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社会正義損得勘定を並び立たせて、世の中はバランスを保つもの…という理屈は果たして真っ当なリテラシーに該当するのか考えてみたいと思います。

テレビで観ない日は無い吉本興業所属のタレント番組。卒なく場を和ませ笑わせる技術への高い信用が、タレント起用へのニーズ訴求に繋がっているのでしょう。しかしながら、全民放キー局に加えて世界最大手広告代理店の電通が吉本興業という一企業の株主である構図が明らかに可怪しい、それは普通と考えるに無理があります。報道や番組編成について公平性が担保出来ているとは到底思えないからです。マスコミ側の出資先企業が例えば起こした事件や不祥事について、果たして真っ当に取り上げて追求する事が利益に相反してまでやり遂げる覚悟は持ち合わせられるのか、甚だ疑問です。

派生して、テレビ局側の責任は免れないと私は思う、TVドラマ化に関する原作者が自ら生命を落した事件についても、所謂テレビ局側のドラマにしてやった感と漫画家風情と突き放す行間しか見えない現状スタンスには憤りを覚えます。
そんなにテレビドラマを作る立場は強いのか、日頃から反権威主義を振りかざし社会正義を唱えるテレビ局のダブルスタンダードがこうした事象から見て取れます。

テレビ局側の言い分に、観たくない人は観なくて良いという論調がありますが、それは番組スポンサーを明らかに蔑ろにしています。加えてテレビ局が許認可事業である事を忘れた物言いでもあります。
許認可事業であるという事は公益性も問われなければなりません。
今のテレビ局はインターネットの脅威に押され、加えて広告収入の減少に伴い制作現場が逼迫している現状を実際に制作会社で従事している方から聞くことがあります。

テレビ業界における大きな大転換点が一度だけあった事を思い起こします。
今から19年前、ホリエモンこと堀江貴文氏が創業したライブドア社によるフジテレビ買収未遂事案です。仮にもしそれが成就していたら様々なパラダイムシフトが起きていたと思われます。
インターネットとの融合は加速し、現在も幅を利かしている既得権益はかなり崩れていったことは想像に難くありません。
縦割りや仕組みが変わることで新しいモラルが生じていたでしょう。
今にして思うと全メディアで堀江氏の野望、加えて新秩序を阻止したと捉えることができます。

今現在、テレビ引いては新聞を総じてオールドメディアと称されたマスコミには幸せな展望が描かれているどころか、報道しない権利とまで言い切る守旧の壁の様相すら呈し始めています。
一般的な人たちには何を信用すれば良いのか判らない現代社会。それは事実でしかありません。

私はそうしたマスコミが作り出す風に迎合することなく主体的に生きることを提唱したいと思います。自分はコレがやりたいから此処で研鑽する、自分の目標はコレだからそこに向かうべく努力するといった主体性です。
生活のために辛酸を嘗め続けて、とにかく長いものに巻かれていくしかないというのは、逆にリスクを背負わされている事に気付いた方が良いのですが、そのしがらみに耐える事はある種の美徳とされる向きもあります。

冒頭における矛盾なる両論並立は身近に既に感じる国民性質と言えなくもないようですが、世界中似たりよったりと考えます。
‘行動する’
それが一番、難解に思えるという思考回路をまずは逸らしてみてはと、提案したいと思います。

【漁港口の映画館 シネマポスト 上映中作品紹介】
『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』
2.17(土)〜2.23(祝・金)

初日17日(土)多くのお客様にご来場いただいております。誠に有難うございます。
16時30分回の上映終了後、下関市立美術館・学芸員の渡邉祐子さんをお招きしてのトークイベントも盛況のうちに終えることができまして、こちらも感謝申し上げます。
渡邉さんからの美術館の現在と学芸員としてのやり甲斐、仕事への期待感が伝わる内容に、頷く方々も多く見受けられました。一層の映画理解に貢献いただけたと思います。

現在、下関市立美術館では開館40周年記念特別展が開催されております。
映画の中でも語られている特別展はスケール感があるものです。
こちらもこの機会、ぜひ足をお運びください。


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