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見ていて飽きない店主さんがいるうどん屋さん

ーすごくおもしろいお店に出会ったー


8月か9月の話。

風の温度が下がってきて、匂いも何やら秋めいてきた頃。

そうとなれば、ちょっと自転車にでも乗ろうじゃないか。

(就活とかで自己紹介するときはいつも趣味サイクリングって言ってたくせに、最後に自転車に乗ったのはほぼ1年前な私。)


まず早起きをして、スッカスカでぺちゃんこになったタイヤに空気を入れて、今年初の日焼け止めを塗って、ヘルメットをかぶって走り出した。


お目当ては東京西部にあるうどん屋さん「手打ちうどん こげら」だった。


・・・


11時の開店と同時に着くように出発したつもりが、のんびりと走っていたら1時間遅れくらいのピークタイム到着になってしまった。


お店は東大和市ののどかな草原のような空き地(?)を抜けたところにあった。


店名は見えなかったが、「うどん」という看板は見えたので、たぶんここだろうと思って入った。


テーブルふたつとカウンター4席のこじんまりとしたお店。

そしてまさかの店主のおじさんのワンオペ。


お腹が空いていたから「ぶっかけうどん」と「ちくわ天」と「げそ天」を頼む。


一息ついていると、お冷がセルフサービスだったことに気づく。

周りのお客さんはみんな常連さんっぽい。

常連さん「のれん出てなかったけどいいのー?」

店主さん「あー忘れてた!」

私「(どおりで店の名前が外から見えなかったわけだ、、。)」

常連さん「出しとこうか?」

店主さん「うーん、まあいいやー」


・・・


店主さんは終始忙しそうにしている。


その様子をカウンターから見ているだけでも楽しい。


しょっちゅう「やべっっ」って店内全員に聞こえるくらいの声でつぶやいていたり、「(鍋のそばに置いていたタッパーの)フタ溶けちゃったー!!」とかわざわざみんなに教えてくれたりする。


・・・


そして出てきた私のうどんと天ぷらセット。

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大きい天ぷらたちときらきら光るうどん。

(これで脅威の500円!!)


うどんはとにかく太くてしっかりしている。


ちくわ天はちくわも衣もふわっとしている。


げそ天はハサミで切って食べないと衣の中のげそがすぽっと抜けてしまうからちょきちょき。

でも歯ごたえがあるのにすごくふっくらしていておいしい。


サービスでメゴチの天ぷらもつけてくれた。(数量限定の先着っぽい。)

初めて食べたけどふわふわでおいしい。


・・・


ぼんやりと厨房を見ながら食べていたら、店主さんがダダダダダッとうどんのタネを切り始める。

(こんなのまで含めてワンオペかよ!)


店主さんが常連さんに「今外何人並んでるー?」と聞いた。

常連さんに「7人だよ!」と言われて

「えーーっ!」と驚いていた。

このお店には気の休まる時間がないなと思った。

(営業時間が11時から13時までだけなのも納得。)


うどんの仕込みをしている間は手が離せないからお会計をする暇もない。

お客さんは「ここにお金置いとくねー。ごちそうさまー。」と言って出ていくシステム。


私も隣のおじさんがそうしていたように、食器を返却棚に下げて、テーブルをふきんで拭いて、小銭をカウンターに置いて「ごちそうさまでしたー」と言った。


なんとなく名残惜しくて、「おいしかったです」と付け加えたら、「ありがとうねー」と言ってくれた。


誰でも受け入れてくれそうなお店だなと思ったから、勇気を出さなくても「ごちそうさま」以外の声をかけられた。


見てるだけで楽しいお店。

待ち時間が楽しいお店。

応援したくなるお店。

ふらっとまた行きたくなるお店。

あたたかいお店。


・・・

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