summer is transparent
イベントが終わった。
彼女の周りには、それまでのファンとは別の、久しぶりに会う関係者や友人が押し寄せている。
「美佐ちゃん、綺麗になったわね。」
地方のホテルのイベントスペースを使った会場は今日1日貸し切りで、この後は簡単な打ち上げ会場になる。僕はその間に、運び出せる物を車に乗せる係だ。
とは言っても持ち込んだ物は、そんなには無い。
これまでの彼女の著書を並べ、ポップアートを額に入れて飾り付けたくらいだから、充分に終わる。
「このホテルを舞台にした物語、良かったわ。」