!
文章で書いて体系立てて習ってもらう「ブログ制」のメリットもたくさんあります。

だから、とりあえず10月は無料でコメント欄でやるって決めて、その後どうするかは、おって考えたいと思います!! どのくらい投稿してくれる人がいるかどうかも、わかりませんしね!!

目覚せ、おもむき名人!!
よろしくお願い致します!!

よろしければサポートお願いします!! あまり裕福ではないので、本代のたしになるだけでも嬉しいです!