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代わりようのない人生、あなただけのもの

久しぶりに、女の子たちとの日々について綴る。

相変わらず何人かの女の子たちと交流を続けていて、そのなかでしみじみ人生の多様さに思いを馳せている。大人の身勝手さによる皺寄せを受けて、子どもらしくあれぬまま育った子が多い。背負いすぎて生きてきた分、赤ん坊のように縋って甘えてくる子もいれば、妙にドライに身の上を振り返る子もいる。当然、全員、違う。

「親のせいでこうなった」という言葉に頷く。そこに嘘はないし、本当にそうだと思う。ただ、生き抜くために選んできた術が、彼女たちのスキルや聡さに繋がっていることもまた間違いない。求めて習得した諸々ではない、嬉しくもなんともないだろう。けれどいつかサバイバルの日々で身につけてきた生きる力を、ひとつの強みとしてポジティブに発揮できる時が来ると良いなと密かに思う。無責任だろうか。

出会ったばかりの女の子が、これまでの人生について私に語ったあとで、「こんなのありえないでしょ、こんな子いないでしょ」と寂しそうに言った。

私はちょっと迷って、「よく凌いできたね」と答えた。かなしいかな、彼女と類似のしんどさを抱えた子たちとまあまあな頻度で繋がってきた。大抵心がずたずたになった状態で、思春期を超えていく年頃の女の子がひとりで乗り越えたとは信じられない修羅場をいくつも迎えていた。「こんな子いないでしょ」の問いには「たくさんいるよ」とも答えられた。でも人生は人の数だけある。あなたは確かにあなただけ、こんな子他にはいないよ。

問いの始まりは切ない想いだったとしても、いつか「私の痛みもよろこびも、私だけのもの」と心底腹落ちできるようになってくれたらいい。親のコントロールは不要、それは年齢を重ねたからではなく「あなたがあなたという人間だから」そう生きる権利があるのだと、新しい出会いの中で気がついてほしい。他人が人生を代わってくれることはない、その事実に安堵してもっと笑えるようになるまで、隣でちょっとお手伝いをさせてもらう。いつでもおいで。一緒にごはん食べよう。

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