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【南大沢土木構造物めぐり】No.83 勝手に南大沢ベスト10(土木屋目線で)

「南大沢土木構造物めぐり」の更新をすっかりさぼっていました(笑)。
最近、南大沢の街歩きはしていないの?と知人から突っ込まれたりしていましたが(ご愛読に感謝(笑))、しっかり街を歩いて新しい発見を探し続けています。
最近は、少し遠征することが増えて、「南大沢」と名乗るのもちょっと・・・という場所を歩いていることも少なくありませんが、ホームタウンを歩くと、ほっとした気持ちになれる毎日です。

タイムリーな話題として、南大沢が、あの「アド街」に取り上げられることになりました。テレビ局の人はどんな場所を取り上げてくるのか、楽しみです。土木技術者目線では、南大沢輪舞歩道橋や長池見附橋のような土木構造物や、緑豊かな街が取り上げられているといいな、と期待しながら観たいと思います。(※放送終了しました。順位等が掲載されたHPのリンク貼ります。)

そこで、今回南大沢という街がテレビで取り上げられることを記念して、土木技術者目線で、南大沢のベスト10を勝手に紹介したいと思います(笑)。この中のどれかは、実際に放送でベスト30に入ることを期待したいと思います。

第10位 コンクリートでできた広場の樹

南大沢と言えば、1983年に街びらきが行われた、多摩ニュータウンの西側の街ですが、街を設計した人たちは、元々の多摩丘陵の営みに敬意を表しつつ、新しい街を自分たちが未来にどう残すかを考えたと思います。そんな思いがこもったオブジェが、こちらです。

第9位 南大沢の街を支える、小さなうさぎさんのオブジェ

南大沢は、ニュータウンにできた計画都市であるためか、様々な都市インフラが実装されました。その中の一つが、地域冷暖房。熱供給のためのインフラ施設にちょこんとおかれたウサギのオブジェ。これを見ながら、地下インフラに思いを馳せると、その時点で立派な「南大沢通(マニア)」になれると思います。

第8位 なに!歩道と立体交差する歩道!

南大沢は、遊歩道が発達した街。歩車分離が徹底されていて、何kmも先まで車が通らない歩道が続いています。車道と立体交差する歩道も多いのですが、驚きは、歩道と立体交差する歩道があるのです。起伏が大きい街で、商業施設等に往来しやすくする工夫でしょうか。立体交差天国ともいえるこの街です。

第7位 制限速度30km/hの遊歩道

八王子市と町田市の境目に走る尾根緑道。広くて長く続く緑道は、地元民のウォーキングやジョギングコースの定番です。昔は陸軍の戦車のテストコースであった道、その後は一時的に車道として使われ、今は公園内の遊歩道になっています。一時的に車道として使われた時代の「30」という道路標示がいまだに残っているのが不思議なスポットです。

第6位 「さくら」と「けやき」

南大沢の遊歩道で同じ道路に架かる隣接した二つの歩道橋。近くにある桜並木と欅並木にあやかって名付けられた個性的な歩道橋。「坂道シリーズ」ならぬ「歩道橋シリーズ」。あなたはどっち推し?

第5位 実は昔は蛇行していたのです!

勝手に第5位(笑)。地域を流れる大栗川。昔の蛇行河川をニュータウン開発に合わせて改良したのが今の川ですが、その周囲に蛇行した当時の旧河道が残っています。旧河道を歩いて、都市化と洪水のことなどを少し学ぶのも面白いでしょう。

第4位 うずまき型の川がある?

国土地理院の地図で、うずまき公園のうずのような水路が地形図に描かれています(笑)。地元民じゃない人が見たら、不思議に思ってしまう水路。3月末には美しい桜の木の下でのんびりと花見ができる、楽しすぎるスポットです。

第3位 最先端の土木技術を駆使したトンネル

第3位からは、アド街っぽく、定番スポットを紹介します(笑)。
小山内裏トンネルは、多摩ニュータウン通りの南大沢と多摩境の間のトンネル。隣のトンネルとの距離が近く、土被りも浅いため、CD工法という当時の最先端の技術を駆使して掘られたトンネル。土木学会の技術賞を受賞しました。トンネルって怖いイメージがありますが、多摩境駅にも近く、たくさんの人が普段から利用する、明るいトンネルです。

第2位 迎賓館の香りをニュータウンに持ってきました。

第2位は、大正時代の名橋を移築した、長池見附橋です。もともとは、皇居の外濠の跡を走る、JR中央線の四ツ谷駅の上に架かる、四谷見附橋を移築したものです。この橋は、皇居から赤坂の迎賓館に行く途中に架かる橋なので、迎賓館の雰囲気を入れた、とても優雅な橋で、その雰囲気を多摩ニュータウンに持ってきたものです。今は長池公園として親しまれています。土木屋的には、疲れたらこの橋を見に来て癒してもらっています(笑)。

第1位 南大沢という町の地名

第1位は、やはり、何と言っても南大沢という地名そのもの。昔の多摩丘陵の奥にあった、大栗川の支流の大田川の、さらに支流の清水入谷戸が作る、大きな沢が由来で、同じ南多摩郡(今の八王子市を中心とする地域)にもう一つ大沢村があったので、「南の」大沢村として今の地名になりました。街歩きをしながら、そういう昔の姿などを頭の中で再現すると、街の魅力をもっと身近に感じるようになる、はずです。

■終わりに

独断と偏見で選んだ南大沢ベスト10、どうだったでしょうか?ベスト10を選んでみましたが、あそこも入れていないし、あそこも・・・、というように、もっと紹介したかった場所がたくさんあります。今日放送予定のアド街も、そんな風にスタッフさんが悩んだ末にベスト30を決めたのだろうな、と思います。放送を見るのが待ち遠しいです(笑)。この放送を見たりして、南大沢と言う街に訪れる人が増えるといいと思います。

なお、南大沢の、土木構造物について興味を持っていただいたり、もっと知りたいという方は、こちらのマガジンにおすすめスポットを投稿していますので、是非参考にしてみてください。

(おまけ)
TwitterのNote公式アカウントさんに、ご紹介いただきました。自分の専門分野や得意分野である、土木や地理・地図関係の目線で歩く少しマニアックな視点での街歩きに興味を持っていただき、とてもありがたく思っています。これからもゆるく長く続けていければいいと思っています。


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