コンサベーション・インターナショナル・ジャパン

国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル(CI)のジャパンチームです🌱 10…

コンサベーション・インターナショナル・ジャパン

国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル(CI)のジャパンチームです🌱 100以上の国と地域で「自然を守ることは、人間を守ること。」を合言葉に、自然の保全を通じた持続可能な社会作りを進めています。 www.conservation.org/japan

最近の記事

私たちについて

みなさん、こんにちは! コンサベーション・インターナショナル・ジャパンの広報、磯部と申します。 ブログのプラットフォームを新たにnoteへ移行するにあたり、私たちのことを良く知らない皆様へ向けて、「コンサベーション・インターナショナルってどんな団体?」という疑問にお答えする記事を書きたいと思います。ぜひお付き合いください。 ■創設者ピーター・セリグマンについて コンサベーション・インターナショナルは、アメリカ人のピーター・セリグマンが創設した環境NGOです。ニューヨーク

    • 「国際女性デー」自然保護活動と女性のエンパワメントの関係

      3月8日は国際女性デーです。 1904年3月8日、ニューヨークで婦人参政権を求めて起きたデモをきっかけに国連が定めた「国際女性デー」は、”誰一人取り残さない”をスローガンとしとしたSDGsの一つ、ジェンダー平等社会や女性の社会参加、地位向上を考える日です。コンサベーション・インターナショナル(CI)が持続可能な社会を目指して実施する保全プロジェクトでも、女性たちは多くの重要な役割を担い、大切な家族や地域コミュニティ、そして社会に貢献しています。特に、農山漁村地域を主とする多

      • 菌類は、気候対策の新たな味方か?

        地中の世界では、複雑な菌類ネットワークが植物と協力し合いながら大量の炭素を吸収しており、その量は世界に存在する化石燃料による年間排出量の3分の1以上に相当することが、新しい研究で明らかになりました。 これまで菌類は、炭素のモデリングや保全活動計画策定の際に盲点となっていました。しかし今回の研究は、植物が大気から吸収した炭素を「菌根菌」として知られるある種の菌類に送る量を定量化した、初めての研究です。 コンサベーション・インターナショナルの関連団体、コンサベーション・南アフ

        • 環境再生型農業とは何だろう?

          みなさんは、「農業」と聞くと何を思い浮かべますか? 天候に左右されやすい、大変な職業。農家さん。私たちが毎日口にする食糧を生産してくれる大切な職業・・・日本の幼稚園や保育園に通ったことがある方は、秋に行うさつまいも掘りなどを思い出すかもしれません。また、農業と聞くと、野菜などの食べ物を思い出すかもしれませんが、私たちが毎日着る衣服の材料となる綿花なども農作物の1つです。しかし、農業は身近にあるべき存在のはずなのに、あまり考える機会はないですよね。本記事では、「農業」と「環境」

          自然が人間の健康を支える5つの方法

          世界各国が重要な生態系の保護に取り組む今、自然がどのようにして私たちの生活に役に立っているのか、そしてなぜ私たちは自然を守らなければならないのかについて取り上げたいと思います。本記事では、自然が人間の健康をどのように支えているのか、ご紹介します。 1. 自然は、人間が生きる上で最も基本的な欲求を満たしてくれる 私たちが生きる上で必要な空気、水、食べるもの、そのすべては自然からもたらされているものです。コンサベーション・インターナショナル(CI)が発表した最近の研究では、熱

          自然はどのようにして気候変動と戦うことができるのかーNCS(自然の力を活用した気候変動対策)の誤解

          つい最近まで、自然が気候変動問題を解決しようとする私たち人間にとって、強い味方になるという考えは、ほとんど知られていませんでした。 人間活動による影響が生態系に出ているにもかかわらず、私たちが毎年排出する温室効果ガスの約半分は、自然がすでに「吸収」していることが研究で明らかになっています。2017年の研究結果により、さらに、私たちが自然を守り、再生させることができれば、自然の力によって気候変動の進行を反転させ、危機を回避するために世界が必要とされる温室効果ガスの吸収の3分の1

          自然はどのようにして気候変動と戦うことができるのかーNCS(自然の力を活用した気候変動対策)の誤解

          「自然の力を活用した気候変動対策(NCS:Natural Climate Solutions) 」とは何だろう?

          エディターズノート:「気候適応」や「ブルーカーボン」など、環境に関する専門用語はいたるところで見られます。コンサベーション・インターナショナル(CI)では、そうした用語について、各専門家にインタビューする形で、「~とは何だろう?」というシリーズで解説します。今回は、気候変動問題に取り組む際に自然の力を活用する、「NCS」として知られる手法について、CIの気候科学者ブロンソン・グリスコムに話を聞いてみました。 Q. まず「自然の力を活用した気候変動対策(Natural Cli

          「自然の力を活用した気候変動対策(NCS:Natural Climate Solutions) 」とは何だろう?

          生物多様性はなぜ大切なんだろう?

          「人類は、野生生物の絶滅を食い止めなければならない。さもなければ、人類が絶滅の危機に瀕するだろう」- 国連報告書 100万種もの動植物が絶滅の危機に瀕している今、地球全体の安全性はかつてないほど高いリスクにさらされています。 「生物多様性」は、地球上の生命の総称ですが、現在の種が絶滅している早さは、地球全体の安定性を損なうほど危機的な状況です。 生物多様性は、人類にとってどれほど重要なのでしょうか? なぜ、地球の安定に生物多様性が必要なのでしょう? 以下に5つの理由

          ”ブルーカーボン”とはなんだろう?

          エディターズノート:「気候適応」や「カーボンクレジット」など、環境に関する専門用語はいたるところで見られます。コンサベーション・インターナショナル(CI)では、そうした一般的に聞きなれない用語について、各専門家にインタビューする形で、「~とは何だろう?」というシリーズで解説します。今回は、気候変動を抑制するために非常に大切な存在である「ブルーカーボン」について、CIの海洋戦略ディレクター、エミリー・ピジョン博士(Emily Pidgeon, Ph.D.)に聞きました。 「ブ

          マングローブについて知っておきたい6つのこと

          あなたは誰かが「私はマングローブが大好き。」と言うのを、きっと耳にしたこがないでしょう。マングローブ林はサンゴ礁や熱帯雨林、広々とした草原のように、私たちを驚嘆させることも見事だと感じさせることもありません。それどころか、長らくの間、世界の多くの場所で、汚くて蚊がいるマングローブのもつれた根っこはオーシャンビューの邪魔になると嫌がられてきました。 環境の専門家たちでさえ、マングローブの生態学的な役割は、嵐による被害を和らげ、魚に住みかを提供することがほとんどすべてだと考えて

          マングローブについて知っておきたい6つのこと

          湿地について知っておきたい5つのこと

          湿地は、水と陸をつなぎ、淡水や海水によって冠水、または覆われている低地です。自然な形態で、陸地と水中の生き物をつないでいます。そこは、湿地特有の動植物を育んでおり、生物多様性保全の上で極めて重要な生態系 です。同時に、私たち人間にも多くの恵みをもたらしています。しかし、湿地は開発の影響で急速に減っており、湿地生態系がさまざまな生き物へ提供している生態系サービスが失われています。 湿地の持つユニークな役目について、あなたが知らないかもしれない5つの事実をご紹介します。 1.

          湿地について知っておきたい5つのこと

          カーボンクレジットを活用する企業が気候変動対策を主導する

          カーボンクレジットを活用している企業は、そうでない企業と比べて、自社のカーボンフットプリントに対して、より積極的に取り組んでいることが新たな報告書(※英語)で明らかになりました。 環境金融の非営利団体であるエコシステム・マーケットプレイス(Ecosystem Marketplace※英語)が2023年10月に発表したこの報告書は、カーボンクレジットを含め、企業が事業活動においてどのように気候変動と向き合っているか、詳しくまとめています。 企業や個人は、カーボンクレジットを購

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          何が森林減少を引き起こし、どうすれば食い止めることができるのか

          2023年は、世界で記録は的な猛暑となりました。人間活動が引き起こしている気候変動の影響がなければ、こうした異常な暑さは起こり得ないと、多くの研究者は話します。 各国が危険な暑さへの対応に追われる中、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの主な要因の一つ「化石燃料の使用」に次ぐ、第2の要因である「森林減少」を食い止める方法について、初めての包括的な研究結果が発表されました。コンサベーション・インターナショナルの気候経済学専門家、ジョナ・ブッシュ(Jonah Busch)を中心に

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