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真っ暗闇の中で触れたのはぬくもりでした✨ダイアログ・イン・ザ・ダーク

何も見えない漆黒の闇で、わくわくした驚く体験をしました。
10年前、小学一年生だった息子と夫と出かけたのは、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という体験施設でした。

暗いのが嫌いだった息子なのに

息子は暗闇を怖がる子でした。
だから映画館に行ったのも、小学校に入ってからだった記憶があります。
泣き叫ぶのではなく、「暗いのはいや」「こわい」と顔をしかめて言う感じでした。

息子が小学一年生のときに「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という場所を知りました。説明はこうなります。

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、視覚障碍者の案内により、完全に光を遮断した”純度100%の暗闇”の中で視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンタテインメントです。
これまで世界50か国以上で開催され、900万人を超える人が体験。日本でも、各地でオリジナルイベントが開催されています。

まだ日本では始まって間もない頃でしょうか。今は常設の施設があるようですが。当時は期間限定でした。
私は興味を持ち、ぜひ参加してみたい!と思ったのです。

でも息子は怖がるだろうから夫と二人で、と思い、スケジュールを話していたんです。すると、

「なに、それ?」
「あのね、真っ暗な中でいろいろなことをするんだよ」
「ぼくも行ってみたい!」
「でも真っ暗だよ。スポッ太(スポーツを見るのが好きな息子なのでこう呼びます)は暗いのはイヤでしょ?」
「大丈夫」
「でも本当に暗いんだよ」
「大丈夫。行く!」

両親が二人で行って、置いてきぼりが嫌だったのでしょうか。
もちろん、友達のところかどこか考えていたのですが。

そこまでいうなら行ってみよう、と決めました。
ドキドキしていましたが。

参加は小学生以上。
ひとつにグループ(確か8人)に家族や友人は3人まで、という決まりでした。
どちらもぎりぎりクリア。

暗闇の中へ・・・

3人で向かいました。
入り口で受付し、同じグループになるらしき方と何となく会釈します。
みんなどこか緊張しています。

そして、視覚障碍者の方の案内で暗闇へ・・・。

ひとつのカーテンを開けて、もう一つあけると、そこは本当に漆黒の闇。
なんのシルエットも、かすかにも見えません。

毎回テーマがあるようです。その時はクリスマスがテーマでした。

うろ覚えですが、いろいろなことを体験しました。

水の音がします。
どこでしょう。

香りがしたり、音が変わったりします。

それを上手に視覚障碍者の方が説明してくれる中、進んでいきます。
こちらはおっかなびっくりです。
みんなで手を握っていたような? 壁を伝っていたような?記憶があります。

いつの間にか私の手を離れ・・・

とりわけよくおぼえていることがあります。

みんなで輪になって手を握ります。
「右手の人の手をぎゅっと握ってください。握られた人は順々に右の人の手を握ってください」
そして1周したら「1周しましたね」というんです。
輪がつながった気持ちになりました。

そのあと、音階の違うハンドベルを渡されて、順々に鳴らしていきました。
するとクリスマスの旋律になります。
旋律が終わったあと、息子が「もう1回やりたい」っていったんです。

するとガイドの方がとても温かい声で
「もう1回やりたいの? いいよ。じゃあもう一度やろう」
といってくれて、もう一度みんなで鳴らしました。

そのあと「何か飲みましょう」といってカフェへ。
もちろん、暗闇の中です。

そのとき、私の隣にスポッ太がいないことに気がつきました。
ハッとして、「スポッ太? どこ?」と聞くと

「ここにいるよ」って向かい側から返事が。
「ここにいますよ」とカップルの女性からやさしい声が。

私たちから離れて座っていたんです。
暗闇を怖がっていた、スポッ太が。

しかも息子は初めての体験に弱い、どちらかというと人見知りの子でした。

だからびっくり!

カフェを出たあとも、平気で誰かに連れて行ってもらったようです。

心に灯りがともった

体験を終えて暗闇から出た時、私たちはまったく新しい世界に出た気がしました。
スポッ太はグループの人にニコニコとさよならをしています。

スポッ太にも新しい体験だったでしょう。

私たちにとっても、新しい体験でした。

暗闇も。
息子が初対面の人と手をつなぐほど仲良くなったことも。

そこに何の不安もなかったことも。

視覚障碍者の方のリードは見事で、的確で優しかったです。
そしてついていくみんなも優しかったのです。
もっと人を信じよう、任せようと思えました。

また行きたい、と思いながらそれ以降行っていません。

息子が変わったかというと、それほどでもありません。
今聞いても覚えていないようです。

でも、記憶になくても、体験は体のどこかに眠っていることでしょう。

そして「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」と聞くと、私の心に中に温かな灯りがともるのです。


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