イバラの道、あっつあつ黒酢豚ランチまで

この日はお昼ご飯に酢豚を食べたくなった。

私が食べたい酢豚というと、もう「あそこのあれ！」というのが決まっている。

となり町の町中華の黒酢豚。

本場の方がやっているお店。

あれが本当においしいのだ。

お店で食べてもいいけど、待つのがめんどくさかった私は電話予約をしておいてテイクアウトすることにした。

お昼の12時半ごろ、

ピーク中だよなあ、、と思いつつも、私は今お腹が空いてしまったんだもん、と開き直って電話をかける。

（飲食でバイトしてるくせにこの時間に電話なんてかけちゃいけません！）

プルルル、、

「もしもし！」

（繋がった！）

「13時にテイクアウトの予約をしたいのですが、」

「、、、すみません！今忙しいので後でもう一回かけてもらっていいですカ！」

「は、はい！」

ガチャン！

わあ、こんなの初めてだ、、。よっぽど忙しかったんだな、、。

申し訳なくなった。

けど午後の予定もあるから私は13時にはどうしても食べたいのだ。

ここの黒酢豚が！

現在時刻12時半。

うーん、15分くらいしたらもう一回かけようかな。

・・・

そしてめちゃくちゃ躊躇しながらも、どうしても食べたいもんだからもう一回かける。

（また忙しそうだったら諦めようと思っていた。）

だが今回は無事つながり、13時にテイクアウトをお願いすることができた。

長い道のりだった。

うきうきで向かい、るんるんで帰宅。

頑丈に固められたアルミホイル。

そーっと剥がしていくと、、。

ふわぁ〜〜

具材はいたってシンプルで、ごろっとした豚ばら肉とにんじんと玉ねぎだけ！

（あと少しだけ柑橘の皮が入っていて爽やか。）

黒酢あんかけをたっぷりからませて、大きい豚肉の塊を一口食べる。

、、、、ゲホゲホっ

（熱すぎてなかなか噛めないから頑張って噛もうとしてたら喉に酢の気化したもの？が入ってきてむせる。）

今日困難多いな、、。

（てかなんで酢ってむせるんだ？）

この前授業で「嚥下困難者に酸っぱいものはあんまり良くない。」って習ったばかりだった。これのことか。確かに危険だ。

・・・

あんなにたっぷり入っていた黒酢豚も白米の手にかかればあっという間だった。

おいしかった〜！

町中華って言われると酢豚一択なのはきっと私だけじゃないはず。

なみなみ入っていた黒酢豚のあんかけまでペロリと食べた私の目の前にはアルミホイルだけが残った。

よく見ると、アルミホイルには所々穴が空いていた

まさか、、

私はおそるおそる自分の胃の中を覗き込んだ。

ゴクリ、、。

・・・

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