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阪急マルーンにゆられて

大阪と京都を結ぶ路線には、JR、京阪電車、阪急電車があります

先日は所用で数日間 京都に滞在
その合間に大阪の実家へ足を伸ばしたのでした
久しぶりに阪急電車に乗りました  

実家のある大阪へ阪急電車で行くには、
京都河原町駅から大阪梅田駅まで特急で40分ほど
以前は「四条河原町駅」「梅田駅」だったと思うのだけど、いつの間にかそれぞれちょっとずつ駅名も変わっていました

そして何気なく乗った電車の内装にびっくり
なに なに なにこれー
思わず飛び降りて行き先を確認



車内に坪庭が…


《京とれいん  雅洛がらくという土日祝ダイヤの一部で運行されている 特別仕様の列車なのでした
号車によっていろんなタイプの座席があるみたい
通常の列車と運賃は同じ
特急料金や座席の追加料金、予約も一切不要です
これまたいつの間にこんな車両が登場していたのだろう

私の知ってるシックな緑色のシートじゃなくて ちょっとそわそわ
キョロキョロ…    ポツン…
なんだか 帰ってきた浦島太郎さん状態


みなさんも機会があれば是非
旅気分はぐーんとアップするかもしれませんよ





阪急電車は大阪梅田駅が発着駅で神戸線、京都線、宝塚線があります
関西の方々には馴染みがあるかもしれません

実は私も学生時代には毎日のようにお世話になっていました
平日の通学には神戸線、週末 彼の元へは京都線で通っていました
若かりし頃の思い出が溢れる電車なのです



“阪急マルーン” という色があるのをご存知ですか

阪急電車の開業から100年以上変わらない車体の色が “ 阪急マルーン ”
いわゆる “小豆色” です
マルーンは栗のマロン(仏)が語源
とても落ち着いた上品な色です

阪急電車は神戸線も、京都線も、宝塚線も
普通列車も、急行列車も、特急列車も
全て 阪急マルーン で統一されています

光沢のあるマルーンの車体はどこかしっとりと高級感が漂っています
その車体は 特別な塗料で四層塗装が施されているのだそう

内装は木目調の壁にグリーンの座席
ちょっとレトロな雰囲気

1960年以降、座席シートは ゴールデンオリーブ という緑色とのこと
色名を検索したら茶色っぽい色が出てくるのだけど、シートは 聞かれたらほとんどの方が「みどり」と答える色だと思います
(優先席の色はシックなマゼンタ)

シートは、“クロスシート”の車両もあって
ボックス席にもできて旅気分


シート生地には モケットが採用されています
モケット とは厚手の起毛した生地のこと
アンゴラ山羊の毛だそうです

そのなかでも 起毛の復元力が高い、汚れや色褪せに強い、保湿性や感触にも優れたもの
座面のクッションも座り心地が重視されています

随所にこだわりと誇りが感じられますね

若い頃から慣れ親しんでいたので これまで当たり前のように何も考えず乗っていました
何気ないところにもいろんな人の思いや努力があるんだなぁ

行き止まり式ターミナルの10面9線ある 広々とした阪急梅田駅の雰囲気は昔からとても好きでした
ホームの床がいつでもピカピカ

懐かしいな
変わらない姿を見られることはとても嬉しくて
これからも伝統を残しつつ 繋いでもらえたらいいなと思います





有川浩さんの小説『阪急電車』が、2011年に『阪急電車 〜片道15分の奇跡〜』として映画化されて話題になりました
駅や電車にはいろんな思い出、ドラマがありますよね

1面1線からスタートしていた阪急電車
やっぱり少しずつ時間をかけてここまで大きくなっていたんだ
これからもまだまだ進化していきそうですよ



京都は昔から何かとご縁のある大好きな場所です
豊かな歴史や自然が身近にあって 街も少しおっとりとした空気
このたび またひとつご縁ができたので、これからもたまに訪れることになりそうです

その時にはまた 阪急マルーンに揺られよう
世の中が落ちついたらいろんなところを巡りたいし
関西の友人たちにも会いたい


京都の美しい景色や思い出は またいつか別の機会に
どうぞよい一日を、よい一週間を





#63.   『 阪急電車 』

⭐︎待ち合わすふたりの距離はあと五分 阪急梅田BIGMAN前

⭐︎春をゆく阪急マルーン 文庫本もうたた寝しつつ君へ向かへり

       ー ちる ー

京都嵐山 渡月橋

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