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人間は『腸内環境』に左右される


こんばんは、あさかです。

更新が遅くなってしまいました。

日付をまたぐと「毎日更新」ではなくなってしまうので、0時近くなると焦りますね笑


お待たせしました!!!!!(誰も待ってない)

「腸活とかそんなもんじゃないマイクロバイオーム」

タイトルは変更しまして、リライト&加筆修正して完全版でお届けです。

かなり長くなってしまいましたが、まったりとお楽しみください!!!


①最初にややこしい用語解説

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ここでゲンナリしないでくださいね笑

分かんなくなってから読んでもいいです笑


消化器・皮膚、口腔、鼻腔、呼吸器、生殖器など、人体のあらゆる場所に微生物が生息しています。

特にそのに生息する微生物の数は1000種類以上100兆個を超えるそうで全身の細胞数約60兆個より多く、その数の膨大さが分かります。

ヒトのカラダに生息する微生物(細菌・真菌・ウイルスなど)の総体のことを「マイクロバイオーム」と言います。

この概念は細菌叢や生物と細菌の関わりそのものや、その遺伝子情報を含むこともあります。

さらに特定の細菌叢を指す「マイクロバイオータ」という言葉があります。

例① 
腸の細菌叢=腸のマイクロバイオータ(ただのマイクロバイオータとも)

例②
人体のマイクロバイオータの総体(ゲノム情報)=マイクロバイオーム

死ぬほどややこしいですね。

・腸内環境
・腸内細菌叢
・腸内フローラ
・マイクロバイオータ
などの呼称はニアリーイコールなんで、ほぼ同義だと思っておいて構いません。


では本題に行きましょう。


②腸内環境の悪化があらゆる病気につながる

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「腸活」と言って腸内環境を良くして、美肌やお通じの改善などの効果を得ようとする活動があります。

近年活発化するマイクロバイオータ研究において腸内環境が(腸内細菌叢・腸内フローラ・マイクロバイオータが)

 不眠・うつ病・自閉症・パーキンソン病・動脈硬化・糖尿病・肥満
・炎症性腸疾患・クローン病・リウマチ・肌荒れ・アトピー性皮膚炎等

などさまざまな病気、精神病、自己免疫疾患に関連していることが分かってきました。

人間の気分、さらには人格にも関係していると言われています。

ほぼ100%同じ遺伝子情報を持つ一卵性双生児ですが、その性格の違いはそれぞれマイクロバイオームによって変わってくるとか。

近年の医学界ではパラダイムシフトが起きるのではないか?

というくらい大真面目に「腸内環境」が注目されています。

今回の話を簡単にまとめると、

我々は偉大なる微生物様と共存しているので、顔色を伺いまくってその御利益を享受していこうぜ!

って話です。

腸活とかそんなぬるいもんじゃなくて、人生を変える手段として腸内環境を考えていきましょう。


③腸内細菌たちの最も重要な働き「免疫システム」

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なぜ腸内環境の悪化が多くの疾患に関連するのでしょうか?

それは腸が「栄養吸収」という最大の仕事をこなすのと同時に腸内細菌たちが、栄養にならない有害なモノを排除する強力な「免疫システム」を備えているからなんです。

腸には人体の免疫系の60-70%もの免疫細胞が集まっています。

この免疫細胞たちはカラダにもともと住み着いている細菌たちを攻撃することはありません。

ビフィズス菌などの善玉菌たちと協力することで、体外の部外者「病原菌」をうまく連携を取って排除しているのです。

神秘的ですね。

この腸内細菌たちの生態系の乱れがここ半世紀ほどの先進国におけるアレルギー症状、喘息、自己免疫疾患等の急増に関係していると考えられています。


まぁ、と言ってもピンと来ませんよね。

微生物って目に見えないし。ちょっと想像してみましょう。

④微生物の星に生まれた新参者

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微生物はこの地球上のありとあらゆるところに存在しています。

人類は80億人弱程度でしょうか。

それに対し地球上の微生物の総数は1穣(じょう)個いると言われています。

ん?いちじょう?穣(じょう)とは1の後ろに0が28個つく単位です。はい、よくわかりませんね。

つまりは圧倒的多数ということです。

そんな「微生物の星」の46億年の歴史の中で、ぽっと出のヒトが単独で行きていけるはずもなく。

ヒトは生まれる前の子宮内では無菌状態なんです。そして生まれた途端に微生物がカラダの表面に付着し、体内に入り込みます。

もちろん感動的な生まれたてのお母さんのキスからもさっそく微生物は移っていきます。

赤ちゃんが思いつきで何でも口に運んでしまうのは体内に微生物を運ぼうとしてるかのようです。感動的ですね。

ヒトはその進化において、この微生物を一匹残らず駆逐して生きるという途方も無い免疫機能(コスパ最悪)を獲得するのではなく、自分のカラダを貸し出して大家のようにして「共存」するという形を選択しました。

無謀な戦いは挑まなかったんですね。「郷に入っては郷に従え」です。賢い。

さらに微生物たちとも概ね合意が取れているようで、共存とは言っても、寄生虫のように一方的にむしり取られる関係ではありません。

専門用語で「双利共生」といいますが、つまりはWin-Winの関係を構築しているのです。



さらには気分や鬱病、人格にも関係していると言われています。

ほぼ100%同じ遺伝子情報を持つ一卵性双生児ですが、その性格の違いはそれぞれの持つマイクロバイオームによって変わってくるとか。


⑤人間は一本の複雑怪奇な「管」である

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イメージしやすくするためにちょっと例え話をしますね。

気持ち悪くなるかもしれません。

“人間の体内”は完全に人間のものって思ってませんか?

「なにいってんだおめぇ?」

…落ち着いてください。

人間は複雑な「1本の管」であるという面白い表現をする科学者がいます。口から始まり肛門で終わる「管」です。

この管に食べ物を運び入れるためにがあり、咀嚼して消化しやすくなるために口と歯がある。

栄養を吸収しやすくするためにで溶かし、で栄養を吸収する。

そして食べ物を得るために考えるがあり、移動するためにが生えている。

さらに管を増やすために生殖機能がある…


ちょっと気持ち悪くなってきましたね、すみません。

大事なのは管である以上、内側も「外」のようなものなのです。

ドラえもんの公園にあるどかんを思い出してください。内側に潜ったとしても完全に外とつながっていますよね?

つまりは外とつながっている管の一部分に微生物達がびっしり詰まっているだけなのです。

その微生物の達が住む管の一部分は住居でありつつも、ある種一つの生態系なんですよね。

そうそこは大自然なんです。

そういう意味で人間の内側も外側も変わらないってことが言いたかったんです許してください。


⑥微生物たちとのあま~い共存関係

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そんな微生物たちは人類の「最古の友」などと呼ばれたりもします。

その生活スタイル(共存)については先ほど、「双利共生」という言葉を使いました。お互いWin-Winの関係であると。

微生物たちからの最大の恩恵は「免疫システム」に代表されますが、人の体では処理できない食物繊維などの消化・吸収など多岐に渡ります。



なんと腸内細菌たちはビタミンBビタミンKなども生成することができ、ビタミン欠乏からも救ってくれます。

そうヒトゲノム(ヒトの全遺伝情報)だけでは今の生理機能を全ておこなうことができないのです。

マイクロバイオームは第2のゲノムと言われており、ヒトの遺伝子だけでは対処できない問題を微生物達と分業しているのです。

その数300万~500万の微生物による遺伝子の恩恵を受けているそうです。

ヒトの欠点を微生物たちに補ってもらっているとも言えますね。

我々は大切な最古の友を住まわせ、もてなす事で絶滅すること無く暮らしてきました。

しかし最近になり、状況が激変したのです。

そう!「細菌」の状況が激変したのです!

…ごめんなさい。

⑦人類が「最古の友」を追い出し始めた

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さぁこの数世紀で急速に文明が発達してきた人類。

その副作用とも言えるのでしょうか?

地球温暖化や、森林破壊、などの環境問題と同様に体内の“環境破壊”も進んでしまっています。

伝統的な食生活を送る狩猟採集民に比べて、現代人のマイクロバイオータは多様性に乏しいのが分かってきています。

そしてこの多様性の乏しさや病的な腸内環境があらゆる不調の原因につながっているのです。

主に2つの理由から体内の微生物たちは絶滅の危機に瀕しています。


⑧理由1-腸内細菌たちのエサが激減した

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一つの理由は腸内細菌たちのエサが食生活の変化によって激減しているのです。

ウホウホ→狩猟採集→農耕→工業生産

このような食料調達における技術的イノベーションを経て、微生物たちは変化を強いられてきました。

しかし現代における食生活は、過去のどの食料調達技術のブレイクスルーよりも過酷な生活環境を微生物たちに強いているのです。

それは「食物繊維」の激減にあります。

肌感では分かっていると思いますが、先進国では微生物たちのメイン食料である食物繊維を含む植物の摂取量が著しく減少しています。

例えばカップラーメンやジャンクフードだけを食べている人の腸内にはほとんどエサが届いていません。

厚生労働省が推奨する日本人の1日の食物繊維摂取量は20g~27gですが、現実は13g~17gにとどまっています。

コロラド州立大学の調査では229の狩猟採集民を調べたところ、その食物繊維摂取量は平均42.5gでした。

さらにアフリカの狩猟採集民ハッザ族の摂取量はなんと100g-150gとのこと!!!

現代人は平均的な狩猟採集民の約3分の1、ハッザ族の約10分の1のしか取れていないという現実なのです。

そりゃ食料の絶対量が10%になれば、殺伐とした環境になりますよね。

そこはまさに大規模な飢餓が起きているような状態で、微生物の種類、数ともに激減するのも容易に想像できます。


⑨理由2-抗生物質の多用

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2つ目の理由は微生物にとっての大量殺戮兵器「抗生物質」を乱用してしまっていること。

フレミング博士によって20世紀最大の発明と言われる「ペニシリン」が発見されたことにより人類は感染症から沢山の命を救ってきました。

その功績は間違いなく素晴らしいです。

ペストや、スペイン風邪などの悪夢ような病原菌による感染症に苦しめられてきた人類にとって、ある意味勝利を勝ち取ったように思えました。

ですが近年の研究においてその最大の発明品は、腸内細菌たちにとっての悪夢の「大量殺戮兵器」でもあることが分かってきたのです。

近年、抗生物質による悪影響に関する研究が増えてきています。

たとえば2008年の実験では、一度の抗生物質の使用でも腸内細菌の3分の1が死にそのダメージは半年すぎても回復しませんでした。

風邪を引いて内科でみてもらう、親知らずを抜いてもらう、するとかならずと言っていいほど抗生物質が処方されますよね。

抗生物質でお腹をこわす人は多いですが、これは腸内環境の破壊が原因です。


思い出してみてください。だから抗生物質は整腸剤と共に処方されることが多いのです。


⑩改善のカギは「食事」

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炎症性腸疾患、自閉症、自己免疫疾患、肥満、鬱など病的になった腸内環境が引き起こす悪影響を回避し、健康的なマイクロバイオータを手に入れるにはどうすればいいのか?

2つ目の理由、抗生物質の多用に関しては直接的にできることは非常に少ないです。

処方された抗生物質を自己判断で服用を中止するのは絶対にやめてください

治療に必要な場合もあるのです。

ただ医師との相談において抗生物質をなるべく使用しない治療を提案してもらい、選択をしていくことは可能です。

では私達にできるコトはなにか?

それは食事です。

「最古の友」である腸内細菌たちに最良の食事を与えもてなすことで、腸内マイクロバイオータを豊かにして免疫力を上げていく。

こうして抗生物質での治療→マイクロバイオータの破壊→免疫力の低下→病原菌の感染症→抗生物質での治療……という負のスパイラルからも抜け出すことが可能です。

2つの方法をご紹介します。


⑪食物繊維を意識する

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これは皆さん分かってましたよね。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、女性18 g以上、男性21 g以上(ともに18~64歳の場合)を食物繊維の1日の摂取目標量として定めています。

んなこた分かってるけどそんなに野菜食えねーよ。

って人多いと思います。

食物繊維といえばゴボウやキャベツなど野菜をイメージするかと思います。

でも今までの食事に+サラダをすると量が多くなり、食べたいオカズがあまり食べられず、飽きるし続かないし、結局やめちゃう人多いんですよね。


おすすめは主食を食物繊維を多く含む穀類に変えることです。

ちなみは白米はほっとんど食物繊維ありません。スッカスカです。

僕は完全に嗜好品だと思ってます。


・玄米(白米の約6倍の食物繊維)
・オートミール(白米の約20倍の食物繊維)
・もち麦(または大麦。白米の約25倍の食物繊維!)

僕のおすすめはこの3種類。

玄米では少し足りないのですがオートミールやもち麦なら、まるっと主食を入れ替えるだけでほとんど摂取量クリアできちゃったりします。

まあオートミールは少し食べ方にコツがいるし、もち麦は基本「麦ごはん」として白米と混ぜて食べられることが多いので十割炊きは少しクセがありますけど。

それでも優れた食品たちなのでうまく活用してみてください。


私の愛用してるものを紹介しておきます。

オートミールは最近人気のせいか少し高めですねぇ。

もち麦のほうがおすすめかも。


⑫発酵食品を取り入れる

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発酵食品には豊富に微生物が含まれています。

そもそも微生物のにチカラで発酵していますからね。

善玉菌と呼ばれる「乳酸菌」などが代表的ですね。

なんと発酵食品を多く取ることで、抗生物質で荒れ果てた腸内環境が早く回復することも分かっています。

荒れた腸内環境でなくとも、腸内環境に多様性をもたらしてくれます。

・納豆
・味噌
・ぬか漬け

などの日本のものから、

・キムチ
・ヨーグルト
・ザワークラウト
・ピクルス
などの多文化の食品など気軽に食せる発酵食品は多くあります。

ちなみに納豆は食物繊維も多く含んでいるので最強の発酵食品

発酵食品にいる微生物もさまざまなので同じ種類だけでなくいろいろな物を取り入れるようにしてみてください。


⑬注意点

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2つ方法をご紹介しましたが、実践していく中で伝えておきたいことがあります。

まず急に食物繊維を増やすことで、腹部膨満感、腹痛を感じることがあるでしょう。

ほとんど食物繊維を取らない食生活だった人は感じる可能性が高いです。

しかしこれは腸内細菌たちが適応している最中に起こる現象なので、自然と収まります。安心してください。

また食物繊維の絶対量が増えているからガス(おなら)も増えるんじゃないの?

これは正しいです。

しかし豊富な食物繊維に順応した健康なマイクロバイオータでは、そのガスを分解する微生物も多く生息するようになるのでプラマイゼロになります。


また発酵食品には相性があります。

いろいろ試すことでどうにも合わないものがあると思います。それは含まれる微生物が体に合うかどうかです。

たとえばヨーグルトだけで言っても何十種とあり、それぞれに含まれる微生物たちは違います。

目安としては一週間ほど同じ種類を試してみて合わないようであれば
変えていくのがいいでしょう。

マイクロバイオータに定着するには時間がかかるからです。


⑭ヒトは微生物たちから成る複合生命体(生態系)である

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いかがでしたしょうか?

最古の友である微生物たちとの共生。

ヒトとは多数の細胞や微生物たちの複合生命体なのでしょうね。

人間自体が一つの生態系とも言えます。

中でも最大のマイクロバイオータである腸内環境の破壊が、様々な内臓疾患、アレルギーなどの自己免疫疾患を引き起こし、気分や鬱病などの心理にまで影響していることが分かってきました。

さらにはマイクロバイオームは性格や行動にも影響を与えていることが、研究からも分かってきています。

まだその全貌が解明されたわけではありませんが、これからも新事実が続々と分かってくるでしょう。

今後かならず腸内環境が私たちの健康、ひいては生き方にとって最も重要なものということが科学的に証明されてくると思います。


少しでも皆様のヒントになれば幸いです。

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長々と最後まで読んでいただきありがとうございました!


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