フォローしませんか?
シェア
そら
2023年3月14日 06:27
「失恋の傷なんて波にでも流してこいよ。」友人のさり気ない一言を真に受けた僕は、ひとり秋口の海岸に立っていた。目の前に広がる海は青く澄んで、泳ぐにはもう肌寒く人影もまばらだった。昨日のやけ酒が残って、胃が苦しい。こういう時、康介は何かと僕に飲ませようとする。酒でココロの傷が癒えるとでも思っているのだろうか。僕はぼろぼろな感情を焚きつけられ、深夜の居酒屋で前日に振られた彼女の名前を連呼した挙げ
2023年3月13日 05:41
最近、よく夢を見る。その日の午後には何も覚えていなくて、夢を見ていた、それだけ。何かしら楽しかったような…それ以上の記憶がない。モヤモヤするって、こういうヤツだ。気になって、ある時恋人に相談した。夢日記を付けるといいって教えてくれた。目覚めたらすぐに夢の記録をつけるのだ…うー、面倒だが仕方ない。正体の見えない誰かさんと一戦交えるような気分だ。思い出せない数々の夢に悶々とした僕は、夜が楽しみ
2023年2月26日 06:30
初恋の思い出。僕の初恋は普通じゃないって良く言われる。近所の戸建てで暮らしていた、奔放自由に振る舞うネコ、彼女が僕の淡い思い出。おいおい、ってたかがネコという勿れ。その澄んだ目、碧い瞳、気分でコロコロ変わる丸い目に、僕はもうすっかり釘付けだった。しかも毛並みと言ったら、銀色がかった灰色で、艶やかに陽の光に映えるのだ。華奢な胸元からくびれた腰へのラインは、若き日の盛りを語っていた。ゆったりと