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🤱【あなたの為を思って】という罠〜習いごと

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兄弟2人、児童施設育ちの知人から「親のことをそんな風に言っちゃダメだ。親がいるというだけで幸せなんだから」と真顔で注意されたことがある。
「親」もいろいろだということを彼は知らない。
「親」がいない生活を私は知らない。
共感できなくて当たり前だと思う。



習いごとをさせてもらえたことに、感謝しないといけないのかな?
「させられた」としか思えなくても。



学校から帰るのを待ち構え「良いところへ連れて行ってあげる」と母に連れて行かれたのは習字教室。
誰にとっての良い所?
エコ贔屓するヤスオカ先生が苦手だった。
いつもユウコちゃんばかりを褒める。
夏場に時々アイスを買ってくれるのだけが楽しみだった。
濃く大きく字を書くと大人受けが良い、と判ったことは収穫。



エレクトーンがカッコイイと思った。
「エレクトーンを弾いてみたい」とポロリと言ったら、ヤマハの教室に入れられた。
弾いてみたい≠習いたい
ちょっと触ってみたかっただけ。
しかも上の教室に上がる前に辞めさせられた。



「どれがいいの?」と選ばされたのはエレクトーンではなく電子ピアノ。
家に電子ピアノがやって来て、個人レッスンの先生もやって来た。
練習するより友だちと遊びたいしテレビも観たい。
発表会には母が縫ったワンピース、ツインテールに白いレースのリボン。



ご自身の都合でレッスンをドタキャンする先生も、母からヒステリックに練習しろと言われるのも嫌い。
辞めたいと言ったら「自分がやりたいと言ったくせに」「高い物を買わせておいて」「先生には自分で言いに行きなさい」と母から言われた。




弾いてみたいとは言ったけど、習いたいとは言ってない。
選べと言われたから選んだけど、私がねだった訳ではない。
辞意を先生に、自分で言わされる小学生って……




トレーニングペーパー(通信教育)、水泳教室、スケート教室、スキー教室、子どもキャンプ教室……
全部母の一存、どれも意思確認をされたことはない。
弟が通っていた絵画教室には、自分から行きたいと言った。
理由?家では買ってもらえないようなお菓子と甘い紅茶を出してくれるから。




学校で、絵の具や書道セットの斡旋販売があった。
姉兄のお下がりの子もいたけれど、クラスメイトの殆どがお揃い。
私は長子なのに「お揃いにする必要はない」と買ってもらえなかった。




2年下の弟、5年下の妹は買ってもらってた。
済んだことだけど母に訴えたら「お姉ちゃんだから我慢できるでしょう」「お姉ちゃんのくせにそんなことを言ってみっともない」と言われた。
お姉ちゃんって便利な言葉ね。
私もお揃いのがほしかった。


台風の日に母と2人で近隣のスーパーまで歩いて行った。
弟•妹はお留守番なのに、なぜ私だけ?
欄干の隙間から見えた川の流れが激しくて怖かった。
あと少しでスーパーという所で風に煽られ、傘から手を離してしまった。
ガリガリの私は、体が浮き上がりそうで恐ろしくなったから。



赤い傘は風に煽られ雨の中をどんどん逃げて行く。
追いかける母が手を伸ばすと風に攫われ、を何度か繰り返し漸く捕まえると私に言った。
「どうして手を離すのっ‼︎」。
今でも、風のある日に傘をさすのは苦手。
大人になっても強い風が怖い。



私なら、台風の日に小さな子どもを連れて出かけようとは思わないんだけど。



ひな祭りが過ぎちゃった
ご近所さんの八重咲き花桃「宝塚小町」
バックのオレンジ色はキンカンの実





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