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#41:2024年10月米国雇用統計

10月の米国雇用統計

10月の米国雇用統計が発表された。このnoteでは、その概要と大きな2つの要因に軽く触れ、要因の片方であるボーイング社の今年の状況について触れていく。


概要

非農業部門の就業者数が前月から12,000人増加、9月の223,000人増に比して大幅に減少した。市場予想が10万人~11万人だったとのことで、予想もはるかに下回ったことが読み取れる。

原因①ハリケーン「ミルトン」

大きな原因のうちの一つとして、10月初旬にフロリダに上陸したハリケーン「ミルトン」が考えられている。死者を16人も出す大災害だ。

原因②ボーイング社のストライキ

また、9月中旬から続いているボーイング社のストライキも要因となった。たった1社で起こっているストライキが、世界一の経済大国の雇用統計に影響するというのもすごい話だと思う。

一時的な影響か

結果自体は悪く出た雇用統計であったものの、自然災害もストライキも一時的な影響と楽観的に考えられているらしい。

ボーイング社の今年の状況

ボーイング社といえば、アメリカを代表する世界一の航空宇宙産業企業だ。
2024年の始め、アラスカ航空の運航していた機体の一部が落下するという事件が起きていた。

そしてこの事件のあと、ボーイングの製造基準について懸念を示した従業員が遺体で発見されるという事件があった。

このような状況で製造基準の見直しを迫られ納期が遅れる中、ストライキで労働力も不足したことから、2024年第3四半期では61億7,400万ドルもの純損失を計上、10月にはバンク・オブ・アメリカからの資金調達も行ったということだ。

この流れを見てもボーイングのストライキは一時的と言えるのだろうか。また、ボーイング社の業績で言うと、少なくともこのストライキは第4四半期の決算まで影響し続けるはずだ。

自動車や航空機産業は、その下請け企業の多様さも特徴となる。ボーイング社のような規模の会社の不調は、様々な方面へ影響していくことが考えられる。

雇用統計の面では楽観してもいいかもしれないが、少し心配な動きだと思った次第。

前月は雇用統計とその影響について整理をしていたが、今月はなかなか特殊そうなので様子見。雇用統計の結果が悪かった、ということですぐに利下げ、となる内容ともなかなか思えない。よければ前回の雇用統計記事をご参照ください。


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