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11年前に帰ってもう一度抱きしめたい

あれから11年もたったんですね。
2011年3月11日。

1年前に、東北へ行った記事を書きましたが(下に貼りました)、今日は当日のことを思い出します。

その日、私は締め切り。
会社から、すぐには出られませんでした。

「スポッ太(息子)は?」「大丈夫?」「学校?」
息子は当時小学一年生。
不安になって学童に電話。その時はまだ通じました。
「大丈夫です。全員無事ですよ」

どわっと胸が楽になりました。

たまたま近くにいた夫が、すぐに迎えに行ってくれたとのこと。
よかった・・・

あとから聞くと、葛西に行く予定だったけれど宅急便を出すために一度近くに寄ったそうです。
そこで、地震。

もしも葛西にいっていたら、ひと晩帰れなかったはず。
よかった・・・。


私が帰宅したら息子がススッと寄ってきて、静かに抱きついてきました。
「ニュース見てたらこわくなって、バスケット(の試合)見てたの」
とポツリ。

夫がずっとニュースを見て、一緒に見ていた息子は固まってしまったのです。でも言葉少な。
夫は「(一緒に見せて)悪かった・・・」と反省していました。

「地震がこわかった」
自分からいい出したのは、翌日の夜。

「いつ、こわかったの?」
「地震が起きたときと、ニュース見たときと、お母さんの帰りを待っているとき。夜、また揺れたとき」

「お母さんを待っている時、こわかった」
繰り返します。

私の顔を見るまで不安だったのか。
私を心配してくれたのか。
両方でしょう。

ニュースも新聞も見せないようにして。
なるべく一緒にいて、できるだけ抱きしめていました。

でも2日後、高熱を出して。

インフルエンザが流行っていたので
「もしかしたら・・・」
病院で調べてもらったら、かかっていました。

小児科の先生に
「ストレスでインフルエンザになることはないですよね?」と聞くと
「ストレスでなることはありませんが、ストレスで免疫が下がって、かかることはあります」と。

会社から「なるべく自宅待機で」と連絡。
息子と一緒に過ごせました。

なぜか元気いっぱいの息子は、ボール遊びをしたがり。
私の方が疲れ果てて横になっていたら、怒られてしまいました。

このころ、私から離れようとせず、少し赤ちゃん返りをしたようにくっついてきました。
朝も。夜も。

不安。

私も心細くて、心身ともにつらくて、凍えるような気持ちで。

息子にくっつかれると、私も安心しました。
ギュッと抱きしめて。
一緒に。


地震、台風、そのほかの多くの災害。
そして戦争。

子どもたちが、まだ受け止めきれないかもしれない。
そう思ったら、まずニュースや新聞は隠して。

抱きしめて。

それから話したい。
何が起きたのか。
時間をかけて。


「テレビをつけたら、こわいものが映っている」
そう思って隠れていた息子が、テレビをつけても隠れなくなったのは、半年もたってからです。
「ニュースはつけないで」とずっといっていました。

息子は繊細くん(HSP)ですが、そうじゃなくても。

まず、なによりもはじめに安心させたい。
抱きしめたい。

不安にさせてしまったからこそ、そう思います。


1年前の記事です。


あれから11年たっても、傷はいえません。
また行きたいけれど、なかなか行けなくなりました。

落ち着いたら、必ず。
行きます。
温かい方たちに、会いに。


※写真はPauloさんからお借りしました。私も行った石巻市の写真です。ありがとうございます。


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