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🤱【あなたの為を思って】という罠〜キツネとタコ

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母のことは恨んでない。
認知症のお陰で、母を許さなくて済んでいるのは僥倖。
今日2/18(日)は母に面会、喜んでくれた。
職員の皆様からは「定期的に面会に来る親孝行な家族」と思われている、違うけど。


ぽちゃぽちゃの弟、ふんわり巻き毛の妹に引き換え、痩せっぽちで笑わ(え)ない私。
母は事あるごとに私の表情を貶すようになった。
実子にルッキズム⁇



「いっつも怒ってるから目が吊り上がってる」と言っては、自分の両目尻を指で吊り上げて私に見せる。
「こんなキツネみたいな顔をして‼︎」
「いっつも(怒って)膨れてる(膨れっ面をしている)から、口が突き出てタコみたい」と言っては、自分の頬を膨らませて唇を突き出して私に見せる。
おいおい、キツネとタコに謝れよ。



詰まらないから笑えないだけ、怒ってない。
カメラを向けられたら、目を細めて笑うふりくらいはできる。
母は狡い、父が居ない昼間にこんなことを言うなんて。
……と思うのは、大人になった今の私。
当時はとにかく母のご機嫌が治るよう「ごめんなさい」と声を絞り出した。
なぜ謝らないといけないんだろう?



漸く絞り出した「ごめんなさい」を、母が大袈裟に真似する。
「そんな言い方してない」と言うと「口答えしなさんなっ‼︎」と怒鳴られる。
悲しくて(今なら「悔しくて」)、泣きたくないのに泣けてくる。
そうしたらまた怒鳴られるんだ「泣きなさんなっ‼︎」って。
些細なことでも毎日繰り返されると、体は傷つかないけど気持ちがキツい。



今もあるのかな?
果物味の子ども用歯磨き。
近所の薬局にはバナナ味かイチゴ味、極たまにオレンジ味が売られていた。
弟が好きだから、母は毎回バナナ味を買う。
私は嫌い、できればオレンジ味、なければイチゴ味がいい。
何回頼んでも実現しなかった。
1回ずつ交互に買えば?



あんこやジャムのように、甘さを直接感じる味が嫌いだった。
クリームパンがいいと言っても、買うのはあんパンやジャムパン、だって弟が好きだから。
私だけクリームパンにしてくれれば良いのに。



風邪だったのか、昼間に寝かされていた。
「果物でも買ってこようか?何が食べたい?」と、いつになく母が優しくて嬉しい。
摺り下ろし用のりんごがなくなったのかな?
「梨がいい」という私の返事を待って母は出かけた。



うとうと、とろとろとしていたら母の声に起こされた。
梨を食べられると思って目を開けたら、バナナを差し出された。
「梨は硬いからバナナにしたのよ。バナナは軟らかいから食べやすいでしょう」。
硬い梨だって、りんごみたいに摺り下ろせばいいんじゃないの?
熱っぽい私は、もっちゃりしたバナナなんて口に入れたくない。



バナナを食べない私に母は「素直になりなさいっ‼︎」と声を上げた。
返事ができないでいると「はいと言いなさいっ‼︎」と更に大きな声で言った。
「素直」って何?母の言いなりになること?
黙っていると「ほらまた目が吊り上がって口を突き出して……」が始まる。
「○○ちゃん(妹)を見てごらんなさい、いつもニコニコしてるのに」。
甘やかし放題の妹と、私を比べる必要なんてある?


いつもながら本文とは無関係
試乗車についてたナンバープレート
ハート?と思ったのに、キモチワルイ……





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