マブ Love is...

これからこの場所で拙い物語を紡いでいこうと思います。 元売れない•声優、俳優、演出、…

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これからこの場所で拙い物語を紡いでいこうと思います。 元売れない•声優、俳優、演出、シナリオ、ゲームデバッガー。 生きる人たちを表現出来たらいいな。

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summer is transparent

イベントが終わった。 彼女の周りには、それまでのファンとは別の、久しぶりに会う関係者や友人が押し寄せている。 「美佐ちゃん、綺麗になったわね。」 地方のホテルのイベントスペースを使った会場は今日1日貸し切りで、この後は簡単な打ち上げ会場になる。僕はその間に、運び出せる物を車に乗せる係だ。 とは言っても持ち込んだ物は、そんなには無い。 これまでの彼女の著書を並べ、ポップアートを額に入れて飾り付けたくらいだから、充分に終わる。 「このホテルを舞台にした物語、良かったわ。」

    • 思慕一途柳問答 2

      「勇也ぁー!大丈夫!?」 流園と勇也の元に美代が駆けて来た。 「ああ!また物の怪だぜ!」 「えっ!?またぁー!」 「ありゃあ、何だ?首の長くてウネウネした奴?」 「ろくろ首で御座んすね。」 「あーそうだ!あの女ろくろ首だ!」 「女!?今度は女なの?ダメだよ!勇也!」 「へ?何がよ?」 「女の相手はダメだって言うの!」 「いや、相手って物の怪だぜ!?」 「もう女に関わんな!この前のお雪ちゃんだってさあ  ー!もうー!禁止!!」 美代が頬を膨らませて勇也を

      • ゆっくりと再開

        まだ体調の良い時しか書けないのですが、 執筆を再開していこうと思います。 田中康介君のつもりが、やはりまほろばになってしまいましたね。 これも病気ですね。 癖みたいなもので、時代劇の方がサラサラ書ける。 育ってきた環境みたいな。 田中康介君もやりますが、まほろばの一区切りである第三話•思慕一途柳問答を仕上げたい気持ちが強いのもありますね。 まあ体力的に書きやすい方がいいという判断もあります。 相変わらず言った通りにやらない作者ですが、ゆっくりとお付き合い頂けたら幸い

        • 思慕一途柳問答 1

          江戸の町には人足たちが住む長屋がある。 仲間同士で寄り集まって暮らす小さな部屋がズラリと並び、側には川がある。 川の水がまだ井戸の変わりをしている。 その川の前を歩いて行くと大きな柳の木がある。 枝垂れた葉は全て落ちているが、江戸の恋仲が約束の場所に定めるのは冬になっても変わりはしない。 顔立ちの整った一見女と見間違える男が、この柳の下に現れる様になったのも、寒い冬になってからの事であった。 佐納流園。 旅の役者だ。 いや、正確には役者だった。 その美しさを武器に妖艶な

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          ソルトさんへ2

          胡瓜畑攻防戦、完読ありがとうございます! いかがでしたか? 月に濡れる。とはテイストが異なる物語に驚かれたかもしれませんね。 勇也と美代、そしてまほろばの町の人々の物語は10話まで続きます。 早く体調を取り戻して第三話思慕一途柳問答をお届けしたい! この三話までが1ブロックなのです。 引き続き天空凧揚げ合戦もお読みいただけたら 幸いです。 マブ

          ソルトさんへ2

          心理

          思い出した時に ニコりと笑えなかったり 言葉にならない気持ちが湧き上がらないなら それは別に好きじゃないんだよ。 マブ

          雑談寄り道

          「月に濡れる。」主人公•弥助と久納真吾のご先祖様が 「まほろば流麗譚」にはもう出てきていますね。 特に真吾のご先祖様の有り様は、書くかどうかは決めていないあの後の物語、真吾の息子と松方幸のストーリーに影響するテイストを持っています。 ごにょ、ごにょ、、、 第三話のプロットは出来ているんですが、なにせ身体が言う事を聞いてくれません状況で、、 田中康介君の3パートも書ける状態なんですが、、、 もう少しだけお待ち下さい🙇‍♂️💦 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

          とは言え、好きなものだってちゃんとある!

          前コラムにて少し大胆な書き方をしてしまいましたが、好きだと言っているジャンルにも好きはちゃんと残っております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 先ず皆様的には時代劇だと思うんです。 前々から時代劇を書くつもりはなかったとか 時代劇の方がスラスラ書けるなんて 散々言ってましたからね。 時代劇というジャンルは好きですよ! これも繰り返しになりますが、時代劇はファンタジーだと思います。 誤解を恐れず言うならば、何でも有り!です。 化け物が居ようが、不可思議

          とは言え、好きなものだってちゃんとある!

          ご無沙汰してます!

          マブです。 実は病気療養中の身となっております。 来る時は来るもんですね。 しばらくは作品発表が出来ないと思われます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー そんな時間のある中でじっくりと考えてみた所 『僕は実に捻くれてたんだな!💦』 という驚異的な結論に達しております。 どーいう事かと言うと、、、 『僕は1番好きと感じてる物とは今ひとつ反りが合わ  ず、悔しいから似たような反りの合った物に逃げて  、こっちの方が良い物で大好きなんだあ!!と取り

          ご無沙汰してます!

          コンテストなんて僕みたいな者には💦なんて言いながら、せっかくだからと図々しく参加してみる

          創作大賞2024ってのがあると聞いて、ああ僕には関係無いよなあーと正直思ったんです。 だってノウハウがある訳でもなく 経験がある訳でもなく 素人が自分の好み、自分が見たい物語という前提だけで書き殴ってきたんですもの💧 ただ以前に結果よりも参加してみるべき!と言われた思い出がよぎったりして。 そして何より、僕は感想が聞きたいんですよね! 参加したら、こんな奴の物語でも読んでくれる人が増えるかも!? そしたら感想聞けるかも!? マスターベーションで終わるのも、なんだか

          コンテストなんて僕みたいな者には💦なんて言いながら、せっかくだからと図々しく参加してみる

          第二話 あとがき

          天空凧揚げ合戦 いかがでしたでしょうか? まほろば流麗譚の世界観が伝わっていたら、幸いです。 今回は勇也と美代の件が少なかったので、少し重かったかもしれませんね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 綺麗にまとまるお話は理想です。 ただ僕はあまり考えていません。 その瞬間、その瞬間にインスパイアされて思い出される光景や言葉。 そんなものが、その瞬間まで信じていた考えをガラリと変えてしまう。 ああ、あれは無理してたな。 ああ、あれは自分に嘘をついてい

          第二話 あとがき

          天空凧揚げ合戦 13(完)

          「儂が欲しかった物は貰った。」 「ああ?」 「お主の左手に握られた、これよ。」 半蔵はその手にした、秋月草太の左拳を見せた。 「な!」 慌てて見ると、草太の左手には拳が無かった。 血は流れてはいない。 斬撃があまりも早く鋭かったのだ。 まだ身体も脳も自身の異変に気付いてはいない。 「この珠よ。」 半蔵は拳を無理に開き、珠だけを取り投げ捨てた。 「この野郎!俺の手を!」 顔を真っ赤にして草太が吠えた。 それを機会に血が吹き出した。 「くそぉ、、」 「情けだ

          天空凧揚げ合戦 13(完)

          天空凧揚げ合戦 12

          動けば動く程、天狗が布に包まれていく。 「やったぜ!落ちやがる!」 「天狗が、、落ちる、、」 勇也と共に雪がその姿を見つめている。 あの天狗が、、兄貴の仇の天狗が落ちる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「舐めるなよ!伊賀者共があー!!」 月夜に何者かが吠えた。 何かが飛ぶ音がする。 木々の間から幾つかの呻き声がした。 そんな声がした枝のひとつに人影が立った。 「俺は秋月草太!聞けぇい、伊賀者よ!」 その人影、秋月草太が馬鹿正直に叫んだ。 普

          天空凧揚げ合戦 12

          天空凧揚げ合戦 11

          林道の出口が近づくと、大きな松の木がほぼ平行に並んでいる。 その松を過ぎると、巨大な蛇の腹の中みたいな道が終わる。 そこを抜ける事は、江戸から吐き出される事だ。 暗闇から広い世界に投げ出される事だ。 身の安全の欠片も無い、戦さ後の世の中。 食うに食えず彷徨う者たちの根城。 だが雪はその世界に光があるのを知っていた。 あんなに辛くて江戸に来たのに、木々に遮られていた光が溢れると喜びを感じた。 悪い事だけの世界なんて無いんだ。 あの辛さを知るから、今の喜びが分かる。 そんな

          天空凧揚げ合戦 11

          天空凧揚げ合戦 10

          雪の左から風が煽る。 天狗は少し後ろから、ゆったりと団扇を振り風を送ってくる。 団扇を振りその身体をクルリと回し、次に右に跳ね同じ事を繰り返す。 「馬鹿にしやがって、、雪の積もった山を走ってきた  あたしが、こんなもんで転ぶもんかあ!」 天狗が少し距離を詰めてきた。 雪が蹌踉けないのが面白くないのだろう。 なら団扇を強く振ればいい。 やはり飛びながら強い風を起こすには、様々都合があるのだ。 それでも雪には風が強くなったと感じた。 兄貴!お兄ちゃん!待ってよお! 上手

          天空凧揚げ合戦 10

          天空凧揚げ合戦 9

          「今、俺らは見えてねぇのかあ!?」 「おうよ、勇さん。伊賀忍びの隠れ蓑は、天狗の目も  誤魔化せた。」 勇也と手下たちは馬に乗っていた。 正確には馬を操る侍の後ろにちょこんと座っていた。 その手には少し太い糸があり、皆凧を持っていた。 「この糸にも工夫があってな。」 「分かるぜ、鉄っあん。透けてて見ねぇや。」 「天狗からしたら余裕で大凧を追っかけてたら、急に  後ろに凧が沢山浮き上がってるって事になる。」 「おー!確かに!」 「気を逸らして罠に追い込んでやんのさ

          天空凧揚げ合戦 9