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気候変動についてどのように子供に話すべきか

気候変動が加速している今、子供たちが地球がどのような影響を受けていて、自分たちが気候変動に対して何ができるのか学ぶことはとても重要です。しかし、このような複雑で不安な問題を子供たちに教えることは、どんな親にとっても難しいことです。ですが実際は、専門家ではなくても子供たちに気候変動の話をすることはできます。そのための5つのコツをここで紹介します。


1. 例を挙げる

気候変動は世界全体の問題なので、個人のレベルで説明することはとても難しいかもしれません。そんな時、子供たちに気候変動を説明するカギは、子供たちの日常生活と気候変動を関連付ける内容を見つけることです。例えば、天気の事から話し始めます。天気はほとんど毎日変化し、私たちの日々の気分から植物の成長速度まで、様々なことに影響を与えます。最も基本的な事ですが、気候変動は長期にわたる天気のパターンにすぎません。これを子供たちに説明するために、今日の天気と50年前の天気を比較してみてください。大きな違いが見つかりますか?現在は昔より暑いでしょうか?乾燥しているでしょうか?確かに気候は、時間の経過ととも変動することは自然現象ではありますが、人間が過去にない勢いで気候変動を加速させていることを説明することは重要です。実際、過去に記録された最も暑い年のうち19年は過去20年以内に起こったという調査結果があります。

2. ただ例を話すだけではなく、子供たちに見せる

気候変動のような科学的な話題は、視覚的なものがあると理解しやすくなります。気候の専門家が使う用語には、実は名前自体に視覚的に捉えられる要素が含まれているものがあります。その一つが「温室効果ガス」です。その名の通り「温室」のイメージです。地球温暖化の原因を説明するときには、お子さんに温室の写真を見せたり、実際の温室に連れて行ってみましょう。温室は、ガラス張りの構造で植物を育てている場所ですが、このガラスは日光を閉じ込める働きがあり、中をとても暑くします。それと同じことを私たちも地球にしていて、化石燃料を燃やすと、温室効果ガスが放出され、大気中に日光が閉じ込められ、地球も同じような状態になってしまうのです。
また、気候変動を抑えるのに役立つものについても、外に出れば実際に見せることができます。最近の調査では、世界の平均気温上昇を2℃以下に保つために必要な二酸化炭素削減と除去のうち、少なくとも30パーセントは自然が貢献できることがわかりました。ということは、あなたの庭にある木々も、人間が排出する二酸化炭素を吸収・貯蓄することで、気候変動に対抗する役割を果たしているといえるのです。

3. 子供たちの理解できるレベルを過小評価しない

気候変動について、子供たちが意外に多くのことを知っていることに驚くでしょう。子供たちは常に地球の変化を観察しており、多くの子がその変化が自分たちの生活にどのように影響するか気にかけています。気候危機について、子供たちに分かりやすい言葉を使うことは大事ですが、説明を単純化しすぎたり、話を「幼稚化」する必要はありません。そうしてしまうと子供たちの将来像や、気候災害を防ぐために何ができるか理解する上で重要なポイントなどが欠けてしまうおそれがあります。

4.「行動」と「希望」に焦点を当てる

地球規模の危機を子供たちに教えるのは気が重いかもしれません。しかし、気候変動について子供たちに教え続けることが重要です。パンデミックに対しての世界が対応したように前代未聞で乗り越えるのが難しそうな問題に直面したときに、世間が一体となって適応していく団結力こそが気候変動に取り組むために必要なものなのです。

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気候変動の問題の緊急性について話すことに伴うストレスや不安(私たちはこれを「気候疲労」と呼んでいます)を避けるために、あなたとお子さんが気候変動を終わらせるためにできる行動に焦点を当ててみましょう。例えば、赤身肉を控えることは地球にとって有益です。牛など家畜は温室効果ガスであるメタンを放出し、莫大な土地と飼料を必要とするからです。部屋を出る時は電気を消す、家にソーラーパネルを設置する、といった小さなことでも、二酸化炭素排出を削減することができます。お子さんが、自分や他人の行動が気候に与える影響を理解することで、より安全で健康で回復力のある未来を築くために必要となる変化を理解し、教育を受け、大人に成長するにつれて、その変化に対して行動できるようになるでしょう。

5. 子供から学ぶ

子供たちとの学習は一方通行ではありません。特に気候変動に関しては、大人も子供たちから学ぶことはたくさんあります。子供たちは力を合わせ、国際的な若者の気候変動運動を立ち上げ、大規模な抗議活動やオンライン気候変動キャンペーン、SNSでのストライキを組織しています。今までにないほど子供たちはグローバル・コミュニティの一員であり、大人たちに対して、彼らの責任を問うています。お子さんが気候変動運動について言おうとしていることに耳を傾けることは、子供が育っていく上で、より包括的で持続可能な世界を築くことにつながるでしょう。


投稿 :Shyla Raghav ※原文はこちら
翻訳編集: CIジャパン
TOP画像:インドネシアで現地の子供に植林の重要性を教えるCIチーム
© Jessica Scranton

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