北斗星5・6号(1990年代・JR東日本編成)を組む
北斗星のJR東日本編成である、定期3往復時代の北斗星5・6号の整備を進めます。なお、2往復化の際に北斗星3・4号が臨時化されて旧北斗星5・6号が北斗星3・4号になっており、実際は1往復化される2008年3月までの北斗星3・4号も同じ編成となります。
簡単な解説
北斗星は1988年3月のデビュー直後から、定期2往復、臨時1往復の3往復が運行されており、定期列車としては北斗星1・2号をJR北海道が、北斗星5・6号をJR東日本が担当していました。北斗星3・4号はというと、オールB寝台の季節臨時列車としてJR東日本が担当していました。
当時の青函トンネルブームは凄まじく、北斗星のチケットはいわゆる「10時打ち」をしてもなかなか取れないぐらいに即完売してしまう状態が続いたため、1年後の1989年には北斗星3・4号を定期化し、JR東日本とJR北海道がそれぞれ担当することになります。
この北斗星3・4号向けに車両を増備するにあたり、ロビーカーがJR東日本車の仕様である全室ロビーカーだったり、ロイヤル・ソロでは居住性で優位があったJR北海道車の仕様を採用しロイヤル個室を中央に配置するなど、JR東日本の編成にJR北海道車の仕様も一部採用する折衷案的な編成になりました。珍車と言われる車両はこの頃に多く落成し、北斗星3・4号を中心に組み込まれることになります。
また、北斗星1・2号にはロイヤル・ソロが、北斗星5・6号にはロイヤル・デュエットが連結されていなかったため、同時期に増備を行い1990年7月には全編成が12両編成となりました。
その後、1990年代後半になると青函トンネルブームが落ち着き旅客数が減少してきたため、1999年3月に北斗星3・4号が再び臨時化され、北斗星5・6号は北斗星3・4号となりました。JR北海道は同時期までに全個室化の改造を行っていますが、JR東日本車ではこのような設備の変更などは特に行われませんでした。
ただ他方ではE26系客車を新製し、1999年7月16日に豪華寝台列車「カシオペア」としてデビューさせていますので、それもあっての北斗星は現状維持という判断だったのかもしれません。
2004年から2007年には、余剰となっていた個室車のツインデラックス、ロイヤル・ソロ、ロイヤル・デュエットの3両を2号車〜4号車にも連結した豪華編成を、閑散期である4月から7月の間に運行するようになります。
この豪華編成の運用も2008年3月のダイヤ改正で北斗星が1往復に縮小されることを期に終了。さらに1編成内でJR北海道とJR東日本で分けて担当することになったため、純粋なJR東日本編成は消滅しました。
が、2015年3月の定期運行終了後、JR東日本の車両だけで組成した臨時北斗星が運行を開始します。これは、閑散期に運転されていた豪華編成での復活となりました。そのまま臨時列車として走り続け、2015年8月に臨時北斗星も運行を終了しました。
編成例
3往復時代の北斗星5・6号の編成は以下のようになっていました。今回、編成端となる1号車のオハネフ25はセットの都合で0番代にしましたが、JR東日本編成は200番台が入ることも多かったみたいです。
なおこちらで紹介した編成は、3往復時代の北斗星3・4号や2往復化後の北斗星3・4号とすることもできますが、前者の場合は9号車のオロハネ25-502をオロハネ24-501に変更したほうがより「らしく」なり、後者の場合はカニ24-510は2000年にカヤ27-501へ改造されてしまっているので、カニ24-504〜509に変更する必要があります。
北斗星5・6号(1989年7月〜1999年3月)
全てJR東日本の尾久客車区(東オク)所属車で組成されていました。
進行方向は、1号車側が上野、函館方面、電源車側が青森、札幌方面となり、青森から函館間は進行方向が逆になりました。
※厳密には、1991年3月までは進行方向が逆で、電源車側が上野・函館方面で次位のオハネフを1号車としていて、反対の11号車側が青森、札幌方面となっていました。
オハネフ25-0/200:開放B寝台
オハネ25-0/100:開放B寝台
オハネ25-0/100:開放B寝台
オハネ25-0/100:開放B寝台
オハネフ25-0/200:開放B寝台
オハ25-500:ロビー
スシ24-500:食堂車
オロネ25-500:ツインデラックス
オロハネ25-500:ロイヤル・ソロ
オロハネ24-552?0:ロイヤル・デュエット
オハネフ25-0/200:開放B寝台
カニ24-500:電源車
北斗星5・6号の組成
今回、Nゲージでは北斗星5・6号を以下の車番で編成することにしました。TOMIXの夢空間セットの個室車3両とJR東日本仕様基本Bのセットをベースに単品のオハネフ・オハネといったB寝台車を混ぜて組成します。
1号車:オハネフ25-6 開放B寝台
98704 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)基本セットB
開放B寝台車。車番変更や改造無しで運用された。
製品的には帯モールドが廃止されてより実感的になった。
2号車:オハネ25-28 開放B寝台
9530 JR客車 オハネ25-0形(北斗星・JR東日本仕様)増結用
開放B寝台車。車番変更や改造無しで運用された。
製品的には帯モールドが廃止されてより実感的になった。
<車両紹介・整備記録は後日掲載予定>
3号車:オハネ25-10 開放B寝台
9530 JR客車 オハネ25-0形(北斗星・JR東日本仕様)増結用
開放B寝台車。車番変更や改造無しで運用された。
製品的には帯モールドが廃止されてより実感的になった。
<車両紹介・整備記録は後日掲載予定>
4号車:オハネ25-229 開放B寝台
9532 JR客車 オハネ25-100形(北斗星・JR東日本仕様)増結用
開放B寝台車。車番変更や改造無しで運用された。
200番台ならではの細窓。製品的には帯モールドが廃止されてより実感的になった。
<車両紹介・整備記録は後日掲載予定>
5号車:オハネフ25-9 開放B寝台
9529 JR客車 オハネフ25-0形(北斗星・JR東日本仕様)増結用
開放B寝台車。車番変更や改造無しで運用された。
製品的には帯モールドが廃止されてより実感的になった。
6号車:オハ25-504 ロビー ★
98704 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)基本セットB
全室ロビーカー。1989.3.31改造。種車はオハネ25‐37。
JR東日本の全室ロビーカー全4両のうち、唯一電話ボックスが洗面所の位置になった姿を再現。特定車番。
7号車:スシ24-507 食堂車
92397 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・混成編成)基本セット
食堂車「グランシャリオ」。1989.3.30改造。種車はサシ489-7。
テーブルランプは傘型。
8号車:オロネ25-504 A2
92792 JR 24系25形特急寝台客車(夢空間北斗星)セット
ツインデラックス。1986年改造。種車はオハネ25-233。
2023年秋再販の夢空間北斗星では帯モールドがなくなるらしい。
9号車:オロハネ25-502 SA1・B1
92792 JR 24系25形特急寝台客車(夢空間北斗星)セット
ロイヤル・ソロ合造車。1988.3.8改造。種車はオハネ25-27。
10号車:オロハネ24-552 SA1・B2
92792 JR 24系25形特急寝台客車(夢空間北斗星)セット
ロイヤル・デュエット合造車。1989.6.11改造。種車はオハネ24‐8。
11号車:オハネフ25-221 開放B寝台
9531 JR客車 オハネフ25-200形(北斗星・JR東日本仕様)増結用
開放B寝台車。車番変更や改造無しで運用された。
200番台ならではの細窓。製品的には帯モールドが廃止されてより実感的になった。
12号車:カニ24-510 電源車 ★
98704 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)基本セットB
電源車。1990.10.9改造。種車はカニ24-113。
北斗星唯一の白帯の姿で再現。2000年2月にカシオペア用予備電源車「カヤ27-501」へ改造。特定車番。
組成のポイント
編成としては、JR東日本仕様の基本Bを中心に組成しているので、3往復時代の北斗星3・4号にしても良かったのですが、せっかくなので北斗星5・6号ということにしてみました。
定期3往復時代なので、後にカシオペア用予備電源車に改造されてしまうカニ24-510を入れましたが、北斗星5・6号ということもあって特に特定車番となる車両は他に入れずによくある編成に仕立てました。
うちの北斗星はJR東日本の車両が薄いので、スシやカニが足らないという事情もあるのですが…
ということで、9号車をオロハネ24-501と入れ変えれば定期3往復時代の北斗星3・4号としたり、カニ24-500があれば定期2往復化後の北斗星3・4号とすることもできるオトクな編成になります。
車番も特に実際にあった編成を意識したというよりは、他の編成を組んでみて被らなかった車番を割り当てています。特に、うちにはさよなら北斗星があるので、そこを避ける形で車番を割り当てました。
北斗星5・6号(または2往復化後の北斗星3・4号)を再現するには?
普通に北斗星5・6号を組もうとした場合、手っ取り早いのは「98267 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)基本セット」と「98268 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)増結セット」、単品オハネ3両、単品オハネフ2両を組み合わせる形になります。開放B寝台車は、細窓と大窓を混ぜると良いでしょう。
これであれば、1989年~1999年までの北斗星5・6号、ならびに1999年から2008年までの北斗星3・4号の再現ができます。
セットが無い場合はネットオークションや中古で集めることになりますが、JR東日本の個室車は比較的安価に揃えることができると思います。食堂車、ロビーカー、電源車を探すのは少し大変かもしれません。開放B寝台についても、最新仕様は在庫切れになっているので、2024年7月の再版を狙うか、ネットオークションを探すことになります。
JR東日本の編成は、時代によった変化がほとんどないため、比較的収集しやすい編成かと思います。
余談ですが、オハネ3両を「98268 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)増結セット」の3両と組み変えると、2003年から2007年まで運行されていた閑散期編成を再現することが可能です。しかもこの閑散期編成は、2015年4月から8月まで運行された臨時北斗星とすることもできます。この3両はセットで揃えなくても単品で揃えることもできると思いますので、JR東日本編成を揃えた方は狙ってみてもいいかもしれません。
北斗星3・4号(3往復時代)を再現するには?
同じく3往復時代である1989年から1999年までの北斗星3・4号を再現する場合は、「98704 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)基本セットB」と、単品オハネ3両、単品オハネフ2両を組み合わせる形になります。ただこの基本Bのセットは、JR東日本車にしては珍しい特定車番の車両が多くセット化されたこともありあっという間に売り切れてしまったため、中古でもそこそこのプレミア価格になっています。
北斗星3・4号はJR北海道1編成ずつ担当することになって仕様を近づけた編成だったため、これまでとは異なる仕様の「珍車」と言われるような車両が多く組成されているのが特徴です。
セットが無い場合はこちらもネットオークションや中古で集めることになりますが、特定車番を最低限にしながら「北斗星3・4号」らしく仕立てるのであれば、9号車ロイヤル・ソロの「オロハネ24-501」は必須級になりまが、そのほかの車両については普通の車両でも問題ないかと思います。「オロハネ24-501」はソロの部屋数が10室でオロハネ25-500のソロ12室と差があったため、北斗星3・4号専用といってもいいぐらい運用によく入っていたようです。
そういった事情もありますので、可能であれば基本Bのセットがあると簡単に再現できるのでお勧めではあります。
JR東日本車としては、なかなか再現のハードルが高い編成になります。
あとがき
北斗星車両の整備第三弾として、北斗星5・6号JR東日本編成を整備しました。これまで、JR北海道の車両を中心に整備してきたので、JR東日本の車両をまともに整備したのは初めてでした。
JR北海道車用に作ったデータを流用しようとしても、色味以外にも結構違っていたりして、思ったよりも作り直したパーツが多かったです。
個人的には、自分も乗ったことがあって思い入れというか思い出のあるJR北海道編成が好みですが、北斗星といえばやはりこの流れ星の付いたロビーカーだったり、オロハネ24/25だったりするので、いざ完成するとやはりとても感慨深いものがありました。
これでJR北海道編成、JR東日本編成、夢空間編成と一通りは揃ったので、次は…どうしようかなと悩みますが、ここはいよいよ北斗星最終編成(さよなら北斗星)の室内作り直しに着手しようかなと思います。
当時、なんかよく調べもせずに「外から見て目立つから」と言う理由でテーブルを黄色くしたり、なんとなくロビーカーの床を紫に塗ったりしていたので結構汚いんですよね。エヌ小屋さんの室内表現パーツが泣いていますよ。。これを、今回整備している仕様で改めて作り直します。
開放B寝台の整備に飽きた…というわけでは………あります。単調で疲れるんですよね。B寝台。意外とやること多い割に地味ですし。北斗星1・2号の全個室化前も開放B寝台多いですし、エルムとか開放B寝台しか無いですし。1往復化後の混成編成は候補になるものの、ここで一旦過去の過ちを精算したいと思います。
ということで、個室の多い最終編成を息抜きに整備したいと思います。
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