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幽霊の飼い方4

6.病気

この章では、幽霊の病気と病気の初期徴候の見つけ方について説明します。これらを事前に把握しておくことで、幽霊の病気を未然に防止し、早く適切な対応で重症になるのを避けることができます。

 

病気にかかりやすい時期
どの幽霊も病気にかかりやすい時期というのが3回あります。それは成長の過程で抗体を持つために必要なことだからです。ただ、適切な対応をしないと重症化し、その後の幽霊の生き方に影響を与える可能性もあります。
一回目は、生後(死後)49日目です。
だいたい法事が行われるタイミングでエネルギーを遺族に持っていかれるため、体の動きが鈍くなり、思考がネガティブになります。また生前を思い出し、その夜はさめざめと泣き、ひそかに枕を濡らします。翌日には、失恋から立ち直ったように元気に振る舞いますが、一週間は引きずりっていますので、飼い主は下手に声をかけず、何もなかったように振る舞ってあげましょう。「頑張れ」は禁句です。
二回目は、生後(死後)102年3ヶ月12日目です。
理由はわかりませんが、なぜか全ての幽霊がこの時期に体調を崩します。ほぼ生前のことも、自分が誰なのか、お昼ご飯は食べたのか、メガネをどこに置いたのかといった記憶は全て失っていますが、急に何かを思い出したかのようにその場でくるくると周り、体液を撒き散らします。体液は、鉄なども溶かします。触れると火傷のような症状か、触れた部位が腐り落ちますので、気をつけましょう。飼い主は幽霊の誕生日を把握し、該当の日には、部屋の中を体液で溶けないサランラップで保護するか、幽霊をサランラップで巻いて暗い地下の部屋に閉じ込めるなどの対応をお勧めします。
三回目は、生後(死後)356年8ヶ月3日目です。
だいたい400年の生涯の中で、この時期に大きな病気をしがちです。また、全ての物事を概念としてしか捉えられない思考になっており、素早く移動しながら、所構わず血を吹き出します。その際は、口からではなく、身体中の穴という穴から吹き出します。吹き出された血がついた場所からは、なぜかたんぽぽの花が咲きます。理由はいまだ解明されていません。飼い主は該当の日には、幽霊の穴という穴にティッシュを詰めて、サランラップで巻いて暗い地下の部屋に閉じ込めるなどの対応をお勧めします。

 

典型的な病気
次に幽霊のよくかかる典型的な病気とその対策を紹介します。

「風邪」
幽霊も風邪をひきます。幽霊の基礎体温は5°です。風邪をひくと6°になり、咳やくしゃみ、鼻水、喉の痛み、心の痛み、クリリンのカタキなどといった症状が発生します。ひどくなると関節が痛み、軋み、砕けます。さらに重症化すると、肺炎と私怨を併発し、自爆します。ちょっとでも動作が重そうに見えたり、元気がなさそうな場合は、サランラップで巻いて暗い地下の部屋に閉じ込めてあげましょう。

 

「水疱瘡」
人間の水疱瘡とは違い、幽霊の水疱瘡は通称「水暴走」と呼ばれます。幽体から激しく水が弾け出し、3秒で脱水症状に陥ります。初期症状で汗が滝のように流れ出すので、その時点でサランラップで巻いて暗い地下の部屋に閉じ込めてあげましょう。

 

「手足口病」
幽霊の手足口病は、幽体全体に手や足や口の形をした腫瘍ができる病気です。見た目は気持ち悪い感じになりますが、それを指摘すると、幽霊は非常に傷付きます。3日もすればポロッと幽体から剥がれ落ちますので、安静にしておけば大丈夫です。初期症状として、小さい手や足や口の形をしたイボができますので、その時点でサランラップで巻いて暗い地下の部屋に閉じ込めてあげましょう。

 

「ヘルパンギーナ」
幽霊の口内にできる水疱性発疹です。発熱も伴います。100℃近くまで幽体温があがり、ヘルパンの幻覚が見えるようになってしまします。一方そのころギーナは、街から遠く離れた修行の地”パンギーの森”の中で、アンジョリーナの背中を鈍器のようなもので叩いていました。その鈍器のようなものは”ドンキ”で購入されたと、オシリーナは聞いていました。その噂を聞いた”ペニパンギーナ”のパンギーナは、”ギーナ”を”ギー無”化するため、プニパンナ軍を”パニパン”から”ヘルパン”に進軍させ、遂に伝説の地”ポニパンギーナ”での”第三次ヘルパン戦争”が始まろうとしていた。勝敗を分けるのはピニパンの選択。1万人の兵を持つ軍将ピニパンはその時点でサランラップで巻かれて、暗い地下の部屋に閉じ込められていた・・・。