見出し画像

日本のデジタルリテラシーが向上しない根幹の要因と海外の先行事例を整理してみた

ここあんです。どうもです

デジタル技術はどんどん進化しています

世の中の生活にはスマートフォンが切っても切り離せない時代になってきました
情報や決済、運転ですら人の手を介さなくとも成立することが考えられる状況です
ChatGPTに代表されるようにAIとの共存すらも考えていくべきphaseに来ているともいいます

デジタルは今後もますます重要な役割を果たしていくと想定されます

しかし、そんな中で日々IT領域のビジネスに触れていると、日本のデジタルリテラシーの水準が他の先進国に比べて圧倒的に低いのではないかという問題にぶち当たる時が数多く存在します

今回は、このデジタルリテラシー、ITリテラシーが高まっていかない根本的な要因は何か

なんとなく想像はできていたのですが、自分なりの考えを整理したことがなかったので、ちょっとだけ調べ始めてみました

あくまで現段階の個人的な見解ではありますが、根本的な課題感は以下の4つになるのかなと考えています

課題感❶ 高齢者のデジタルリテラシーが向上しない

高齢者のデジタルリテラシーの低さ
これについては一番よく話題になることなのでもはや驚きはないものの…

日本はそもそも高齢者の人口の割合が他国より高い意味でもこの問題が表面化しやすいという構造上の問題もあるかもしれません

高齢者はデジタル技術の普及に追いつくこと
今までの生活のスタイルを変えること

ここらへんが難しく、インターネットやスマートフォンの利用に対して抵抗感を持つ傾向があります

厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者のうち、インターネット利用経験がないと回答した割合が約60%(※1)にも上ることが明らかになっています

※1  厚生労働省, "高齢者の情報通信技術利用に関する調査"

紙や電話でのコミュニケーションに慣れ親しんだ年代からすると、インターネットの活用へのハードルは高い点や老眼などによって液晶画面を長時間活用することが難儀な点などがもありますが、そもそも理解することが難儀な環境、高齢者のWeb活用をサポートするような支援体制は未だ不十分な理由も入ってくるかと思います


課題感❷ 教育システムが与える負の循環

デジタルリテラシーの育成において根本的な問題の1つは日本の教育システムにあるといいます

教育現場でIT教育を行う環境的な面の充実度が低いこと
学校のカリキュラムにおいてもデジタルリテラシーを網羅的に教える機会が不足していることが要因の一つとのことです

シンプルに学ぶ環境を整えられない問題

それは教える側の不足も含め、根幹的に改善が必要な領域のようです

OECD(経済協力開発機構)という機関の調査では日本の学校でのデジタルリテラシー教育の実施率は他の先進国に比べて低いとされています


課題感❸ デジタル格差と地域の問題

日本では地域によるデジタル格差も大きな要因となっています

都市部では充実したインフラストラクチャーが整備され、高速インターネットが利用可能な環境が提供されています

ただ、地方や離島などはどうかというと、一部の地域ではインターネット接続の遅さや不安定さが問題となっているようです

私自身も地方の出張などでこの問題に直面したことが何度かあります

そうはいっても、直近は通信網も含めインフラ面の整備もかなり広がってきたように思えますが、見えないところで首都圏などと比較すると圧倒的な格差になっていて、根本的なインフラ面をベースにデジタルに触れ合う環境的差が出てしまうことは中々解消されない世界観なのかもしれません

また、高速インターネットの料金が高額であることも、デジタル格差を助長しているとのことです

総務省の調査(※2)によると、地方においても高速インターネットの普及率は低く、接続速度も都市部に比べて著しく低いことが示されています
※2 引用: 総務省, "高齢者のICT利活用に関する調査"


課題感❹ デジタルネイティブの不足

デジタルネイティブ世代(デジタル技術に親しんだ世代)が日本においても他の国と比較して少ないという事実も、デジタルリテラシーの低さの要因となっているようです

日本ではそもそも若年層の間でも、デジタル技術に対する関心や習熟度が低い傾向があるとのことです
これは、❷の学校教育におけるデジタルリテラシー教育の環境不足による影響とのことですが、その上で、国民の割合としての若者の母数の問題も尾を引き、国全体のリテラシーが低い状態が成立してしまうようです

これによって若者の発言は、活動が社会全体に波及しにくい構造ができあがり、結果としてデジタル技術の浸透やその先の発展に紐づきにくい傾向があるようです


といった形で、
高齢者のリテラシーをあげていく点での課題、若者自体への環境提供、地域や年齢といった人口分布の問題がより問題の大きさを加速させている傾向があるのかなといったのが、現在の理解です

そんな課題感が蔓延する日本とは別に、海外には高齢者がデジタルを活用し、その世界観を実現している国々が存在します


【他国の例】高齢者のデジタル活用が進むスウェーデン

たとえば、スウェーデンは高齢者のデジタル活用が進んでいる国の一つ

その要因の一つは、高速かつ安定したインターネットインフラストラクチャーの整備とのこと

スウェーデンでは国内のほぼ全域で高速インターネットが利用可能であり、地理的な制約が少ないため、高齢者もインターネットを利用しやすい環境が整っているようです

また、スウェーデンでは高齢者向けのデジタル教育プログラムが積極的に展開されています

自治体や団体が主導となって、高齢者に対してインターネットやスマートフォンの基本的な操作方法や利用のメリットを教える取り組みが行われています

これにより、高齢者のデジタルリテラシーが向上し、デジタルの活用が進んでいるのではないかと言われています

※以下は今回調べるにあたって参考にした記事です


【他国の例】シンガポール政府の積極的なデジタル化政策

シンガポールも高齢者のデジタル活用が進んでいる国として知られています

その要因の一つは、政府の積極的なデジタル化政策

シンガポール政府は「スマートネーション」を掲げ、高齢者も含めた全ての市民がデジタル技術を利用できる環境を整備しています

具体的には、高齢者向けのデジタルスキルトレーニングプログラムの提供や、デジタルインフラの整備などが行われています

さらに、シンガポールでは高齢者向けのデジタルサービスやアプリケーションが積極的に開発されているとのこと

たとえば、健康管理や医療サービスの利用、オンラインショッピング、コミュニケーションツールの活用など、高齢者が日常生活で必要とするさまざまな領域においてデジタルを活用することができる環境が整備されています


【他国の例】フィンランドにおけるデジタル教育システムの導入

フィンランドは高齢者のデジタル活用が進んでいるモデル国の一つです。その要因の一つは、包括的なデジタル教育システムの導入です

フィンランドでは学校教育の一環として、子供から高齢者まで幅広い年齢層に対してデジタルリテラシー教育が行われています
学校や図書館、地域センターなどでのデジタル教室やワークショップが普及し、高齢者もデジタル技術を学ぶ機会が提供されています

さらに、フィンランドではデジタルサービスの利用を支援するための政府の取り組みも進んでいるとのこと
たとえば、高齢者向けのデジタルデバイスやアプリケーションへのアクセス支援や、デジタル技術を活用した公共サービスの提供などが行われています

これにより、高齢者がデジタルを利用することが身近で容易になっている為、前述のとおりデジタル活用が進んでいるモデル国として位置付けられているといった感じです

こうやって参考にされるような仕組み作りに成功すると、スタートアップ企業に海外からの投資が来やすくなったりと好循環が生まれていくようです


■まとめ

上記の3か国に共通しているのは、国のDX化はやはり政府主導で進んでいること

ある特定の企業が世界的に成功するだけでは成立しないのがよくわかります

もちろん、各国ともに調べているとデジタル化に成功しただけとは言い切れません
もちろん弊害は発生しているのも事実

デジタル化の波に懸念を示すような国民はもちろんいる中で、ここまで推進をしてきているといった形でしょうか

ただ、今後の未来においてデジタル領域の発展に着手できた国にお金が集まってくるのも事実

将来を考えて少し割り切った政策や施策の実行が国としても、企業としても求められる時代になってきていることを無視できません

様々なビジネスシーンでDX化やデジタル視点での懸案事項に向き合うと、台湾のオードリー・タンさんの掲げる「誰も置いていかない、取り残さない」DX化は確かに日本の人が目指そうとする道のひとつかと思います

ただ、そこにも政府の介在があってこそ成立している世界
天才がただ1人輩出できても勝手に全体に波及するわけではないことを先立って教えてくれています


今、日本ではDX化を推進する動きや風潮が少しずつ膨らんできています

ただそれは企業それぞれが自主的に努力をして世界観を変えられたらいいな、効率化できたらいいなという程度にすぎません

このまま放っておくと、よりデジタル領域の格差社会が広がり、企業も国も割り切りができない状態にくる未来が待っています

そして、他国の世界観に圧倒的な差を見せつけられることとなります

個人的にはそこにガラパゴスな思考を入れるという手もありそうな気がしますが、経済面での発展に欲を持たない割り切りを国として選択できる気もしないのが所感です

少なくとも、他国・他者の営みにおいて参考にできることはとにかく手をつける
自国に合うか合わないかをトライ&エラーをする

アジャイル思考のアクションを許容する社会を作ることを宣言してみてはどうかとは思ったりしています

それもまたハードルは高そうなのはわかっていますが…

みんなが素敵な未来を願っているのは事実

旗振りひとつで進む道は変わってくるはずです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?