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深淵を覗き込むかのようなエッセイ

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人間の心の奥を覗くという稀有な体験を提供。
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2022年10月の記事一覧

【エッセイ】時間とは、秒針と同じリズムでハイヒールを鳴らし歩くイイ女

なんでか分からないけど、いつも時間が足りない。
別に朝から晩まで働いているわけでもないのに、昼まで寝てるわけでもないのに(たまにあるが)、なぜか時間がない。
忙しくないのに忙しい。
最近、そんな自分に業を煮やし、1日の行動を詳細に記す日記を始めた。
1日の始めに予定を書き、答え合わせのように実際のスケジュールを書く。
そこまでやっているのに、平気で3日ぐらいスルスルと時間が経っていることに気付く。

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【エッセイ】死んでもいいとか言っといて、頭皮がちょっとピクピクするだけで怖くて眠れない

昨日、パソコンに向かっていると、左こめかみの上あたりがピクピクと痙攣するのを感じた。
ピタッ、と、水を打ったようにキーボードを打つ手が止まる。
全神経が、左こめかみの上あたりに集中する。
確かに皮膚がピクピクしてはいるが、特別痛いわけではない。

——これ、死なんよな?

めちゃイケだったら、右下に「死?」という面白テロップが出てるな。
とか考えるぐらいの余裕はある。
一向に激痛が襲ってくる気配は

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【エッセイ】今日は筆の調子が良いのか悪いのか、という中毒性の高いギャンブル

悲しいぐらい「調子」に左右されている。
8時間パソコンの前で唸っても何も出ないこともあれば、ベロンベロンで帰ってきて一瞬で名文を紡ぎ出すこともある。
そこにどんなジンクスがあるのか、まるで分からない。
たっぷり寝た日よりも一睡もしてない方が上手くいく時もあるし、逆も然り。
つまり自分が今日調子が良いかどうかは、パソコンの前に座ってみないと分からない。
そもそもパソコンの前に座らないなんてのは論外。

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【エッセイ】右へ倣えの教育をしてくれてるから、逆張りするだけで個性になるのに

脚本家は孤独だ。
職業柄、横の繋がりがほとんどない。
ひとり大好き人間の自分としては最高だけど、ひとり大好き人間でも孤独を感じるのだから、よっぽど孤独な職業なんだと思う。
だから、たまに脚本家と出会うとすごく嬉しい。
孤独と同等か、それ以上に感じる弊害は、個性が出しづらいこと。
たとえば脚本家が30人集まったクラスがあるとして、その中で個性を出すのは簡単だ。
誰もやっていないこと、すなわち逆張りを

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