chisato_mrt

作家・橋本治の研究をしています。まだ著作を全部読めていないので、しばらくはその読書記録になります。この10年間ほぼ毎日読書をしてきた私が、本とは関係ない仕事の傍ら何をどのくらい読んだのかのドキュメンタリーでもあります。誰かの読書のモチベーションになれたらいいなという気持ちも込めて

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作家・橋本治の研究をしています。まだ著作を全部読めていないので、しばらくはその読書記録になります。この10年間ほぼ毎日読書をしてきた私が、本とは関係ない仕事の傍ら何をどのくらい読んだのかのドキュメンタリーでもあります。誰かの読書のモチベーションになれたらいいなという気持ちも込めて

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たった一人が書いた本を読むことに人生を懸けると決めた

作家・橋本治と聞いて、いったいどれだけの人がピンと来るのだろう? 夏目漱石のように学生時代に習って知る人でもないし、SNSで読書家と自負するアカウントでも頻繁に目にする名前ではない。 それでも私は、橋本治の本を読むことにこれからの人生を懸けると決めた。 知る人ぞ知る、ではないけれど、確かに橋本治を読んでいる人はいる。でも全部の著作を読んだ人は恐らくいないだろう。 なぜならば、分野があまりにも多岐に亘るから。 橋本治を知らなくても、よく読書をする人であれば「上司は思いつきで

    • ももんが忌〈橋本治読書日記〉

       今日は橋本治の命日、“ももんが忌”だ。  私にとって読むことは著者との対話で、著者に想いを馳せることでもあるので、365日橋本治を読む私は「命日だから」といって特別にすることはなく、いつものように橋本治を読むだけだ。昨日『江戸フラ』文庫版の中巻を読み終わり、今日から下巻に入った。  橋本治が亡くなったのは2019年の今日。平成があと数ヶ月というとき、まだコロナ禍の前。未知のウイルスのパンデミックで世界が混乱に陥ってから、SNS上で「橋本治なら今何と書くだろう」というような言

      • 町人学者で生きていく

         仕事が繁忙期で読書の時間が取れなかった先日、「大学院で研究する選択肢もあるか?」と思い立って調べたことがあった。 結論としてあまり現実的ではないことに気づいて諦めた。単純に、家から通える場所に大学院がない。あと学費が払えたとしてもその後の生活費の問題もある。それから、私は夕食を家族と取ることで一日に失ったエネルギーの大部分を回復させているので、その生活スタイルを変えたくない。  そして、私の仕事とライフワークである橋本治の研究は相互補完的関係にあることも事実。仕事を頑張るか

        • 気がついた人間がやらなくちゃいけないんだ

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        • 橋本治読書日記
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          日常語に内実はあるか?

          自分の現実

          “船乗りのおじさん”からのお土産─橋本治『冬暁』

          橋本治四季四部作を季節ごとに読むプロジェクト第二弾『冬暁』を読了した。 タイトルは橋本治版「春はあけぼの」といった感じで、冬は厳しい寒さのなか夜が明ける、初日の出を思わせるような冬暁である。 中盤で『演劇界』に寄稿された歌舞伎に関する文章がまとめてあることが印象的だった。歌舞伎の一年は冬の顔見世興行から始まることは先日読んだ『大江戸歌舞伎はこんなもの』にも書かれていた。歌舞伎の文章を収録するならやはり冬なのだろう。 去年読んだ『ひらがな日本美術史』の歌舞伎役者絵に関する

          『完本チャンバラ時代劇講座』復刊〈橋本治読書日記〉

          橋本治『完本チャンバラ時代劇講座』が初文庫化、復刊した。 新刊書店で買える橋本治の本は文字通りの絶滅危惧種なので、嬉しくて1・2巻とも複数冊ずつ買ってしまった。 私は電子書籍より紙の本が好きで、古本よりは新刊が好き。 橋本治の本はとにかく絶版が多いので仕方なく古本を揃えるしかないけれど、何百冊も買っていると、読む気が失せるほど状態の悪い本に当たることもある。それでも読めればありがたいと思って、少しでも気分が上がるようにカバーをかけたり泣く泣く処分するという数年間を経ている

          消えかかっていた素顔

          『窯変源氏物語』以前の橋本治の小説が『橋本治小説集成』という形で復刊されたことがある。それは初め12巻刊行される予定だったが、『桃尻娘』シリーズ全6部、6巻の刊行で終わってしまった。理由はわからない。その後ポプラ文庫で復刊された『桃尻娘』も第3部で止まってしまった。 上に引用した文章は、『橋本治小説集成』刊行に寄せた橋本治の「ごあいさつ」の一部である。私は古本があまり好きではないのだが、古本の中にはごくまれにこのような貴重な文章が載ったチラシがタイムカプセルのように挟まれてい

          すべては行動によって解決する

          他人の作品を解釈するモノサシ

          歴史を記述することは

          「人生そのもの」であり、「人のあり方そのもの」でもあるようなもの

          写楽はなぜ消えた?─橋本治『ひらがな日本美術史5』

          日本美術史において避けて通れない存在、写楽。「またしても」の謎の画家である。 しかし、猛烈な勢いで仕事をした写楽の絵は、突然出版されなくなる。 この本で写楽を扱う章のタイトルは、「『似ている』が問題になるもの」「『似ている』が問題になるもの 第二番目」「『似ている』が問題にならないもの」「時代を二つに分けるもの」である。似ているとか似ていないとかの問題が出てくるのは、写楽がこのような特長を持つ画家であるからだ。 写楽の前に、歌舞伎役者の似顔絵を描けた画家はいない。紋など

          新春江戸づくし〈橋本治読書日記〉

          橋本治『江戸にフランス革命を!』を読み始めてすぐ「これはすごい本だ」と思ったので、どんどん読み進めたかったのだが、しだいに「歌舞伎を知らない」ことが大きなハードルになってきた。歌舞伎を知らないとよく理解できない部分が増えてくるから。 少し方向転換をして、まずは『大江戸歌舞伎はこんなもの』を読むことにした。 今にして思えば『江戸にフランス革命を!』を読むための布石になっていた『ひらがな日本美術史』は歌舞伎を知らなくても読めた。だから歌舞伎に詳しくない人がこのへんを読む場合は『

          古典を読むことは古典と踊ること

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