鈴木みのり

文章を書いてお金をもらえるようになって8年経ちましたが

鈴木みのり

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記事一覧

自尊心を獲得しようと規範や言葉と格闘するすべての人たちへ

* この記事は、2019年に韓国のメルマガ「アリババと30人のチングチング(친구친구)」連載で9月に配信されたものを、少し加筆修正した記事です。 この2年のあいだ、4月末…

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Black Lives Matterとトランスジェンダーについて

* 51年前の6月28日は、ニューヨークのストーンウォール・インというバーに警察が踏み込み捜査に入り、それまで不当に扱われてきた性的マイノリティ、特に非白人、貧しい階…

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20200521

ひどいことが多すぎて日記を書ける心境じゃない。 ほとんどすべての人にとって(経済的にも、予測のつかない理由による物理的な死という意味でも)危機的な状況において、…

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202005001-07のあいだで

自転車に乗って出かけた。 一度は、隣の隣の駅の、さらに北に行ったあたりの花屋で、切り花をいくつか買った。緑の小さいバラと、カーネーションを2色と、ユーカリ。ユー…

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20200429-30

『チオベンの弁当本』に載っている千織さんのオリジナル調味料の海老醬を作ってみようと買い物に行った。1軒目のスーパーで、ボイルホタテを探せど探せど見つからないので…

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20200428

その前の日は、頭痛がひどくてお茶を残した。ヨギティとpukkaの、ミントとリコリスの、を混ぜたのを。ベッドの中でずっと喉の奥からにんにくと酒粕の香りが登ってきた。 去…

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20200426

2週間前にオンラインで注文したFenty Beautyのメイクアップが色々と届いた。 箱に書かれている説明文の冒頭で「ELECTRIC PASTEL POP」とある、ヴィヴィッド・リキッド・ア…

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20200425

ずいぶん前に買ったレシピ本や、友達からもらったレシピ本を引っ張り出してきて、気合いを入れて料理をしてみた数日間だった。 インスタストーリーに何人かがアップしてい…

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20200421

叫ぶ練習をした。 服や髪型のスタイルみたいに、声のトーンを変えて。 善意の旗振りのもと、固有性や個人が軽視されゆうのに、そこで生き延びるためにある部分での一致を…

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20200418

鬱ではないけど、やる気が出ない。 何も書かないでいると読まないでいると、堕落しているように感じられるけど、「書けない」であり「読めない」であり、書けない・読めな…

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20200417

自分のことを説明する人生やったから(未来もきっとずっとそう、と覚悟はしている)、そしてその言葉に対して考える時間もとってくれず、知っている範囲から出ようとせず、…

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20200416

何年か前に、台湾に逃げようかと思ったことがあった。そのことについて簡単にふれる文章がそろそろ公開される予定だけど、そこでは「逃げたい」という意志については、ふれ…

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20200414

オンラインのミーティングが遅くなり、夜ごはんを作るのが面倒やったけど、酒粕が余ってどうしようもなかったので、味噌と牛乳でクリームペンネにした。鯖缶があったので入…

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20200413

夜ごはんは、牡蠣ときのこのパスタ。にんにくと玉ねぎに続けて、缶詰のスモークオイスターと冷凍しておいたしいたけやしめじを炒めたもので、和えただけ。オカダが教えてく…

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20200412

さっき、コンビニのレジ内で、たぶんマスクかティッシュ類について、朝早くに出かける会社員の人が買えなくなるから的な、品出し時間の分散を店員同士が話していた。それ自…

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20200411

インスタグラムのストーリーで、オーストラリアに住む友達が、庭で子どもたちを遊ばせている様子を見て、良いなと思う。イースターで、庭とか家の敷地内にたくさんエッグを…

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自尊心を獲得しようと規範や言葉と格闘するすべての人たちへ

* この記事は、2019年に韓国のメルマガ「アリババと30人のチングチング(친구친구)」連載で9月に配信されたものを、少し加筆修正した記事です。

この2年のあいだ、4月末頃に行われる東京レインボープライドのパレードで歩いた。「ハッピープラーイド!」と笑顔でハイタッチができるものと信じている人たちに対して、「自分は性的マイノリティに理解がある」と信じている人たちに対して、わたしは何度も「ハッピーじ

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Black Lives Matterとトランスジェンダーについて

* 51年前の6月28日は、ニューヨークのストーンウォール・インというバーに警察が踏み込み捜査に入り、それまで不当に扱われてきた性的マイノリティ、特に非白人、貧しい階層の人々を中心に抗議活動に発展したきっかけの「ストーンウォールの蜂起」が、50年前には現在のプライド・パレードの源泉となった行進が始まった日です。
その日に向けて、2020年6月24日に公開された以下の記事から始まる、5つの記事で構成

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20200521

ひどいことが多すぎて日記を書ける心境じゃない。
ほとんどすべての人にとって(経済的にも、予測のつかない理由による物理的な死という意味でも)危機的な状況において、これまで日常的に差別されたり、不当な社会的処遇を続けられてきた人たちがさらに追い込まれるだろうと予想していたけど、思った以上にひどい。
自分ひとりのことを考えれば、生き延びられる予感はしているけれど、自分さえ良ければいいと、選別される命や保

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202005001-07のあいだで

202005001-07のあいだで

自転車に乗って出かけた。

一度は、隣の隣の駅の、さらに北に行ったあたりの花屋で、切り花をいくつか買った。緑の小さいバラと、カーネーションを2色と、ユーカリ。ユーカリはドライのものがすでに部屋にあって、2年くらい前にトシエさんのワークショップのとき作った花束のうち、花びらや花粉らしきものが巻き散りやすいものを除いたら、残ったのがそれだった。そのほかは、多肉植物など観葉植物をいくつか鉢で買い始めて以

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20200429-30

20200429-30

『チオベンの弁当本』に載っている千織さんのオリジナル調味料の海老醬を作ってみようと買い物に行った。1軒目のスーパーで、ボイルホタテを探せど探せど見つからないので冷凍ホタテを買う。
2軒目のスーパーにあった。
舞台芸術界のセクハラなどハラスメント勉強会の、相談窓口リストを作成するグループのオンラインミーティングが始まる15分前で、冒頭は聞くオンリーになるかもとメールし、急いで帰宅。
zoomを立ち上

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20200428

20200428

その前の日は、頭痛がひどくてお茶を残した。ヨギティとpukkaの、ミントとリコリスの、を混ぜたのを。ベッドの中でずっと喉の奥からにんにくと酒粕の香りが登ってきた。
去年、ベジでカルボナーラっぽいもの作れないかと思って、調べたら酒粕と白味噌があればできるというレシピを見つけたので、反射的に買って、一度試したまま冷蔵庫のなかに放置されていた酒粕だった。

それで、運動ができなかったので、そのぶん歩くか

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20200426

20200426

2週間前にオンラインで注文したFenty Beautyのメイクアップが色々と届いた。

箱に書かれている説明文の冒頭で「ELECTRIC PASTEL POP」とある、ヴィヴィッド・リキッド・アイライナーの3色セットはそのとおり、鮮やかなネオンカラーのトリオで、わたしはその「BAESIDE」と名付けられたものをオーダーした。babeを略してbaeというのが流行っているらしいのだけど、それとbesi

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20200425

ずいぶん前に買ったレシピ本や、友達からもらったレシピ本を引っ張り出してきて、気合いを入れて料理をしてみた数日間だった。

インスタストーリーに何人かがアップしていた旬のたけのこを灰汁抜きして作った料理を見ていて、千織さんが『チオベンの弁当本』で紹介していたたけのこのココナッツ煮を以前オカダと作ったのが思い出された。それから、ベジ料理に関心があるというわたしに泰ちゃんがずっと前に勧めてくれたオズボー

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20200421

20200421

叫ぶ練習をした。
服や髪型のスタイルみたいに、声のトーンを変えて。

善意の旗振りのもと、固有性や個人が軽視されゆうのに、そこで生き延びるためにある部分での一致を優先しようとして、本当は対立する部分の犠牲が言葉にならずに消えていくみたいに見える。特に、これまでも端に追いやられちょったのに、声が小さいきって、なかったことにされてきた部分の滲みが悲惨なほど横暴に踏みにじられるゆう感じがする。

Net

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20200418

鬱ではないけど、やる気が出ない。
何も書かないでいると読まないでいると、堕落しているように感じられるけど、「書けない」であり「読めない」であり、書けない・読めない状態へのなんらかの外圧も働いているのかもしれないとも思ってる。数値化とかで、自分でどうにかできる程度なのかどうか、わかるわけではないのだけど。

ポリンキーのめんたい味がおいしい。すごい胃の中に味が残って、咽頭からずっと昇ってくる感じが続

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20200417

20200417

自分のことを説明する人生やったから(未来もきっとずっとそう、と覚悟はしている)、そしてその言葉に対して考える時間もとってくれず、知っている範囲から出ようとせず、何かにまとめられたり当てはめられたり、あるいは一切無視されるような経験を重ねてきたから、知的な人に惹かれてきた。
高学歴な学者とか編集者とか。浅はかとも思うけど、どこの学校に行ったのかも気にしてしまうところがあって、ただ自己弁護すると先述の

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20200416

何年か前に、台湾に逃げようかと思ったことがあった。そのことについて簡単にふれる文章がそろそろ公開される予定だけど、そこでは「逃げたい」という意志については、ふれていない。
台湾でも使われている普通語(北京語)ができれば、日本に住むのが本当に厳しくなったとき、今まあそこそこできる英語とあわせてなんとかどこかで生き延びられるんじゃないかと思って、友達がその少し前に写真展の縁で台湾にしばらく滞在していた

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20200414

オンラインのミーティングが遅くなり、夜ごはんを作るのが面倒やったけど、酒粕が余ってどうしようもなかったので、味噌と牛乳でクリームペンネにした。鯖缶があったので入れてみたら、見た目がやばい。最後に入れた、塩の加減でちょっとしょっぱくなってしまった。「ひとつまみ」のぐあいの難しさ、あいまいな未来の不安と予期せぬからこその楽しさのジレンマ。

部屋におったけどメイクした。前にも書いた、『Beauty t

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20200413

20200413

夜ごはんは、牡蠣ときのこのパスタ。にんにくと玉ねぎに続けて、缶詰のスモークオイスターと冷凍しておいたしいたけやしめじを炒めたもので、和えただけ。オカダが教えてくれたやり方。

言葉も、生活のしかたも、ほとんどが誰かから借りてきたもの。

メディアなど主流の社会で注目されるのは、そのうちひと握りで、中には立場とか属性で少数派だったり表に立てない人のものは、ないものとされて、多数派や表に立てるだけの能

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20200412

20200412

さっき、コンビニのレジ内で、たぶんマスクかティッシュ類について、朝早くに出かける会社員の人が買えなくなるから的な、品出し時間の分散を店員同士が話していた。それ自体が政治的やと思った。政治がその先にあると思った。

昨日の夜、同じコンビニにポリンキー(PBバージョン)を買いに行ったら、アイス類の近くにティッシュ類が出してあって、ボックスティッシュはバラ売りやった。分配の意識を感じていた。

ポリンキ

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20200411

20200411

インスタグラムのストーリーで、オーストラリアに住む友達が、庭で子どもたちを遊ばせている様子を見て、良いなと思う。イースターで、庭とか家の敷地内にたくさんエッグを潜ませて、遊ぶ姿。
でも、たった数十秒の動画で見ているに過ぎなくて、その街で暮らすこと、子どもを育てること、母語が日本語の人間が英語でコミュニケーションを取るのが生活の標準に変わること、思いついてこうやって書き記せるなにかだけでは言い尽くせ

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