ふわふわパンに包まれて バターと一緒に眠りたい
ー パンの切れ込み 消えゆくバター ー
都内に数店舗あるオムライスとフレンチトーストのお店「ラケル」
夜ごはん難民だった私は、ここのお店の小さめサイズのオムライスが食べたくなり、お店に向かった。
ラストオーダー3分前に入店する。
（キッチンでバイトしてるからわかるけど、これめっちゃ萎える客、、）
ここは同業者の絆ということで、メニューを見て5秒で注文する。
（せめてもの罪滅ぼし）
「ケールとチーズのオムレツで！」
さっきまでオムライスを食べるつもりでいたのに、人は焦ると何をするかわからないから困ったもんだ。
・・・
しばらくしてオムレツプレートが到着した。
赤いギンガムチェックのテーブルクロスがなんともかわいい。
店内に子連れのご家族が多いのもうなずける。
マスクを外すと、バターのふんわりとした甘い香りが漂ってきた。
わあ！バターが挟まってる！
なんて驚いている間にもバターはどんどん溶け出している。
右のほうのじゃがいもが目に止まった。
もしや、、これは無味のじゃがいもか？
だったらなんとかしなきゃ、、
私は急いでパンに挟まったバターを半分救出し、ジャガイモにぬりぬりした。
間一髪でじゃがバターが完成した。
ふう
ここでやっと一息。
落ち着いてオムレツとサラダを食べる。
オムレツは卵がとろけた。
中に入ってるケールは味がしなかった。
サラダに入っているにんじんは味がした。青々しくて、生！って感じの味だった。
普通は逆な気がするけどまあいいや。
そしてジャガイモにすっとナイフを入れて一口食べる。
さっきのバターのおかげでパーフェクトなじゃがバターが完成していた。
グッジョブ！！
そしてお待ちかねのパンにもナイフを入れていく。
（素手はウイルスがついてると嫌だから使えないタイプ。）
バターはすっかり溶けていたけれど、切れ込みのところがじゅわ〜〜っと黄色く光っていて、ここにいるよ〜と話しかけてくる。
一口食べると、ふわふわながらもっちりしているパンと、そこに溶け込んだバターがじゅわっと広がった。
これは、やばいです。
この味を知っていたのに、それなのに、やばい以外の言葉が出てこないくらいおいしい。
食感といい、味といい、、。
そして恐ろしいほどに軽いから多分いくらあっても食べられる。
一個じゃ足りない。
（このラケルでしか食べられない唯一無二のパンは、レジ横で購入することもできます。）
もっとください！
なんならここで一生眠らせてください！
この夢本気で叶えたくなった。
ふかふかむにむにのパンに包まれて、バターの香りが漂う中で安らかに眠れたら、どんなにいい夢を見られることだろう。
・・・
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