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腐女子だと誤解され続けた結果、私はスポーツアニメを見なくなった

おお振りが好きだったオタク初期の話

今でこそラブコメアニメとギャグアニメばかり見ている私だが、初めて視聴した深夜アニメは『おおきく振りかぶって』であった。

当時の私は高校野球を見るのが大好きで、甲子園のない秋冬に高校野球欠乏症(なんだそれ)になり、「高校野球アニメでも見てみるか」と思い立ったのが、おお振りを視聴するきっかけであったと思う。

おお振りは、試合展開を1球1球描くのがなによりの魅力である。
弱小チームである西浦高校野球部がなぜその試合に勝ったのか、はたまた負けてしまったのか。
ご都合主義的な展開がほぼなく、戦術や駆け引きなどが丁寧に描かれているところが好きだと感じていた。

しかしおお振りが好きだとオタク仲間に話すと、決まって最初に振られるのが「推しCPは?」などのいわゆるBL話であった

私は、腐女子ではない女オタクである。
そういった趣味を否定する気持ちは毛頭ないが、もう十数年オタクを続けていて腐女子にはならなかったので、自分自身が今後腐女子になることはもう多分ない。

しかし、「私は腐女子ではないので、おお振りを読むときにそういった楽しみ方をしているわけではないんです」とはっきり伝えても、「そうなんですね」と引き下がってくれる人は正直なところあまりいなかった。
「BLに目覚めた方が、もっとおお振りを楽しめる」「腐要素抜きでおお振りが好きな女オタクとか、冗談でしょ」などといった言葉を、幾度となくかけられた。
そういったことを言われるたびに、「私が男オタクだったら、単純に『野球漫画が好き』で済んだのだろうか」などと、寂寥感が芽生えていった。

実際スポーツ漫画を腐的な目線で楽しむ女性ファンが大勢いるのは客観的事実で、腐女子であると誤解されるのは100歩譲って仕方がないと思う。
しかし、腐女子であることをを否定した時点で、引き下がってくれる人があまりにも少ないのはなぜなのだろう…。

こうした周囲のオタクの反応に嫌気がさしていき、次第にモヤモヤした気持ちと折り合いがつかなくなった結果、数年前私はあんなに大好きだったおお振りを全巻売り払ってしまった。

スポ根って面白い!

オタク歴が長くなるにつれ、私は無意識のうちにスポーツアニメ(特に、男性キャラがたくさん出る作品)を避けるようになっていた。
ここ数年で見た男性キャラが多いスポーツアニメは、原作小説の大ファンであった『風が強く吹いている』1本のみであったと思う。

また『ウマ娘プリティーダービー Season 2』を見て、改めて「スポーツアニメって面白いよなあ」と感じたのだが、あくまでもウマ娘は女性キャラがメインのアニメ。

今後スポーツアニメを視聴するにしても、女性キャラメインの作品なんだろうなあとも思っていた。
(女性キャラが多い部活ものは、個人的に苦手なドロドロ展開になりがちなので、それはそれでまだ苦手意識はあるのだが、話がそれるのでその辺は割愛する。あと多分、『灼熱の卓球娘』は今見たら絶対ハマりそう。)

声優と知人きっかけで、アオアシ第1話を視聴

なんだかんだでウマ娘2期以降、スポーツアニメを視聴する機会はなかったのだが、そんな私に転機が訪れる。

推し声優(最近そこまで熱心に推せていないが…)の1人である小林親弘さんが、主要キャストとしてサッカーアニメ『アオアシ』に出演することが発表された。
また奇しくもその『アオアシ』のアニメは、大学時代所属していたサークルの後輩が制作に携わっていた。

しばらく敬遠していた、男性キャラメインのスポーツアニメ。
しかも題材は、これまで個人的に観戦趣味があった野球や陸上ではなく、サッカー。
何度オフサイドの説明をされても、いまだに理解することができていないサッカー。

「親弘さんがメインキャラで出演していなかったら、知人が制作に携わっていなかったら、絶対に視聴していなかっただろうなあ」。
そんなことを思いながら、1話をリアタイ視聴した。

ガチガチのサッカー素人なので、1話時点ですでに分からないサッカー用語もちょくちょく出てきた。
しかしそれは裏を返すと、アオアシという作品が戦術・技術面の描写が細かいということでもある。

私はおお振りが好きだった。
細かな心理描写に定評があり、ほぼ全ての打席結果が分かる、おお振りが好きだった。
原作未読でアニメを1話だけ視聴しただけなので断言はできないし、こういう表現は嫌う方も多いと思うが、「アオアシは、サッカー漫画におけるおお振り的な立ち位置の作品なのかな?」という印象を受けた。

普段見るような系統のアニメではないということもあり、正直当初視聴意欲はそこまでなかったのだが、現在は早く2話が見たくてたまらなくなっている。

腐女子だと誤解され続けた結果、私はスポーツアニメを見なくなった。
そんな私でも、また好きだと思えるスポーツアニメに出会いたい。
アオアシが私にとってそんな存在になることを、心から期待している。

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