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学んだら飲むな。アルコールと学習の関係

皆さんお酒飲んでますか?
僕も大好きです。

しかし、何かを学習しているタイミングでは(特に言語学習)
アルコールは控えたほうがいいかもしれません。


学習と睡眠の協力関係


新しい物事を学習する時には
レム睡眠と呼ばれる種類の睡眠が非常によく関わっています。

レム睡眠は記憶の統合関連付けを行い、抽象的な文法を頭の中で組み立てたり関連ある事実をつなぎ合わせて、大きく全体を理解することに長けています。

学習においての鍵と呼べるでしょう。

そしてお酒を摂取することによってこのレム睡眠に
大きな影響が出ることが分かってきました。

アルコールは最も強力なレム睡眠抑圧要因と言われていまして、
特にアルコールを分解する際に発生するアセトアルデヒドが悪影響を与えています。

アセトアルデヒドが脳波を弱めてレム睡眠が取れない状態にしてしまうのです。

気になる方はこの記事も読んでみてくださいね。
レム睡眠について話しています。


アルコールで学習したことの半分を忘れてしまう

アメリカで行われたある研究をご紹介したいと思います。
大勢の大学生を対象にした研究です。

被験者は全員、新しく人工的に作った言語を実験初日に学びます。

実験初日はすべての参加者が新しい文法を身につけることができました。
初日に行ったテストの正答率は90%でした。

そして一週間後に文法の知識がどれだけ定着しているかを再テストします。

初日のテスト後に被験者を三つのグループに分けました。


・一つ目のグループは2回目のテストまでの一週間普通に寝ることを許されます。
・二つ目のグループは初日の夜にアルコールを摂取してから就寝します。
・三つめのグループは初日の夜と2日目の夜は普通に寝て、三日目の夜にだけアルコールを摂取して就寝します。

適度な酔いでアルコール量はスクリュードライバー3杯程度です。(ウォッカのカクテル)

そして2回目のテストの結果。

睡眠を十分に7日間とったグループは、初日に覚えたことをほとんど覚えていました。
むしろ抽象的な概念を深く理解し、知識が増えていたと呼べるほどでした。

そして二つ目のグループはなんと初日に覚えたことの50%を忘れていました。
軽い記憶喪失ですね。

学習した初日のレム睡眠は、複雑な概念を体系づけて理解するのには欠かせない機能なのです。

しかしもっと驚きなのは三つ目のグループ。
初日二日目とおそらく学習に必要であろうレム睡眠をとって、三日目の夜にようやくアルコールを摂取して睡眠したグループです。

このグループの結果は二つ目のグループとほぼ変わらず、
学習内容の40%を忘れていました。

ここから言えることは、複雑な学習の記憶の処理は初日だけでなく
三日目の夜になってもまだ続いているということです。

アルコール依存症に見るレム睡眠の影響

いかがでしたしょうか。
いかにレム睡眠が学習に役に立っていて、
アルコールがレム睡眠に影響を与えることがわかりますね。

ちなみにアルコール依存症患者はほとんどレム睡眠が取れません。
レム睡眠が取れないと処理していない記憶が溜まりつづけ、
カラダは必死になってレム睡眠を欲するようになります。

そしてそして恐ろしいことに、起きている際にも夢を見るようになるのです。
これを振戦せん妄と呼びます。
これがアルコール依存症患者の妄想幻覚の正体なのです。


大学生だけでなく大人になっても何か資格の取得の際に勉強や、
仕事で覚えることが多々ある方もいらっしゃるでしょう。

しかし学習してから三日目までの間に飲酒をしてしまうと、
まだ脳の処理が終わっていないので学習効果は半減してしまいます。

そんなこと言っても付き合いが…
と思われるかもしれませんが本気で学習するなら
一時的な禁酒は必要になってくるのかもしれません。

どうしても飲みたいのであれば、
例えば月曜日から木曜日まで勉強をして日曜日の夜にお酒を嗜む。
などと工夫をすれば、多少は悪影響を避けられるかもしれませんね。

皆さんのヒントになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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