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読書人間📚『女ごころ』 サマセット・モーム / 訳. 尾崎 寔



『女ごころ』 (Up at the Villa) W・サマセット・モーム /尾崎 寔(おざき まこと) 訳

1941年に発表。
1951年、龍口直太朗訳/三笠書房(絶版)
1960年、文庫化/新潮社(絶版)
2014年、新訳発行/筑摩書房


サマセット・モーム  William Somerset Maugham(1874-1965)20世紀を代表するイギリスの作家。91歳没。


貴族、社交界のお話は大好物。

マーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』を思い出します。小学生時、夢中になって読んだものです。(あれほど大長編でなく、こちらサッパリ177ページ)

正に " 女ごころ " と言いたいところだけど、" 女のずるさ " ...かな?... 。 


美女と、
▷死んだ夫
▷親ほど歳の離れた権力、資産を持った上昇思考のルックス良しな優男(54歳)
▷女たらしの見栄えのしない放浪者の様な風貌、嫌われ者の資産持ち、だけど心許せる男(30歳)
▷身分の違う猪突猛進、盲目従順系な男(23歳)
のお話。


美貌、資産を持ち合わせる主人公(30歳)は、"正直" である事は対等であり正義であると考えたかもしれませんが、それは彼女のエゴなのか? 友人だったら嫌いにはなれない... " 素直 " と捉えるか...。
それは、奴隷制が根底にある時代での平等に正直に生きたいと言う価値観の葛藤、表れかもしれません。



『真夜中の銃声』(Up at the Villa) と言うタイトルで2000年に映画化されているようですが、私が観ている映画サイトでは見つけられず、残念。日本では劇場未公開作品です。

監督 : フィリップ・ハース 
原作 : サマセット・モーム 
音楽: ピノ・ドナッジオ 
出演: ショーン・ペン、クリスティン・スコット・トーマス 

音楽も『風と共にさりぬ』に『ゴッドファーザー』を彷彿とさせる、わたしにはこれぞな映画音楽。(因みにわたしの鉄板は、「ゴッドファーザー愛のテーマ」)


モームを読んだことのない方は、まずこの作品から良いかもしれません。177ページ、サクッと読んじゃいましょう。ストーリーテラーのモームに、尾崎 寔さんの新訳。鋭さと新しさを全く損なわず、抜群に面白かったです。おすすめ!


カバーデザイン 篠田直樹
装丁  安野光雅

声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都 🎤
音楽療法(医療行為は行わない)の観点からオーラルフレイル、口腔機能、老化防止を意識した呼吸法、発声のレッスンもご希望により行います。

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