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筆順練習で遊ぶ① ノーマル編

筆順練習の定番『そらがき』。
文字通り、鉛筆を持たず、空に指で書く古典的な方法。
今日は『そらがき』をどう楽しんだかのお話。

あれ、とっても便利。鉛筆を持たないのでラク。教師も子どもも、きれいに書けたかなんて気にならない。そもそも書いた跡が残らない。

教師は子どもたちの手が同じ方向に動いているかだけ見ればいいし、覚えてない子は周りの子の動きを真似すればいい。真似しているうちに分かればいい。

とは言っても1年生は、ひらがな・カタカナ各51音、漢字80字ある。学校って所は、ほぼ毎日、文字学習をやってる。

そりゃ、一年中やってれば飽きますって!
そして飽きれば眠くなる、あの怖い悪魔がやってくる……。悪魔に負けてられない。(
かつて負けた話は『5時間目の悪魔』にて。悪魔に打ち勝ち、追い払うコツは『悪魔払い 2つの極意』

そこで、悪魔と戦う術が必要になる!

どんな必殺技かって?

遊びです!『そらがき』で遊んじゃいます。

まずは、『そらがき』の用意。
例えば、ひらがなの『あ』の場合。
「指を出して。先生と一緒に『あ』を書きます。」これを合図に、子どもたちは起立して顔の横に人差し指(利き手)を用意。

私、授業中に一斉で起立させることが多い。どうせ練習帳に書く時には座るから、立つのはチョットした気分転換。それに、ずっと座っていると眠気を誘う悪魔が来る!

〈ノーマル編:書く大きさ、速さを変える〉

退屈、マンネリが悪魔を招く。
短い時間で、書く大きさや、速さを変える。
子どもたちを退屈させないのがポイント!


さらに、教師の声の大きさや声色を変えたり、子どもたちに声を出させたり、目をつぶって書かせたり、そんな小技も絡めて、毎日、悪魔と戦います。

ホント、戦いの毎日なんだから!

①まずは、超基本形
「いーち、にーい、さーん!」の声に合わせて、顔の横で、教科書程度の大きさ。

教師は1回目で黒板に大きく『あ』を書き、その後は、その上で指を動かすだけ。
教師も手間なし!

ついでに言うと、線の交差が区別できるよう、1画目あか、2画目あお、3画目みどり、とチョークの色を変えて書くことが多い。
大学では習わなかったけど、教師の常識。大学って授業の小技は教えてくれないんだな。

〈指が1画ずつ止まっている〉そんな子を見つけたら即「イイネ!」とほめる。
それで、学級中の子どもがイイネ! になる。
子どもってカワイイ!

悪魔が近づかないうちに、終わるのが大事。
基本型は多くても2~3回で、すぐ次へ。
後は1回ずつで、悪魔に近づく隙を与えない!

②ちょっと大きくする。
 先生なしで、子どもたちだけ。


「いいねぇ。次は先生なし。机くらいの大きさで書こう。できるかな~?」
なんて挑発して、子どもたちの指の動きをしっかり観察。

③もっと大きく、もっとゆっくり。

「やるなぁ。次は、背伸びするくらい手を伸ばして。横も目一杯に手を伸ばして書くよ。」
「いーーち、にーーい、さーーん。」と掛け声の声もゆっくりと。お隣さんに指がブスッとならぬようお気をつけて。

④超小さく、超速く。

「ふふふ。今度は難しい。超速攻だ。顔の横で小さく、手の平くらいに書くよ。」
「よぅい!(少しためる。)いち、にっ、さん!」

⑤仕上げは最大限の丁寧さで。

「おお、できる! では、最後に、今までで一番丁寧な『あ』を最初の大きさで。」
「いーち、にーい、さーん。」

これで合計6~7回、筆順練習の完了。
あとは座って、練習帳に書きます。


こんな要領で、書く大きさ・速さ、促す声の調子・書く回数などをその日ごとに変えると、最初の10文字くらいは楽しめます。
大きさは教室目一杯から米粒まで、速さもロケットからカタツムリまで、その時々で変化させて。

でも敵は51音!
これくらいの術では足りません。
子どもたちが飽きる前に、次の変化型を繰り出します。


次回、悪魔払いの超必殺技、イケイケ編

どうぞお楽しみに。


《オマケの話》
2年生は1年間に漢字160字、3年生以降は約200字。小学校の6年間で漢字1026を覚えます。
お家で宿題の漢字練習を促すご家族の皆さん、「きれいに、丁寧に」は後回しにして「指でテーブルに書いてごらん。あ、ちゃんと覚えてるね」でいいです。可能でしたら、よろしくお願いします。

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