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「気を遣う姪っ子」と「ばいきんまん」

私には姪っ子が2人いる。

今年、たぶん「7歳」と「5歳」、、、ぐらいだったと思う。

、、、違うかもしれない。。。

薄情な叔父である。

この姪っ子姉妹、性格が全然違う。

子供と言えど、人の性格をひと言で表すのは難しいが、ざっくりと説明する。

お姉ちゃん「アキ」(仮名)は、とにかくお喋りで、活発で、目立ちたがり屋。

何でも挑戦し、器用にこなし、性格も少々アグレシッブである。

「トモ」(仮名)は、大人しく、のんびり屋でマイペース。

いつもニタニタ笑って、優しい感じではあるが、ちょっと頑固。

「アキ」は、私の姉の子供の頃に本当にそっくりである。

「トモ」は、きっと(優しい)旦那さんの方に似たのであろう。


さて、「アキ」は大人に対しても、自分からグイグイいくので、自然とチヤホヤされやすい。

さて、「トモ」であるが、何か地味な感じではあるものの、私は何かこう、、、気になるのだ。

まず、前回会ったとき、「4歳」「5歳」ぐらいだったのだが、すでに要所要所で、自分のお姉ちゃんの「メンツを立てる」ような気遣いを見せる。

そして、、、何と、自分の分のお菓子を積極的にお姉ちゃんに分けてあげるのだ(お姉ちゃんは、自分のお菓子を食べてしまったにもかかわらずである)。

いやいや!信じられん!


「姉が妹に」ではなく、「妹が姉に」お菓子を分け与える??!

私が子供の頃なぞ、自分のお菓子だけでは足りず、こっそりと姉の分のお菓子まで食い散らかし、姉にバレてボコられるというのがお約束であった。

今考えると、私が自己中なだけだが、子供の頃は「姉は、お菓子をその場ですぐ食べず、いつまでも冷蔵庫に入れておいて、私に見せびらかして、何て意地汚い奴だ!」とそこそこ本気で思っていた。

反省とは無縁であり、子供の頃に読んだ『北斗の拳』のマンガで、「兄が板チョコを割り、大きい方を弟にあげる」というエピソードを読んで、「そうだろ!兄(と姉)は、弟に分け与えてナンボだろ」とずっと思っていた。

「人の物を盗むのは悪い」という考えは確かにあったが、その倫理観が「姉のお菓子」と結び付くことはなかった。

、、、そんな自分と照らし合わせると、何とできた姪っ子であろうか!

これは「よっぽど優しい」「よっぽどお姉ちゃんの恐怖政治が効いている」かである。


話が少し反れるが、この姪っ子(トモ)は、結構、格闘技向きな性格をしていると思う。

すぐに結果ばかりを求めず、地味な反復練習をひたすら忍耐強く続けそうな感じがする。

格闘技のジムでも、オラオラしてたり、チャラい感じの人より、そんな自道な真面目なタイプの方が、ずっと続けて、そのうち強くなってゆくというイメージである。

一度、「トモ、新体操もいいけど、おじさんと一緒に格闘技でもやる気はないかね? 素質があると思うぞ」、、、と言ってみたらどうだ? と姉に言ってみたことがある。

えっ? いやいや、さすがの「お菓子泥棒」の私でも、まさか人様のお嬢ちゃんに格闘技なぞ、直接は薦めませんわい。

そこは、親の責任でしょう。

姉も試しに「ねぇ、トモ。何かねー、トモは叔父さんの性格にちょっと似てるかもしれないってさー。今から格闘技やったら好きになるかも、強くなるかも、とか言ってるよ」とけしかけてみたらしい。

トモは「えぇっ! 何か、カッコいい! アチョー!」とか言って、はしゃぎまわったようだ。

「でも、やっぱり怖いからやらない、、、」だってさ。

「アチョー!」って、何か、めんこい。

高度なアチョー!

さて、ところで先日、近所のスーパーで、このお菓子を見付けた。

『アンパンマングミ』
(販売者)株式会社不二家さん

、、、これ、実はちょっと罪悪感というか、、、モヤモヤする思い出があるのだ。

以前、姪っ子と会ったとき、「2人で分けなさい」と言って、このお菓子を買ってあげたことがある。

姪っ子を差別するつもりは全然ないのだが、「姉は妹を優先する」哲学が刷り込まれている私は、ついつい「トモ、どれにする~?」と聞いた。

そこで、お母さん(私の姉)は「あらぁ~、お姉ちゃん(アキ)がアンパンマン大好きだからねぇ~。トモは何選ぼうかねぇ」と言った。

私は「アキはアンパンマン好きかぁ~。トモは誰が好きなの?」と聞いた。

トモは「う~ん、、、トモが好きなのは、、、ばいきんまん。。。」

、、、!

、、、いやいやいやいや、「アンパンマン」より「ばいきんまん」の方が好きな「4歳」の女の子がこの世にいるかね?!


、、、いるかね?


、、、


、、、いるのか??


、、、これって、少し「ばいきんまん」に失礼なのか?

でも、4歳の女の子だし。。。

よくわからんな、、、ということで、ネットで少し調べてみた。

、、、うーむ、いないこともないらしい。。。

「ウチの息子が、ばいきんまんの方が好きです」

「ばいきんまんはツンデレなので、人気だ」

「ばいきんまんは、普段は意地悪だが、いざとなるとアンパンマンを助けたりするので、カッコいい」

、、、何か、「映画版ジャイアン」みたいな話になってきたな。

、、、すると、トモはホントに「ばいきんまん」が好きなのか?

でもねぇ~、4歳で、しかも女の子だし。。。

もともと「お姉ちゃんに気ぃ遣いぃ~」な性格でもあるし。。。

やっぱり、お姉ちゃんに気を遣ってるような感じもするなあ。。。

もう1回、何らかの方法で真意を確かめてみたい気もする。

早くしないと、どんどん成長しちゃって「アンパンマン」だの「ばいきんまん」だのって年でもなくなってしまう。。。

それどころか、叔父なぞ相手にもしてくれなくなるだろう。
(寂しいー---)

すっかり大人びたトモに「あの頃は、結局どうだったん?」とか聞いて、「えっ?叔父さん、ばいきんまんって素敵じゃないですか? そして、何か、みじめな男みたいで。そういう男って、何か放っておけないでしょ?」みたいな答えが返ってきても腹立たしい。

トモの真意を確かめるなら、ここ数年が勝負だ。

まあ、それより、「女心」にも「姪っ子心」にも鈍感な叔父さんは、次から「アンパンマン」と「アンパンマン」のお菓子を買うのが無難なんだろうね。。。




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