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その先にあるもの~人の認識について。番外編の後編(前編の布石回収w)

さて、前編からの後編です。

人の認識プロセスについて、
仏教での考え方である「五蘊」を使って説明したのが、前回。
ハッキリ言って、で…だから何?…
って思った方もいらっしゃるかと思いますw

なので、今回の後編では、前回の布石を回収したいw
今回は、五蘊を理解すると
ヴィパッサナー瞑想が何ぞや?ってのが分かりやすくなる…
更に、その延長線上にあるマインドフルネスまで、理解が深まる…はずw なので、
その辺りのお話しをしていこうか。と思います。

☝️ご参考までに、前回の記事です。


さて、早速。ヴィパッサナー瞑想って何ぞゃ?
からです。

・ヴィパッサナー瞑想とは?

ヴィパッサナー瞑想は、気づきの瞑想とも言われます。
元々、インド最古の瞑想法と言われ釈迦が悟りを開いた時に行っていた瞑想法だとも言われています。

ヴィパッサナーとは…
パーリ語(昔々の仏教で使われた言葉)で、
vi ヴィとは「ありのままに・明瞭に・客観的に」、passanā パッサナーとは「観察する・観る・心の目で見る」という意味です。

軸となる対象はあるものの、他に意識が飛んだら
それを捕まえる。サマタ瞑想と違うポイントは、意識が飛んだ先から、意識を対象に戻してくるということはしません。
絶えず飛び続ける意識を「追い続ける」
勝手に飛んでいく意識を、観察し続ける、気づき続ける。
あ。ココに飛んだな。次はココ。と言うように…
軸となる対象→飛んだ先に気づく→飛んだ先気づく→飛んだ先に気づく……を繰り返し行う。ということをします。

ポイントは、
意識が飛んだ先に居続けるのではなく
飛んだ先を捕まえ続ける


どういうことか…
瞑想でよく聞く、雑念。てありますよね?
瞑想する時に、頭の中を静かにしたいのに、次から次に止めどもなく色んな事(=雑念)浮かんできたり、集中する対象ではないものに意識が飛んで、中々集中出来ない…ってことがよく起こります。
故に雑念は、邪魔なものだ。と言われるのですが、
ヴィパッサナー瞑想では、
この浮かんでくる色んなことも邪魔モノとせず、集中する対象ではないものに意識が飛んだとしても、集中対象に戻そうとせず、この次から次に止めどもなく浮かんでくることに、気づき続けたい・捕まえ続けたいんです。
(集中対象に意識を戻す瞑想を、サマタ瞑想または、集中瞑想と言います。サマタについては、また改めて書きますね)

でも、それじゃあ瞑想とはほど遠い感じがするけど…
頭の中は全く静かじゃないじゃん!
確かにそう。
ヴィパッサナー瞑想をしている時、
アタマの中は、かなり忙しいんです。

じゃあ、意識が飛んだどの時点で気づくのか?
ココで登場するのが、五蘊!

・ヴィパッサナー瞑想と五蘊の関係は?

五蘊は、物事の認識プロセスを分析して、
認識順に並べている五つ。
と、いうものだと前回お話ししました。
「色→受→想→行→識」の順に。

物事を認識するまでの段階が進んでいくに連れて、
感じてることは、どんどん人それぞれになっていきます。要は、自分の中での概念や経験などの考えに基づいて、人それぞれのストーリー性は加速していくということ(=ストーリー展開。この説明詳しくはコチラで。)

ストーリー性が加速するという事は、
認識したもの「ありのまま」ではなく、自分の頭の中にある培ってきた情報を、あれやこれやくっつけてしまった状態で、認識したものを見ていることになるワケです。

例えば…
前回の記事から例を引用するなら…

~♪(色)

あ。何か聞こえた。(受)

マライヤキャリーの恋人たちのクリスマスか!(想)
この曲を知ってる人には、そうだ。となるし、
知らない人には、何かの曲。ってなります。

もうちょっと聞きたいな(行)
耳を塞ぎたくなる(行)
別に何も思わない(行)

クリスマス用の買い物でもして帰ろ!
今年のクリスマスも楽しみだな♪(想)
去年のクリスマスの嫌な思い出が蘇る…(想)

どちらも、ココじゃ終わりませんw
ちょっと、嫌な思い出の方で、
その後の展開を追ってみましょう……

去年のクリスマス…仕事急いで終わらせて、
気になってる彼とのデートに向かう予定が、
部長が仕事上がる直前に、いらん仕事振ってきたせいで、待ち合わせに1時間も遅刻したのょ!
彼の機嫌悪くなってるし、一生懸命選んだプレゼントも、何か反応微妙で……お陰で、険悪な空気になって、あのデート以降連絡取れなくなるし…大体、部長も空気読んでょ!それに、あのオトコも何なのよ!
全く!思い出したくもないわ!
なんかイライラしてきた!
あの曲聞いたせいで!……とかとか…

これ、瞬間的に 展開されてます。
(あ。私のことじゃないですょww)
ありがちな展開ですょね…

音が聞こえた。(受)から、
頭の中で、1年前の記憶まで引っ張り出し、
ストーリー展開して、最終的には…
恋人たちのクリスマスには、何の罪もないのに、
まるで、元凶のように言われる有り様ww

心が反応しているのがよく分かります。

ヴィパッサナー瞑想では、
そのストーリー展開して、
心が反応する「前の段階」で、意識を捕まえる・気づく

ということがしたいんです。
五蘊の段階でいうなら、「受」の段階で気づきたい。
受は、五感で認識対象を感じ取った時点のことですね。
それ以降になるとストーリー展開されるので、
「ありのまま」じゃなくなってしまいます。
色(=物質)があって、それを五感で感じてる「受」時点では、何の感情も起きていないし、何の 「心の反応」 も起きていないありのままに近い状態。この時点で気づく…気づく…気づく…を繰り返す。という手法を取る。

「心が反応」する隙を与えない。

とも、言えるでしょう。


では今度は、マインドフルネスの側面から、
今言ったことを見てみましょう。
マインドフルネスは、ヴィパッサナー瞑想から派生したのものなので、やっていることは、
ヴィパッサナー瞑想と同じです。
ヴィパッサナーから、
宗教色を抜いたものがマインドフルネスなので。

マインドフルネスの定義は、
「今この瞬間の体験に、意図的に意識を向け、
評価や判断をせず、囚われない状態で、ただ。観ること」


ココで言っている、評価や判断とは、
五蘊の段階が進んで、自分の中でストーリー展開をして、「心が反応」しているということとイコール。
つまり、アレやコレやくっつけないで、「今感じたこと」を「ありのまま」に観ましょう(気づきましょう・捕まえましょう)。
と言ってるワケです。

ヴィパッサナー瞑想も、
マインドフルネスも言ってることは同じですね。

いかがだったでしょうか?
五蘊の布石、回収できてるでしょうかw

こんな風に、頭の中でのストーリー展開によって、
心が反応するような事は、日々の生活の中では、よくよーく起こっています。
自分の中で、感情的になっているような時は、
心の反応に気づくチャンス!
その反応している状態に気づくだけでも、
心が少し穏やかになる…かもしれない。

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