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いつかのキミへ

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いつか贈りたい
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#時代

恋した息子に贈る詩

恋した息子に贈る詩

恋をしたって? おめでとう
オクテでまじめな 君だけど
大事な君の ことだから 
心から言う おめでとう

どうして良いのか 分からない?
それなら僕に まかせてよ

苦手な君に 届けよう
恋の魔法に かかった君に
桜咲く頃 唱えて欲しい
思いをかなえる おまじない

片思いなんて 良いけどね
声が聞けたら もっと素敵さ
笑顔が見たくは ならないか
どうすりやいいって? わかるだろ

ためらい、恥

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父とクマ撃ちの話

父とクマ撃ちの話

ボクが子供の頃、父は夕食時に酒に酔うと色んな話をしてくれた。
今ならコンプラ違反な事件ばかりだったが、時代が違うから仕方ないのだろう。父の生きた時代は遥かにワイルドで、その話の背景は荒れ狂った嵐のように感じられた。

父がまだ若かったある日、仲間とクマ撃ちに行ったという。
クマとは、時々テレビのニュースでも街中に出没したといって取り上げられる、あの黒い巨大なヤツだ。プーさんやパンダのような可愛らし

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子どもの頃の思い出

子どもの頃の思い出

ボクの子ども時代、思い出すのは田舎の港町だ。
坂の多いところで、鉄工所や造船所の工場群が敷き詰められた港が一望できる坂の上からの景色が好きだった。

父親が中学の英語教師で、生活自体は多分裕福ではなかったのだろう。でも周りの友達も似たようなものだったから、誰も気にもしてなかった。
そんな事よりも次のサッカーの試合だとか、友だちと自転車でどこに行こうとか、誰と誰がケンカしたとか、クラスのあの娘が最近

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